募集中認定制度

若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)

実施機関
厚生労働省
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)(厚生労働省)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

ユースエール認定は、お金をもらう補助金ではなく、若者の採用・育成に強い中小企業だと国が認める「認定制度」

ユースエール認定制度は、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)にもとづく制度です。若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認定します。実施しているのは厚生労働省で、窓口は事業主の住所を管轄する都道府県労働局です。

最初に押さえておきたいのは、この制度が補助金でも助成金でもないことです。申請して認められても、現金が交付されるわけではありません。得られるのは、ハローワークなどでの重点的なPR、認定企業限定の就職面接会への参加、認定マークの使用、公共調達での加点評価といった「採用で選ばれやすくなる材料」です。補助金の申請書づくりとは性格が違い、認定基準を自社がすでに満たしているか、満たしていない部分をどう直すかが勝負になります。

J-Net21(中小機構)の支援情報には、この制度が認定制度として載っています。実施機関は厚生労働省、地域は全国で、申込方法などの詳細は厚生労働省側で確認する形です。J-Net21の掲載日は2026年5月19日でした。

制度の骨格を、先に表で整理します。

項目内容
制度の種類認定制度(補助金・助成金ではない)
根拠青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)
認定する人厚生労働大臣(申請の窓口は、事業主の住所を管轄する都道府県労働局)
対象常時雇用する労働者が300人以下の事業主(中小企業)
認定基準12項目をすべて満たすこと
創設2015(平成27)年10月
認定後毎年、認定基準に適合しているかの確認を受ける
申請方法都道府県労働局への持参・郵送、またはe-Gov電子申請

この記事では、12の認定基準の読み方、数字の基準を自社に当てはめる計算、認定を受けると何が得られるか、申請書類、つまずきやすい点、似た認定制度との違いを、厚生労働省の公式ページとリーフレットで確認できた範囲で順に整理します。融資にかかわる優遇は、このサイトの対象外のため解説しません。

認定企業は全国にどれくらいあるのか

厚生労働省の特設サイトには、2024年9月末現在で1,329社が認定企業として認められていると書かれています。同じサイトの別のよくある質問ページには、2023年10月末現在で1,110社とあり、約1年でおよそ220社増えた計算です。編集部が2026年10月12日に若者雇用促進総合サイトの企業検索ページを見たところ、「ユースエール認定企業:2171社」という表示がありました。ただし、この数字がどの時点の、どの範囲の集計なのかはページから読み取れないため、最新の社数は総合サイトで確認してください。

時点認定企業数出典
2023年10月末現在1,110社特設サイト(就職活動中の方向けよくある質問)
2024年9月末現在1,329社特設サイト(トップページ)
2026年10月12日に編集部が確認した表示2171社(集計の範囲は不明)若者雇用促進総合サイト(企業検索ページ)

数が少ないことは、制度の弱みにも強みにもなります。日本に中小企業は膨大にある中で、認定企業は一部です。求職者から見れば「条件を満たした会社だけが名乗れる印」になりますし、認定を取る会社から見れば、同じ地域・同業種で名乗っている会社がまだ多くない状況が、見つけてもらいやすさにつながります。

申請できる会社の条件は何か

対象は、常時雇用する労働者が300人以下の事業主です。厚生労働省の事業主向けよくある質問には、認定基準をすべて満たす中小企業であれば認定企業になれる、と書かれています。業種や資本金の条件は公式ページには示されておらず、見られているのは常時雇用する労働者の数です。

ここで、条件を3つの層に分けて考えると整理しやすくなります。

層見られること該当する認定基準の番号
入口の条件300人以下であること、若者向けの正社員求人や募集を行っていること基準1(と上記の規模)
中身の条件人材育成の方針と計画、離職率、残業、有給休暇、育児休業の実績基準2、基準3
見える化と過去の条件雇用情報の公表、過去の取消・辞退・内定取消し、解雇・退職勧奨、法令違反など基準4から基準12

入口の条件の「若者向けの正社員求人」には注釈があり、少なくとも卒業後3年以内の既卒者が応募できることが必要です。新規学校卒業者だけでなく、既卒3年以内の若者も応募できる形にしておく必要があります。正社員の定義も決まっています。直接雇用で、期間の定めがなく、社内の他の雇用形態の労働者(役員を除く)に比べて高い責任を負いながら業務に従事する労働者を指します。

12の認定基準を、一覧で確認すると何が問われているか

厚生労働省の制度ページ(若者雇用促進総合サイトにも同内容)に載っている認定基準を、番号順に整理します。12項目すべてを満たすことが条件で、1つでも欠けると認定されません。

番号認定基準の内容確認のしかた
1学卒求人など、若者対象の正社員の求人申込みまたは募集を行っていること求人票や募集要項の写し
2若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること次の3の要件で具体的に確認される
3下の5つの要件をすべて満たしていること後述の表のとおり
4青少年雇用情報を公表していること自社サイトなどの写し、または企業情報報告書での公表予定
5過去に認定を取り消された場合、取り消しの日から3年以上経過していること過去の認定歴の自己申告と労働局の記録
6基準7から12を満たさなくなったために認定辞退を申し出て取り消した場合、取消しの日から3年以上経過していること同上
7過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと誓約書、関係法令遵守状況報告書
8過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと同上
9暴力団関係事業主でないこと誓約書
10風俗営業等関係事業主でないこと誓約書
11雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと誓約書
12重大な労働関係法令違反を行っていないこと関係法令遵守状況報告書

基準3の5つの要件は、数字で白黒がつく部分です。次の見出しで、自社に当てはめる計算を示します。基準5から基準12は、いわば「過去の履歴と信頼性の確認」で、日頃の運営に問題がなければ引っかかりにくい項目です。ただし、基準8の「事業主都合による解雇または退職勧奨」と、離職理由の扱いには注意が要ります。この点は、つまずきやすい点の見出しで詳しく扱います。

なお、厚生労働省の公式ページには、年代の違う複数のリーフレットがあり、表現が少しずつ違います。たとえば古いリーフレットでは、認定企業の取消や辞退の履歴を「過去3年間に〜していないこと」と書き、現在の制度ページは「取り消しの日から起算して3年以上経過していること」と書いています。申請するときは、厚生労働省の制度ページが示す最新の基準と、そこからダウンロードできる様式を使ってください。

数字の基準は、自社の数字に当てはめるとどうなるか

基準3は、5つの数字・実績の要件を同時に満たす必要があります。公式の記載を表にします。

要件公式の基準見る期間
離職率正社員として就職した新卒者等の離職率が20%以下直近3事業年度
人材育成「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること申請時点
残業正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下、かつ月平均の法定時間外労働が60時間以上の正社員が1人もいないこと前事業年度
有給休暇年間付与日数に対する取得率が平均70%以上、または年間取得日数が平均10日以上前事業年度
育児休業男性労働者の育児休業等取得者が1人以上、または女性労働者の育児休業等取得率が75%以上直近3事業年度

離職率20%以下は、採用人数によって何人まで許されるか

離職率は、直近3事業年度に新卒枠などで正社員として就職した人のうち、同じ期間に離職した人の割合です。新卒者等には、新規学卒者を対象とした正社員求人または採用枠で就職した人が入り、既卒者であっても新卒者と同じ採用枠で採用した人は含まれます。

少人数の会社では、1人の離職で率が大きく動きます。そのため公式の注釈に特例があり、直近3事業年度の採用者数が3人または4人の場合は、離職者数が1人以下であれば可とされています。また、直近3事業年度に新卒者等の採用実績が全くない場合は、他の要件を満たしていれば、この離職率の要件は問われません。

次の表は、公式の基準(20%以下、3人・4人は1人以下)を、編集部が採用人数ごとに計算し直したものです。採用人数は仮の数字です。

直近3事業年度の採用人数(仮)許される離職者数の上限そのときの離職率考え方
3人1人約33%20%の計算ではなく、3人・4人の特例で判断
4人1人25%同上
5人1人20%20%以下に収まる最大の人数
8人1人12.5%2人だと25%で基準を超える
10人2人20%20%ちょうどは可
15人3人20%同上
20人4人20%同上

表のとおり、採用が5人から9人の会社は、3年間で離職が1人までしか許されません。人数が多い会社のほうが、1人の離職に余裕があります。逆に、採用が3人・4人の会社は、割合が高くても特例で救われます。自社が表のどこに当たるかを、まず数えてください。

残業と有給は、平均の罠に注意する

残業の基準は2段になっています。正社員の月平均の所定外労働時間が20時間以下であることと、月平均の法定時間外労働が60時間以上の正社員が1人もいないことです。厚生労働省の求職者向けよくある質問には、所定労働時間が7時間30分の会社の例が出ており、完全週休二日制なら月の勤務日数は21〜22日程度なので、月20時間以下は1日あたり1時間も残業していない計算になる、と説明されています。

平均だけが基準なら、一部の人に残業が集中しても通ってしまいます。そのため、後段の「60時間以上の人が1人もいない」という条件が置かれています。1人でも月60時間を超えた月が平均に出てくる場合は、そこを直さない限り基準を満たせません。なお、災害復旧等の臨時の必要があって労働基準法第33条第1項の許可を得て行った業務などは、所定外労働時間と時間外労働時間の算定から除くことができます。

有給休暇は、取得率が平均70%以上、または年間取得日数が平均10日以上のどちらかを満たせば足ります。さらに、就業規則等に定めた休暇のうち、有給であること、毎年全員に付与すること、の条件を満たす有給休暇に準ずる休暇は、労働者1人あたり5日を上限として加算できます。

次の表は、有給休暇の確認を、仮の数字で計算した例です。数字はすべて仮の数字です。

会社の状況(仮)取得率年間取得日数の平均判定
年間付与20日、平均取得14日70%14日取得率でも日数でも満たす
年間付与12日、平均取得8日約67%8日取得率も日数も届かない
年間付与12日、平均取得8日。全員に有給の夏季休暇3日がある加算後に再計算8日に3日を加えて11日10日以上で満たす(準ずる休暇の条件を満たす場合)
年間付与30日、平均取得9日30%9日取得率も日数も届かない

3段目のように、有給の特別休暇を持っている会社は、加算ルールで基準を超えられる場合があります。この加算は、就業規則等に定められていて、有給で、毎年全員に付与される休暇に限られます。該当するかどうかは、労働局に確認してください。

育児休業は、対象者がいなくても通る場合がある

育児休業等の基準は、直近3事業年度で男性労働者の取得者が1人以上、または女性労働者の取得率が75%以上です。小さな会社では、そもそも出産や配偶者の出産がなく、取得対象者がいないことがあります。このとき、男女とも取得対象者がいない場合は、育休制度が定められていれば可とされています。就業規則に育児休業の規定があるかどうかが、そのまま判断材料になります。

また、くるみん認定(プラチナくるみん、トライくるみん、プラスを含む)を取得している企業は、認定を受けた年度を含む3年度間は、この育児休業の要件が問われません。

公表しなければならない「青少年雇用情報」とは何か

基準4は、一定の情報を公表していることです。数字を満たしていても、公表していなければ認定されません。厚生労働省の制度ページに、公表すべき項目が3つの区分で示されています。

区分公表する項目
採用と定着直近3事業年度の新卒者などの採用者数・離職者数、男女別採用者数、平均継続勤務年数
育成の仕組み研修内容、メンター制度の有無、自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定などの制度の有無とその内容
働き方の実績前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職の女性割合

若者雇用促進総合サイトの記載には、さらに「35歳未満の採用者数・離職者数」も挙げられています。公表の方法は自社サイトでも構いませんし、申請時に公表していなくても、企業情報報告書を提出して若者雇用促進総合サイトで公表する予定であれば可とされています(申請の添付書類の案内より)。

公表は、採用の場面でも効きます。求職者が見たい情報が、数字で並ぶためです。厚生労働省のよくある質問も、研修内容やメンター制度の有無などを公表している点を、新入社員のサポート体制を知る手がかりとして説明しています。

認定を受けると、具体的に何が得られるのか

厚生労働省の制度ページは、メリットを6つ挙げています。ここでは、融資にかかわる1つを除き、5つを表にします。

得られるもの内容使い方の勘どころ
ハローワーク等での重点的PRわかものハローワーク、新卒応援ハローワークなどで認定企業を積極的にPR。若者雇用促進総合サイトにも認定企業として掲載求人票の書き方と併せて、担当窓口に認定の旨を伝えて活用する
認定企業限定の就職面接会などへの参加都道府県労働局・ハローワークが開催する就職面接会などへ積極的に案内される開催時期は労働局ごとに異なるため、認定後に確認する
認定マークの使用商品や広告などに認定マークを付けられる採用ページ、求人広告、会社案内に掲げる
公共調達での加点評価価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式・企画競争方式)で、契約内容に応じて加点評価するよう、国の指針に示されている加点の詳細は、調達を行う行政機関が定める
一部の地方公共団体での優遇一部の地方公共団体が行う事業(補助金、奨励金など)で、優遇措置が設けられている場合がある自治体の一覧で自社の所在地を確認する

このほか、日本政策金融公庫の融資で認定企業に有利な取扱いがあると、厚生労働省は案内しています。融資・貸付にあたるため、このサイトでは解説しません。詳細は、厚生労働省の制度ページと日本政策金融公庫の案内で確認してください。

公共調達の加点は、どれくらいの重さなのか

公共調達の加点は、厚生労働省のリーフレットに、内閣府が示している参考配点例が載っています。総配点に占める評価の割合が12%、10%、7%、5%の場合に、認定等の区分ごとに何点が配られるかを示した表です。ユースエールの欄を、同じ若者・働き方系の認定と並べて抜き出します。

区分(根拠法)12%の場合10%の場合7%の場合5%の場合
ユースエール(若者法)9854
くるみん(令和7年4月以降の基準・次世代法)9854
プラチナくるみん(次世代法)121075
えるぼし3段階目(女活法)10864
えるぼし1段階目(女活法)5432

読み方に注意が必要です。これは「参考配点例」であり、配点の割合も含めた加点評価の詳細は、契約内容に応じて、公共調達を行う行政機関が定めます。また、複数の認定に該当する場合は、最も配点が高いものが適用される旨の注記があります(リーフレットの注記は途中で切れていたため、正確な表現は原資料を確認してください)。自治体の調達に出る会社は、その自治体の入札の評価項目を、公告で確認するのが確実です。

自治体の優遇は、一覧でどこまでわかるか

厚生労働省は、ユースエール認定企業への優遇措置が設けられている自治体独自事業の一覧を、PDFで公開しています(令和8年4月1日時点)。都道府県番号順に、事業名、助成金・補助金・奨励金・融資・その他の区分、参考URLが並ぶ形式です。

編集部が読んだ範囲で、事業名の例を挙げると、岩手県平泉町の「働き方改革推進企業支援奨励金」、山形県酒田市の「酒田市働きやすい職場づくり認定取得等奨励金」、栃木県宇都宮市の「宇都宮市中小企業人材確保支援補助金」、東京都の「若者正社員チャレンジ事業」などが載っています。一方で、融資制度や信用保証料の補給にあたるものや、合同就職説明会のような支援事業も含まれており、一覧は性格の違う事業の寄せ集めです。自社の所在地の事業が、自社にとって使える補助金なのか、対象の条件は何かは、一覧の参考URLか自治体の窓口で確認してください。

申請から認定通知までの手順と、用意する書類は何か

申請の流れは、次の表のとおりです。公式ページと、電子申請のリーフレットから整理しました。

段階やること備考
到達度の確認若者雇用促進総合サイトの「ユースエール認定到達度診断」(10の設問)で、認定基準に届いているか簡易判定届いていない項目は、雇用管理の改善方法が案内される
事前の相談都道府県労働局またはハローワークに、申請に当たっての相談相談は労働局・ハローワークが受け付けている
書類の作成申請書と報告書類、添付書類をそろえる。申請書作成機能も用意されている様式が変更されている場合があるため、その都度ダウンロードした様式で提出
申請事業主の住所を管轄する都道府県労働局に持参・郵送、またはe-Gov電子申請管轄労働局が指揮監督するハローワークを通じて提出できる場合がある
審査労働局が提出書類を確認。補正・追加資料があれば連絡電子申請では、申請後に届くメールは審査終了ではなく、労働局へ書類を回付した知らせ
認定各都道府県労働局から認定通知書が交付される審査にかかる期間は、公式ページで確認できなかったため、労働局に確認

提出書類を、新規申請と毎年の確認で分けて見る

厚生労働省が公開している「認定申請・基準適合確認に必要な様式及び添付書類」から、様式を表にします。丸は必要な場面です。

書類様式の番号新規申請毎年の基準適合確認
基準適合事業主認定申請書様式第1号(別添1)必要
認定状況報告書様式第2号(別添12)必要
新規学卒者等採用実績及び定着状況報告書別添2必要必要
人材育成方針・教育訓練計画報告書別添3必要必要
労働時間等実績報告書別添4必要必要
有給休暇等取得実績報告書別添5必要必要
育児休業等取得実績報告書別添6必要必要
関係法令遵守状況報告書別添7必要
誓約書(認定申請用)別添8必要
誓約書(報告用)別添13必要
企業情報報告書参考様式必要必要
若者サイト利用規約への同意確認書参考様式必要必要

実績の裏づけとなる添付書類も、決まっています。

添付書類求められる範囲対応する様式
若者を対象とした正社員求人または募集が確認できる書面の写し新規申請様式第1号
週労働時間が確認できる書面の写し(賃金台帳、タイムカード等)前事業年度1年間に在籍する正社員全員分別添4
有給休暇と育児休業等の取得実績が確認できる書面の写し(賃金台帳、出勤簿等)有給休暇は前事業年度1年間に在籍する正社員全員分。育児休業等は直近3事業年度に在籍する労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者と出産した女性労働者の分別添5、別添6
就業規則または労働協約等の写し有給休暇に準ずる休暇を初めて導入する場合、育児休業等の取得実績がなく制度を整備している場合など別添5、別添6
くるみん認定等の写し直近3事業年度に認定を受けている場合別添6
青少年雇用情報の項目が載ったホームページ等の写し申請時に公表していなくても、企業情報報告書の提出により総合サイトで公表予定なら可別添9

ここから読み取れるのは、「全員分の賃金台帳やタイムカード」が最も重い作業になるという点です。前事業年度1年間に在籍した正社員全員分の労働時間と有給休暇の実績を、数字として集計できる状態にしておく必要があります。

e-Govの電子申請は、どう進めるか

電子申請のリーフレットによると、e-Govで「ユースエール」を手続検索し、「ユースエール認定制度」のページから様式をダウンロードして、記載例を見ながら申請書を作ります。申請入力欄で、申請者情報、連絡先情報、「電子申請システムで受け付けることを希望する旨の届出」に入力し、作成した書類、添付資料、電子証明書を添付して提出します。初めてe-Govを使う場合は、アカウントの取得、アプリのインストール、電子証明書の取得が事前に必要です。添付書類を電子ファイルで準備できない場合は、事前に管轄の労働局またはハローワークに連絡し、郵送で提出します。

編集部が2026年10月12日に若者雇用促進総合サイトを確認したところ、新着情報に2026年9月10日付で「【ユースエール申請書】ダウンロード不具合のお詫びとお知らせ」という項目がありました。内容までは確認していません。申請書をダウンロードする前に、この新着情報を確認しておくと安心です。

認定を受けたあとは、毎年何が必要か

認定は、取って終わりではありません。厚生労働省の制度ページには、基準適合事業主は認定後も毎年、認定基準の適合確認を受ける必要があると書かれています。特設サイトのよくある質問は、認定企業は毎年その状況を維持しているかを各都道府県労働局に報告する義務があり、基準を満たさなくなれば認定を取り消されることがある、と説明しています。

また、離職理由に虚偽があることが判明した場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合としたなど)は、認定が取り消されます。

場面起きること備えること
毎年の適合確認認定状況報告書と各報告書、添付書類を提出(前の表の「毎年の基準適合確認」の列)勤怠・休暇・育休のデータを、年度の締めで毎年同じ形で集計できるようにしておく
基準を満たさなくなった認定が取り消されることがある。自ら辞退を申し出ることもできる満たさなくなりそうな時点で、労働局に相談する
離職理由に虚偽が判明認定が取り消される退職の理由を、実態どおりに記録する
取消・辞退のあとに再申請取消しの日から3年以上経過が必要。ただし、離職率などの基準3・4を満たさなくなったことを理由に辞退して取り消された場合は、3年以内でも再度の申請ができるどの理由で辞退したかで、再申請までの待ち時間が変わる

つまずきやすいのは、どの基準か

認定基準は、公式資料を読むかぎり、次のような箇所で止まりやすいと考えられます。これは各基準の定義から読み取れる、編集部の整理です。

つまずきやすい点起きる理由対処の方向
離職率が20%を超える採用が5人から9人の会社は、3年間で離職1人までしか許されない離職者を、離職理由別に整理し、入社後の定着の取組を見直す
一部の正社員だけ月60時間を超える平均が20時間以下でも、1人でも60時間以上がいれば基準を満たさない部署別・個人別に月次の残業を見て、特定の人への集中を解消する
前事業年度の全員分の勤怠が集計できない賃金台帳やタイムカードの写しが全員分必要勤怠システムの出力形式を、申請様式に合わせて整えておく
青少年雇用情報を公表していない数字が基準を満たしていても、公表がなければ認定されない採用サイトに公表項目の欄を作る。または企業情報報告書で総合サイトに公表
事業主都合の解雇・退職勧奨が過去1年にある基準8は、過去1年間の事業主都合の解雇または退職勧奨がないことを求める申請の時期を、その期間が明けるあとに設定する
古い資料の情報で準備してしまう公式資料の中に、年代の違うリーフレットが並んでいる厚生労働省の制度ページと、そこからダウンロードした最新様式を使う
助成金の加算が使えると思い込む古いリーフレットには、関係助成金の加算が書かれていたが、現在の制度ページにはない助成金の加算の有無は、労働局に確認する

最後の点は、見落としやすい落とし穴です。2017年ごろの厚生労働省のリーフレットには、認定企業がキャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)を活用する際に一定額が加算される、と書かれていました。ところが、現在の制度ページのメリット欄には、この助成金の加算は載っていません。現在も加算が続いているのか、条件がどうなっているのかは、編集部が読んだ範囲では確認できませんでした。助成金の加算を目的にする場合は、都道府県労働局に直接確認してください。

自社に向くか、向かないかを判断するには

向く会社理由
新卒や第二新卒、既卒3年以内の若者を正社員として採りたい会社認定の入口が「若者向けの正社員求人」であり、メリットも若者の採用に向いている
すでに残業が少なく、有給が取れている会社数字の基準を満たしているため、書類の整理が主な作業になる
採用ページで、働きやすさを数字で見せたい会社基準4の公表が、そのまま採用情報の充実になる
公共調達や自治体の入札に参加する会社加点評価の対象になり得る
地方で若者の確保に苦労している会社ハローワークでの重点的PR、認定企業限定の面接会の案内がある
向かない会社理由
常時雇用する労働者が300人を超える会社対象が300人以下の事業主
若者向けの正社員の募集を、今後も行わない会社基準1が、若者対象の正社員の求人申込みまたは募集
補助金のように現金を受け取ることを目的にしている会社認定そのものは現金の交付ではない
残業が月平均20時間を大きく超える業態で、改善の予定がない会社基準3の残業の要件を満たせない
退職者が多く、離職の記録を実態どおりに出せない会社離職理由に虚偽があると取り消される

迷う場合は、先に到達度診断(10問)を受けて、届いていない項目を洗い出してください。到達度診断は、認定基準に満たない部分を明確にして、雇用管理を改善する方法を案内する、と公式ページに説明されています。

えるぼし・くるみんとは、何が違うのか

厚生労働省は、「企業の人材確保・定着に役立つ3つの認定制度」として、えるぼし、くるみん、ユースエールを1枚のリーフレットで並べて案内しています。

認定制度根拠法主な対象認定の考え方
ユースエール若者雇用促進法若者の採用・育成若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業を認定
えるぼし女性活躍推進法女性活躍推進一般事業主行動計画の策定・届出を行った事業主のうち、取組の実施状況が優良な企業を認定
くるみん次世代育成支援対策推進法子育てサポート一般事業主行動計画の策定・届出を行った事業主のうち、計画の目標を達成するなどの基準を満たした企業を認定

リーフレットによれば、くるみんは令和7年4月1日から認定基準等が改正され、えるぼしには令和8年4月1日から女性の健康支援に関する基準を加えた新しい認定が創設されました。3つの認定は、自社の人材確保の課題に合わせて選ぶものです。若者の採用が課題ならユースエール、子育て支援や男性の育児休業が課題ならくるみん、女性の活躍が課題ならえるぼし、という選び方になります。

関係もあります。ユースエールの育児休業の基準は、くるみんを取得している企業にとって、認定年度を含む3年度間は問われなくなります。両方を狙う会社は、くるみんを先に取っておくと、ユースエールの育児休業の要件が楽になります。

また、補助金や助成金のように、お金の面から雇用を支える制度とは、役割が違います。ユースエールは「どんな会社か」を外に示す認定で、助成金は「取組にかかった費用を補う」制度です。採用や定着に向けた助成金は、別の制度として、厚生労働省や労働局の案内で確認してください。

25社の事例から、認定を目指す前に何を整えるとよいか

厚生労働省は2026年3月に、「伸びる・根づく」を実現する中小企業の育成・定着事例集を公表しました。ユースエール認定企業を中心とした中小企業等25社に、若者の採用・育成・定着の取組みや課題をヒアリングして取りまとめたものです。制度は2015(平成27)年10月に創設され、10年余りが経ったことを踏まえ、さらなる活用に向けてまとめたと、はじめにに書かれています。

この事例集は、各社の人材育成の取組みを、「採用」「教育・研修」「資格・学習支援」「キャリア・コミュニケーション」「配属・面談」の5つで整理しています。末尾には、中小企業における人材育成のポイントが、5つにまとまっています。

ポイント内容(事例集の要約)
キャリアパスの明確化等級要件や昇格基準、役割期待を明確にして全員で共有すると、成長の方向が見え、評価への納得感や公平性が高まる
スキルの可視化・育成制度業務に必要なスキルを整理・可視化すると、全体の把握が容易になり、個々の状況に応じた支援ができる
社内流動性成長意欲に合わせた配置や多面的な成長機会で、専門性と多能化の両輪の循環が生まれる
エンゲージメント・定着こまめな様子の把握で不安や不満を早期に察知し、迅速なフォローと承認で心理的安全性を高める
経営層の関与経営層の傾聴と丁寧な発信で現場が動きやすくなり、中長期の視点がそろう

また、導入された取組みの例として、階層別・年次別の研修、資格取得の費用補助、OJT、メンター制度、1on1などが挙げられています。これらは、認定基準のうち「人材育成方針と教育訓練計画の策定」「メンター制度や研修内容の公表」に、そのままつながります。認定のための書類として方針と計画を作るのではなく、実際に動いている取組みを文章にするほうが、基準4の公表にも、採用の場面にも使えます。

認定取得を目指すなら、いつから何を始めるとよいか

認定には公募の締切がなく、基準を満たしたときに申請できる形です(公式ページに募集期間の記載はありません)。そこで、基準を満たすまでの準備を逆算した目安を、編集部の整理として示します。期間は仮の目安で、公式の標準処理期間ではありません。

時期の目安やること確認する書類・場所
申請の半年前から到達度診断を受け、届いていない項目を洗い出す。離職者の記録を整理する若者雇用促進総合サイトの到達度診断
申請の3か月前から人材育成方針と教育訓練計画を作る。残業・有給の月次データを集計する労働時間等実績報告書、有給休暇等取得実績報告書の様式
申請の2か月前から青少年雇用情報を自社サイト等で公表する準備を進める。育児休業の就業規則を確認する採用ページ、就業規則
申請の1か月前から最新の様式をダウンロードし、全員分の賃金台帳・タイムカードの写しを揃える。労働局に事前相談する認定申請・基準適合確認に必要な様式及び添付書類
申請労働局に持参・郵送、またはe-Govで提出事業主の住所を管轄する労働局
認定後採用ページ・求人票に認定マークを掲げる。毎年の確認の時期をカレンダーに入れる認定状況報告書の様式

準備が最も遅れやすいのは、全員分の勤怠データの集計です。決算が終わった直後に前事業年度のデータが確定するため、申請は決算後に合わせると、前事業年度の数字がそろった状態で書類を作れます。

よくある質問

質問答え
補助金のようにお金がもらえますかいいえ。認定制度であり、現金の交付はありません。得られるのはハローワークでのPR、認定企業限定の面接会、認定マークの使用、公共調達の加点などです
従業員が300人を超えていたら申請できますか対象は常時雇用する労働者が300人以下の事業主です
新卒の採用実績がない会社でも申請できますか直近3事業年度に新卒者等の採用実績がない場合、他の要件を満たしていれば離職率の要件は問われません。ただし、基準1の若者向けの正社員の求人申込みまたは募集は必要です
採用が3人しかいない場合、離職率はどう見ますか直近3事業年度の採用者数が3人または4人の場合は、離職者数が1人以下であれば可とされています
育児休業の取得者がまだいません男女とも取得対象者がいない場合は、育休制度が定められていれば可です。くるみん認定を取得している場合は、認定年度を含む3年度間、この要件は問われません
申請はオンラインでできますかe-Gov電子申請が使えます。添付書類を電子で用意できない場合は、事前に労働局またはハローワークに連絡して郵送します
認定は一度取れば続きますかいいえ。毎年、認定基準の適合確認を受ける必要があります。基準を満たさなくなれば取り消されることがあります
認定を取り消されたら、すぐ再申請できますか取消しの日から3年以上の経過が必要です。ただし、基準3・4を満たさなくなったことを理由に辞退して取り消された場合は、3年以内でも再申請できます
自治体の優遇は全国で受けられますか一部の地方公共団体の事業に限られます。厚生労働省の一覧(令和8年4月1日時点)か、所在地の自治体で確認してください
審査にかかる期間は編集部が読んだ公式資料では確認できませんでした。管轄の都道府県労働局に確認してください

確認先と、編集部のまとめ

制度の最新の内容は、厚生労働省のユースエール認定制度のページと、若者雇用促進総合サイトで確認できます。申請に当たっての相談は、お近くの都道府県労働局またはハローワークが受け付けています。事例集の末尾には、厚生労働省人材開発統括官付 若年者・キャリア形成支援担当参事官室(電話03-3587-0331)の連絡先が載っています。

確認したいこと確認先
制度の概要、認定要件、申請様式厚生労働省 ユースエール認定制度
認定企業の検索、到達度診断、申請書作成機能若者雇用促進総合サイト
事業主向けのよくある質問ユースエール認定制度のご紹介(事業主の皆様へ)
申請の相談、書類の持参・郵送事業主の住所を管轄する都道府県労働局、ハローワーク
認定制度の担当部署厚生労働省 人材開発統括官付 若年者・キャリア形成支援担当参事官室(03-3587-0331)

ProdX Crowd編集部の見方をまとめます。ユースエール認定は、採用の場面で「働きやすさ」を第三者の基準で示せる点に価値があります。一方で、取得のハードルは、書類の量よりも、数字を満たす実態を作ることにあります。離職率、残業、有給、育児休業は、申請のために急に整えられるものではなく、3事業年度から前事業年度までの実績が見られます。到達度診断で足りない項目を早めに把握し、数字を整えながら、公表の準備を進める順番が現実的です。

認定をきっかけに、人材育成方針と教育訓練計画、メンター制度、研修内容といった、若者を迎える仕組みそのものを見直す会社は多いと、事例集の構成からも読み取れます。補助金の申請と同じく、制度に合わせて書類を作るのではなく、自社の実態を整理して、足りない部分を直す姿勢が、結果として認定にも採用にも効いてきます。

この制度を一言でいうと

「若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)」は、厚生労働省が実施する認定制度です。対象の地域は全国です。

若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業について、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)に基づき厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認定する制度です。認定企業の情報発信を後押しすることなどによって、求職中の若者とのマッチング向上を図ります。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)
実施機関厚生労働省
種類認定制度
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。
中小企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

「若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
採用人件費に関する項目があります。対象になる人の範囲(新規採用者のみ、など)と、計算の方法が決まっていることが多いので、算定の方法を、先に確認します。
認定認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。

「若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 計画の作成現状・目標・内容
  2. 支援機関の確認制度による
  3. 申請期限・申請先を確認
  4. 認定設備取得の前に
  5. 優遇措置の利用税制・融資・加点
  6. 毎年の報告実施状況

「若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)」についてのよくある質問

Q&A若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業に対する認定制度(ユースエール認定制度)の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:厚生労働省の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。