募集中税制

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)

実施機関
垂水市
募集期間
通年(随時受付)
地域
鹿児島県・垂水市

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)(垂水市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

垂水市の企業版ふるさと納税は、補助金ではなく「寄附をした企業が法人関係税の軽減を受ける税制」で、本社が垂水市外の企業が対象になる

この制度は、お金を受け取る補助金ではありません。企業が自治体に寄附をし、その寄附額にもとづいて、自社の法人住民税、法人税、法人事業税が軽減される税制です。正式名称は「地方創生応援税制」で、一般には企業版ふるさと納税と呼ばれます。ProdX Crowd編集部が確認した垂水市の公式ページ(2026年9月14日更新)は、この制度を、国が認定した地域再生計画にもとづいて実施される事業へ寄附を行った企業が、法人関係税の軽減を受けられる制度と説明しています。

つまり、この記事の読者は、補助金を探している事業者というより、「地方の取組を応援しながら、税負担も整えたい」と考える法人です。実施するのは鹿児島県の垂水市で、窓口は垂水市役所の企画政策課政策推進係です。J-Net21(中小機構)では、種類が「税制」、分野が「地域活性化」「経営改善・経営強化」として掲載されています。

最初に、制度の骨格を表で整理します。

項目内容(垂水市の公式ページ、同市のチラシ、内閣府の資料より)
制度の位置づけ補助金ではなく税制。寄附をした企業の法人関係税が軽減される
寄附先鹿児島県垂水市(国が認定した地域再生計画に位置づけられた事業)
寄附できる企業本社が垂水市の外にある企業。垂水市内に本社がある場合は対象外
1回あたりの下限10万円以上
税の軽減の目安損金算入による約3割に、税額控除の最大6割を上乗せして、最大で約9割
見返り寄附の代償として経済的な利益を受け取ることは禁止
税制の期限令和7年度税制改正で、適用期限が3年間延長され、令和9年度まで
垂水市の計画期間令和7年4月1日から令和12年3月31日まで
窓口垂水市役所 企画政策課 政策推進係(電話0994-32-1111)

この記事では、仕組みと計算例、対象になる企業の条件、禁止されている「見返り」の線引き、手続きの流れ、垂水市が特に寄附を募る「たるみず元気プロジェクト」、つまずきやすい点、向く企業と向かない企業、そして関連制度との違いを、公式資料の記述にそろえて説明します。融資や信用保証にあたるものは、このサイトの対象外のため触れません。

寄附をすると、税金はどのように軽くなるのか

仕組みは、損金算入と税額控除の重ね合わせです。内閣府の令和7年度税制改正資料と、垂水市が掲載している内閣府の概要資料(令和7年3月31日付)には、次のとおり示されています。

税目税額控除の内容控除の上限
法人住民税寄附額の4割を税額控除法人住民税の法人税割額の20%
法人税法人住民税で4割に達しない場合、その残額を税額控除。ただし寄附額の1割が限度法人税額の5%
法人事業税寄附額の2割を税額控除法人事業税額の20%

通常の寄附であれば、寄附金は損金に算入できるため、寄附額の約3割に相当する軽減があります。企業版ふるさと納税では、これに税額控除が上乗せされ、合計で寄附額の最大約9割が軽減されます。内閣府の資料の図では、企業の負担は約1割まで下がるとされています。垂水市のチラシにも、同じ内容が記載されています。たとえば、1,000万円の寄附をすると、最大で約900万円の法人関係税が軽減されるという例が、公式資料に示されています。

ここで大切なのは、「最大」という言葉です。控除額には、税目ごとに、自社の納税額に応じた上限があります。納める税額が小さい企業は、寄附額の4割や2割を満額で控除できないことがあります。

計算例(仮の数字)

以下は、仕組みの理解のための仮の数字です。実際の控除額は、自社の税額と申告内容で決まるため、必ず税理士か所管の税務署に確認してください。内閣府の資料にも、税額控除の手続きや算出は税理士や税務署に相談するよう、注記があります。

区分ケースA(税額が大きい仮の企業)ケースB(法人税割額が小さい仮の企業)
寄附額(仮)100万円100万円
法人税割額(仮)300万円100万円
法人住民税の控除寄附額の4割で40万円。上限は法人税割額の20%で60万円。40万円まで控除できる寄附額の4割は40万円だが、上限は法人税割額の20%で20万円。20万円まで
法人税の控除住民税で4割に達しているため、追加なし4割に足りない残額20万円を法人税から控除。ただし寄附額の1割(10万円)が限度。法人税額(仮に400万円)の5%は20万円なので、10万円まで
法人事業税の控除(事業税額は仮に150万円)寄附額の2割で20万円。上限は事業税額の20%で30万円。20万円まで控除同じく20万円
税額控除の合計60万円50万円
損金算入による軽減(約3割と仮定)約30万円約30万円
軽減の合計の目安約90万円(企業の負担は約10万円)約80万円(企業の負担は約20万円)

ケースBのように、法人税割額が小さい企業は、住民税の上限に当たり、軽減の幅が小さくなります。上限を超えた寄附は、自動的に損をするわけではありませんが、約9割という最大の軽減は受けられません。寄附額を決める前に、直近の申告書で、法人税割額、法人税額、法人事業税額を確認しておくと、見通しが立ちます。

なお、損金算入による「約3割」は、実効税率などによって変わる目安です。公式資料の図は、約3割と示しています。

対象になる企業の条件を確認する

内閣府の「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関するQ&A」(第15版)と、垂水市のチラシにもとづいて、企業側の条件を整理します。

確認する点公式資料の内容実務上のポイント
本社の所在地本社が垂水市内にある企業は対象外本社とは、地方税法の「主たる事務所又は事業所」。登記上の本店と実態が違うときは、税務上の扱いを確認する
範囲の考え方事業主体が市町村なら、市町村単位で判断。鹿児島県内の別の市町村に本社がある企業は対象になる鹿児島市、霧島市、鹿屋市などに本社がある企業は、垂水市への寄附が対象になる
法人の種類外国法人を含め、青色申告書を提出している法人であれば適用を受けられる白色申告の法人や個人事業主は、この制度の対象として示されていない
寄附額1回あたり10万円以上上限は企業側にはないが、事業費の範囲内に収める必要がある(寄附を受ける側の管理事項)
寄附の時期地域再生計画の認定後であれば、受領が可能垂水市の計画は、令和7年4月1日から令和12年3月31日まで
他の自治体不交付団体の東京都や、三大都市圏の既成市街地等の不交付団体の市区町村は寄附先として対象外垂水市は、この点では寄附先になれる自治体として、公式ページで案内されている

本社所在地の条件は、特に取りこぼしやすい点です。垂水市に本社を置く企業は、たとえ市への貢献意欲が強くても、この制度の対象になりません。逆に、鹿児島県内であっても、垂水市以外に本社があれば対象です。支店や営業所が垂水市内にあるだけでは、本社には当たりません。

また、法人の寄附が「地域再生計画の認定後」であることも、見落としやすい条件です。垂水市の場合は、令和7年度から令和11年度までの寄附の金額の目安を、1億円(100,000千円、累計)として計画に記載しています。この目安は、事業費が確定する前に受領できる寄附の上限の目安という位置づけで、実際の寄附が目安より少なくても、ペナルティはないと、内閣府のQ&Aに書かれています。

垂水市の計画は、何に寄附を使うのか

垂水市は、「第2期垂水市まち・ひと・しごと創生推進計画」を、地域再生計画として国に認定されています。計画に位置づけられたすべての事業が、寄附の対象になると、公式ページに記載があります。

計画の背景には、人口減少があります。計画書によれば、垂水市の人口は、昭和40年の29,175人から、令和2年の国勢調査で13,819人に減り、令和6年12月時点の推計は12,436人です。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、令和32年に6,629人まで減ると見込まれています。令和5年は、転入458人に対して転出が558人で、100人の社会減でした。20歳から29歳の層で、進学や就職による転出が転入を大きく上回っていることが、原因として挙げられています。

この状況を受けて、計画は4つの基本目標を掲げ、事業を4つに分けています。

区分基本目標具体的な事業の例(計画書より)
ア多様な働き方を推進するふるさと納税制度事業、新規就農支援事業、雇用創出関連事業
イ人の流れをつくる住宅リフォーム促進事業、垂水市地域若者「就地」拡大プロジェクト事業、道の駅活性化事業
ウ結婚、出産、子育ての希望をかなえる放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)、夢の実現推進事業
エ魅力的な地域をつくる大学との包括連携協定関連事業、市民館や地区公民館の運営管理事業、共生や協働の推進事業、空き家解体撤去事業

計画書の数値目標には、事業ごとの指標が置かれています。たとえば、農業分野の認定新規就農者数は2人から累計10人、道の駅等施設の来館者数は1,248,737人から累計625万人、市立図書館の貸出冊数は34,500冊から累計165,000冊、といった具合です。寄附をする企業が、「自社の寄附が、どの指標の改善につながるのか」を確認するときは、この表を読み込むことが役に立ちます。

寄附の効果は、毎年度、検証されます。計画書によれば、毎年度11月ごろに外部有識者による効果検証を行い、翌年度以降の取組方針を決め、検証後すみやかに垂水市の公式ウェブサイトで公表するとされています。

垂水市が特に寄附を募る「たるみず元気プロジェクト」とは

垂水市は、すべての計画事業を対象にしつつ、「特に寄附を募集している事業」として、たるみず元気プロジェクトを挙げています。令和8年度に寄附者として紹介されている企業の寄附活用事業も、このプロジェクトです。

公式ページによれば、このプロジェクトは、鹿児島大学医学部の心臓血管、高血圧内科学をはじめとする関係機関と協力し、高齢者が安心して自立した生活を送るための「健康寿命の延伸」などを目的に、平成29年度から行われています。40歳以上の市民を対象に、「健康チェック」を実施しています。市のチラシによれば、受診者は18項目の健康チェックを受け、生活習慣の改善や健康教室への参加につながっています。

健康チェックの背景には、平成28年度に、市長が鹿児島大学の教授に相談し、「垂水市在住一般住民における前向きコホート研究」(通称「垂水研究」)を始めたことがあります。この研究の「検査」部分が、健康チェックです。参加は無料で、チェックの後には報告会が開かれ、医師、歯科医師、理学療法士、管理栄養士などから結果の見方が説明されます。

健康チェックの成果として、公式ページには、疾患が見つかった延べ人数と、改善につながる教室の参加人数が、表で示されています。

検査項目見つかった疾患の例延べ人数
心電図(CAVI)心房細動、房室ブロック、下肢静脈血栓症など97人
歯科口腔口腔がん、白板症3人
認知認知症疑い47人
採血血球異常7人
健康状態の改善につながる教室きっかけとなる検査参加人数
重症化高血圧ゼロ教室血圧約350人/年
コグニサイズ教室認知約20人
筋力、筋量アップ運動教室運動約75人(自主事業として継続中)
脳血管スマートチェンジ教室採血約20人

このプロジェクトの取組は、日本循環器病予防学会学術集会の小林太刀夫賞を受けたことも、公式ページに記載されています。健康、医療、介護予防という分野に関心があり、従業員の健康づくりや健康経営の取組と、寄附の使い道をつなげたい企業は、この事業が、寄附の目的と合うかどうかを確認するとよいでしょう。

ただし、「たるみず元気プロジェクト」以外の事業にも、寄附を充てられます。寄附申出書には、たるみず元気プロジェクトを選ぶ欄と、「その他(別途、御相談させていただきます)」の欄があります。他の事業に寄附したい場合は、事前に企画政策課へ相談する形になります。

禁止されている「見返り」は何か、許されている扱いは何か

この制度で最も慎重に扱うべきなのは、寄附の見返りです。地域再生法施行規則第13条で、自治体が寄附をした法人に対し、その代償として経済的な利益を供与することが禁止されています。垂水市のチラシにも、同じ趣旨が書かれています。

内閣府が令和4年6月27日に公表し、令和8年4月1日に一部改正した「『寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること』についての解説」には、禁止と許容の例が示されています。

区分内容
禁止される例寄附を理由とした補助金の交付、他の法人より有利な条件の金利面の優遇、入札や許認可での便宜の供与、合理的な理由なく市場価格より低い価格での財産の譲渡、商品券やプリペイドカードなど換金性の高い商品の提供、寄附を公共事業の入札参加要件にすること、寄附で整備した施設の専属的な利用、合理的な理由なく他の利用者より低い料金での公共施設の利用
許容される例感謝状などの贈呈、自治体のホームページや広報誌で、寄附を活用した事業の紹介とともに、寄附企業の名称を他の寄附者と並べて紹介すること、寄附で整備した施設への銘板の設置(他の寄附者と並べて列挙)、社会通念上許容される範囲内の記念品の贈呈

垂水市の公式ページも、「寄附企業名の紹介や、公正なプロセスを経た自治体との契約などは問題ありません」という趣旨の注記を、内閣府の概要資料の中に載せています。

垂水市との取引がある企業は、どう考えるか

寄附をする企業が、すでに垂水市と取引している場合や、これから寄附活用事業の業務を受注する場合は、確認が必要です。内閣府の解説では、自治体が、入札や契約に関する法令や条例を守り、寄附を理由に他の法人と別扱いをせず、手続きの公正さと透明性について説明責任を果たしていれば、寄附をした法人が工事などを受注しても、見返りには当たらないと説明されています。さらに、過去や現在に契約関係のある自治体へ寄附することも、原則として可能です。

ただし、垂水市の寄附申出書は、次の確認事項に、すべて該当することの確認を求めています。

確認事項(寄附申出書より)意味
自社(関連会社を含む)は、寄附事業の企画や立案に関わっている者との取引等の関係がない(対象期間は今年度と前年度)寄附事業の企画に関わった人や組織と、契約にもとづく取引がないこと
自社(関連会社を含む)は、寄附事業に関する業務等を受注していない寄附をした事業の仕事を、自社や関連会社が受けていないこと
寄附の代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されていると承知している見返りの禁止の理解

つまり、垂水市に寄附するなら、同じ事業の仕事を自社や関連会社が受けている状態は、避ける必要があります。すでに別の業務で垂水市と契約がある企業は、その業務が「寄附事業に関する業務等」に当たるかどうかを、申し出の前に企画政策課へ確認してください。

垂水市は、寄附活用事業で、一般競争入札、指名競争入札、または少額のものを除く随意契約によって契約の相手方を選んだ場合は、その契約の相手方を公表するとしています。令和7年度については、たるみず元気プロジェクトの契約の相手方を示した資料(PDF)が、公式ページに掲載されています。寄附をする企業にとっては、自市の寄附金が、どのような契約に使われているのかが、後から確認できる仕組みです。

内閣府の制度改善策(令和6年12月)は、競争入札で寄附法人や関係会社が一者応札で受託した場合などに、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表するとしています。垂水市の寄附申出書にも、この場合は法人名を公表することがあると、注記されています。

申し出から税務申告までの流れ

垂水市の公式ページが示す手続きは、5つの段階です。寄附を検討するときは、事前に問い合わせるよう案内されています。

段階誰が内容
寄附の相談と申し出企業から垂水市へオンラインの寄附申出フォームから申し出る。寄附申出書(Word)をアップロードするか、フォームに直接入力する
納付方法の通知垂水市から企業へ寄附金の納め方が通知される
寄附金の納付企業納付書による指定金融機関での納付(手数料無料)、または銀行振込(手数料は企業負担)
受領証の交付垂水市から企業へ地域再生法施行規則の別記様式にもとづく受領証が交付される
税制措置の申請企業租税の申告時に、地方創生応援税制の適用がある寄附であることを申告し、受領証の写しを提出する(法人税の申告では保管)

寄附申出書に書く項目は、会社名、代表者の役職と氏名、本社所在地、法人番号(13桁)、連絡先、担当者、寄附金額、寄附事業、納付方法、納付予定時期、決算月、寄附申出のきっかけ、寄附情報の公表の可否、感謝状贈呈式の希望、確認事項です。決算月を書く欄があることには意味があります。後で説明するとおり、税額控除は、寄附をした日が属する事業年度に適用されるため、決算月の確認は日程の設計に直結するからです。

指定金融機関として、申出書には、鹿児島銀行、南日本銀行、鹿児島相互信用金庫、鹿児島興業信用組合、九州信用漁業協同組合連合会鹿児島統括支店垂水支店、鹿児島きもつき農協垂水支店が挙げられています。また、インターネットで納付する場合は、指定納付受託者の株式会社鹿児島カード(鹿児島市泉町3番3号)が納付事務を担います。指定された納付期間は、令和8年4月1日から令和9年3月31日までです。

寄附情報の公表については、法人名と寄附額のそれぞれについて、公表の可否を選びます。法人名を公表不可にする場合は、差し支えない範囲で理由を書く欄があり、例として「広報方針によるもの」「寄附依頼の集中回避のため」が挙げられています。垂水市の令和8年度の寄附企業紹介のページでは、実際に、寄附金額が「非公表」と表示されている例があります。100万円以上の寄附については、感謝状贈呈式の希望を伺う欄もあります。

日程を、決算月から逆算する

内閣府のQ&A(第15版)のQ4-5は、税額控除が、実際に寄附を行った日が属する事業年度に適用されると説明しています。そのため、事業年度が4月1日に始まる法人が、前の事業年度に制度の適用を受けたい場合は、3月31日までに寄附を行う必要があり、自治体側も年度内に納入通知書を出しておくことが必要になります。

場面(仮の想定)確認すること
3月決算の企業が、今期の税額を軽くしたい3月31日までに寄附金が着金することが必要。納付書での納付か、銀行振込かで、処理の日数が変わるため、余裕をもって申し出る
寄附額を決めたいが、今期の税額が確定していない中間納付の状況や見込みで、法人税割額、法人税額、法人事業税額を見積もり、控除の上限を確認する。迷うときは税理士に相談する
事業年度の途中で、寄附する自治体を複数検討している自治体ごとに、本社所在地の条件と、寄附の受付状況が異なるため、先に垂水市の企画政策課へ、受付可能な時期を確認する

垂水市の寄附申出書には、「納付予定時期」の欄があり、納付をお急ぎの場合は知らせるよう書かれています。年度末の駆け込みを考えている企業は、この欄で、希望をはっきり伝えるとよいでしょう。

つまずきやすい点

公式資料から、制度の運用で注意すべき点を整理します。

つまずきやすい点内容対処
本社が垂水市内にある垂水市内に本社がある企業は対象外寄附を検討する前に、本社所在地を確認する。他地域に本社がある関連会社の名義で寄附できるかは、税務上の判断が必要なので、税理士へ相談する
青色申告ではない青色申告書を提出している法人が前提個人事業主や白色申告の法人は、対象に当たるか、税務署へ確認する
控除の上限を考えない税目ごとに、納税額に応じた上限がある寄附額を決める前に、直近の申告書で、法人税割額、法人税額、法人事業税額を確認する
事業年度のずれ控除は、寄附をした日の属する事業年度に適用される決算月から逆算して、納付日を設計する
見返りを期待する補助金の交付、入札参加の優遇などは禁止垂水市との取引は、公正な手続きの範囲で行う。寄附事業の業務を受注していないことを確認する
受領証の保管申告時に、受領証の写しの提出(法人税は保管)が必要受領証を受け取ったら、経理の書類と一緒に保管する
10万円未満の寄附1回あたり10万円以上が対象分割で10万円未満の寄附を重ねても、制度の対象にならない可能性がある。1回あたりの額を確認する
事業費を超える寄附寄附額は、事業費の範囲内でなければならない大口の寄附を考える場合は、事業の規模と、すでに集まっている寄附の状況を、先に確認する

事業費を超える寄附については、内閣府のQ&Aが、事業費の確定前は、寄附の金額の目安の範囲内で、確定後は事業費の範囲内で受け取る必要があると説明しています。垂水市のように、令和7年度から令和11年度までの累計の目安が1億円と決まっている場合、すでに大きな寄附が集まっていると、希望する額を受け付けられないことがあります。

向く企業と向かない企業

制度の条件と性質から、向き不向きを整理します。

判断軸向く企業向かない企業
本社の所在地本社が垂水市の外にある垂水市内に本社がある
税の状況青色申告で、法人税割額や事業税額が一定程度ある。控除の上限に余裕がある欠損が続き、納める税額がほとんどない
目的地域貢献、社会課題の解決、健康経営、自治体との関係づくりを重視する寄附の直接的な見返りや、事業上の優遇を期待する
寄附の使い道健康づくり、高齢者の自立、移住や定住、子育て、空き家対策などに関心がある特定の自社事業への資金提供を期待する
垂水市との関係出身地や縁のある地域への恩返しをしたい。内閣府の資料にも、創業地や縁のある地方公共団体への支援が、活用例として挙がっているすでに垂水市の寄附事業に関する業務を受注している、またはその予定がある
時期決算月を踏まえて、余裕をもって申し出られる決算の直前で、手続きの時間が足りない

法人の財務の面では、税額控除は、納めるべき税額がなければ効きません。赤字の企業や、納税額が小さい企業は、軽減の幅が限られます。ただし、これは寄附を否定する意味ではありません。内閣府のQ&Aは、法人のメリットとして、イメージアップ、地域への貢献、SDGsやESGに配慮した経営、自治体との新たな関係づくりを挙げています。税の軽減は、寄附の目的の一部であり、すべてではありません。

類似の制度や、ほかの選択肢との違い

企業が地域に関わる手段は、複数あります。それぞれの違いを、表にまとめます。

制度や手段企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)通常の寄附個人向けのふるさと納税
主体法人法人個人
寄附先国が認定した地域再生計画をもつ自治体の事業公益法人、自治体、団体など自治体
税の軽減損金算入による約3割と、税額控除の最大6割で、最大約9割損金算入による軽減のみ(寄附額の約3割の目安)所得税、住民税の控除
見返り経済的な見返りは禁止制度ごとに異なる返礼品がある制度として知られる
本社所在地の制限寄附先自治体に本社がある法人は対象外制限なし寄附先に制限はない
下限額1回あたり10万円以上制限なし制限なし(制度上の上限は、所得などで異なる)

最後の列は、一般的に知られている制度の違いを、わかりやすくするための参考欄です。個人向けの制度の細かい条件は、総務省などの公式情報で確認してください。この記事の中心は、企業版ふるさと納税です。

また、内閣府は、企業版ふるさと納税の派生として、「人材派遣型」を案内しています。令和8年3月の内閣府のパンフレットによれば、企業が人件費を含む事業費について寄附を行い、寄附と同じ年度に、寄附活用事業に従事する自治体職員として任用される(または、地域活性化事業を行う団体等に採用される)場合を指し、常勤タイプと副業タイプがあります。派遣した人材の人件費相当額を含む事業費に寄附をすることで、その経費の最大約9割に相当する税の軽減を受けられると説明されています。垂水市の公式ページには、人材派遣型の募集は記載されていないため、この型を考える企業は、企画政策課に、受け入れの有無を確認してください。

関連する制度との関係

このほか、内閣府の資料には、地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)が、企業版ふるさと納税と連携できるとして紹介されています。寄附を受けた自治体は、受領証に、地域雇用開発助成金の対象となる事業への寄附であることを記載する欄が、別記様式にあります(Q&AのQ7-3)。詳しい要件は、厚生労働省の資料で確認してください。この記事では、制度の存在を示すにとどめます。

税の面では、企業版ふるさと納税による税額控除は、令和7年度税制改正で、適用期限が3年間延長され、令和9年度までとなりました。その背景には、制度改善策を講じることを前提とする延長であったことが、内閣府の資料に書かれています。制度の改善策には、自治体のチェック機能の強化、寄附活用事業の実施状況の透明化、認定取消しを受けた場合の2年間の再申請制限などが含まれます。令和9年度以降の扱いは、公式資料の時点では示されていないため、長期の計画に組み込むときは、最新の税制改正の情報を確認してください。

制度全体の動きと、垂水市の位置づけ

内閣府の資料は、令和2年度の税制改正で、税の軽減効果が拡充されたあと、寄附実績が大きく増えたと説明しています。令和元年度の33.8億円に対して、令和5年度は470.0億円でした。令和7年度税制改正の資料には、令和5年度に寄附を受けた1,462の自治体を対象にした実態調査の結果も載っています。寄附総額は約470億円で、寄附活用事業の契約先に寄附法人等が含まれていたのは、30事業(0.7%)でした。また、寄附法人名を公表(一部を含む)しているケースは、5,258事業のうち4,807事業(91%)でした。

令和8年3月の内閣府のパンフレットには、令和6年度の寄附総額が631.4億円で、寄附企業数が8,464社、活用した自治体の数が1,590団体という、年度ごとのグラフが載っています。内閣府の概要資料(令和7年4月1日時点)では、地域再生計画の認定を受けた自治体は、46道府県と1,491市町村です。

この中で、垂水市は、人口約1.2万人の小さな市です。寄附の金額の目安は5年間で1億円で、都市部の大規模な事業に比べれば、小規模です。その分、企業にとっては、自社の寄附が事業にどう使われたかを、具体的に確認しやすい規模でもあります。垂水市は、令和4年度から令和8年度までの各年度の寄附企業を、ホームページで紹介しています。

寄附した後に、確認できること

寄附の後は、受領証を受け取るほか、事業の実施状況を確認できます。

確認先内容
垂水市の寄附企業紹介ページ年度ごとに、寄附企業の名称、代表者、本社所在地、寄附金額、寄附活用事業が掲載される。非公表を選んだ場合は、その表示になる
契約の相手方の公表寄附活用事業で、競争入札や少額を除く随意契約で契約した場合の、相手方の一覧
効果検証の公表毎年度11月ごろに、外部有識者が効果検証を行い、検証後すみやかに公式ウェブサイトで公表される
内閣府の公表資料認定された地域再生計画の一覧、寄附実績、実施状況の報告に関する様式

内閣府の制度改善策(令和6年12月)は、自治体が、寄附を受領した全団体に対して、実施報告とあわせて、チェックリストを各会計年度の終了後に提出するよう求めるとしています。これは自治体側の義務ですが、寄附する企業から見ると、事業が適正に運営されているかを、国と自治体が確認する仕組みがあることを意味します。

よくある質問

質問答え(公式資料にもとづく)
これは補助金ですか補助金ではありません。寄附をした企業の法人関係税が軽減される税制です
本社が鹿児島県内にあれば、垂水市に寄附できますか垂水市以外の市町村に本社があれば、対象です。垂水市内に本社がある場合は、対象外です
寄附の最低額はいくらですか1回あたり10万円以上です
寄附の見返りに、垂水市の仕事を受けられますか見返りとしての便宜は禁止です。垂水市の寄附申出書では、寄附事業の業務を受注していないことなどの確認が求められます
寄附の使い道は選べますかたるみず元気プロジェクトか、その他(別途相談)を選ぶ形です。計画に位置づけられたすべての事業が対象になります
企業名は公表されますか申出書で、法人名と寄附額の、公表の可否を選びます。一定の条件に該当する場合は、公表されることがあります
税の申告には何が必要ですか申告時に、適用がある寄附を行った旨を申告し、受領証の写しを提出します(法人税は保管)。詳細は税理士や税務署へ相談してください
いつまでの制度ですか税額控除の特例は、令和9年度までです。垂水市の計画期間は、令和12年3月31日までです
外国法人でも対象ですか青色申告書を提出している法人であれば、外国法人を含め、適用を受けられます
物品で寄附できますか内閣府のQ&Aでは、一定の要件を満たす物品の寄附も、適用を受けられる場合があるとされていますが、できる限り現金が望ましいとされています。垂水市の寄附申出書は、金額を記入する形式です。物品での寄附を考える場合は、事前に企画政策課へ相談してください

問い合わせ先と、最初の一歩

寄附の相談は、垂水市役所の企画政策課政策推進係が受け付けています。住所は、鹿児島県垂水市上町114番地、電話は0994-32-1111(代表)です。開庁時間は、午前8時30分から午後5時15分で、土曜日、日曜日、祝日、12月29日から1月3日は休みです。制度の全体像や、国の制度の詳細は、内閣府地方創生推進事務局(電話03-6257-1421、メールkigyou-furusato@cas.go.jp)の資料に記載されています。税額控除の手続きや計算は、税理士か、所管の税務署に相談してください。

最初の一歩は、次の順番で整理すると、迷いません。

順番確認すること確認先
1自社の本社が、垂水市の外にあるか自社の登記と、税務申告上の本社所在地
2青色申告をしているか。直近の法人税割額、法人税額、法人事業税額はいくらか申告書、税理士
3寄附額の候補と、控除の見込み税理士(仮の計算は、この記事の例を参考にする)
4寄附の使い道が、自社の方針と合うか垂水市の公式ページ、計画書
5垂水市との取引や、寄附事業の業務の受注がないか自社の契約状況、企画政策課
6決算月から逆算した納付日経理、企画政策課
7寄附申出書の提出垂水市のオンラインフォーム

この制度は、補助金のように審査で選ばれるものではありません。垂水市が受け付ける寄附を、企業が条件を満たして行い、その結果として、税の軽減を受ける仕組みです。だからこそ、条件の確認と、日程の設計が、成否を分けます。ProdX Crowd編集部は、地域の資金の流れと自社の経営計画を、無理なく結びつけたい企業にとって、この制度が、検討の候補になると考えています。実際に寄附をする前に、必ず、垂水市の最新の公式ページと、内閣府のQ&Aで、条件を確認してください。

この制度を一言でいうと

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」は、垂水市が実施する税制優遇です。対象の地域は垂水市・鹿児島県です。

垂水市では、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)制度を通じ、企業の皆さまとのパートナーシップを構築し、本市の特性を活かした持続可能なまちづくりに取り組みます。 ぜひ、垂水市の地方創生の取組にご支援をお願いします。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)
実施機関垂水市
種類税制優遇
対象地域垂水市・鹿児島県
受付期間通年(随時)で受け付けています

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域垂水市・鹿児島県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域垂水市・鹿児島県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

この制度の内容

区分内容
その他垂水市では、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)制度を通じ、企業の皆さまとのパートナーシップを構築し、本市の特性を活かした持続可能なまちづくりに取り組みます。 / ぜひ、垂水市の地方創生の取組にご支援をお願いします。
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」についてのよくある質問

Q&A地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(垂水市・鹿児島県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:垂水市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。