募集中認定制度

事業継続力強化計画

実施機関
経済産業省
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

事業継続力強化計画(経済産業省)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

事業継続力強化計画は、補助金ではなく「防災・減災の事前対策を国に認定してもらう制度」。認定が、税制と補助金の加点への入口になる

事業継続力強化計画(通称「ジギョケイ」)は、お金が直接支給される補助金ではありません。中小企業等経営強化法にもとづき、中小企業が自社の防災・減災の事前対策をまとめた計画を作り、経済産業大臣の認定を受ける制度です。位置づけは「認定制度」です。認定を受けると、その先で使える支援措置が開かれます。

J-Net21(中小機構)の掲載情報は、この制度を、防災・減災の取組みを通じて事業継続力の強化を図る中小企業者等を後押しする制度として紹介しています。認定を受けた事業者は、認定ロゴマークの使用、金融支援や税制措置、補助金の加点等の支援措置を受けられる、という整理です。

ProdX Crowd編集部は、中小機構が運営する「BCPはじめの一歩 事業継続力強化計画をつくろう」(ジギョケイのサイト)の、制度概要、策定手順、申請、よくあるご質問、税制措置のページを読み、整理しました。中小企業庁の制度ページは、編集部の環境からは開けなかったため、そこにしかない最新の版や様式の細部は、記事の最後に確認先として示しています。

項目内容
制度の性格認定制度(補助金や給付金ではない)
根拠中小企業等経営強化法。いわゆる中小企業強靱化法(2019年5月29日成立、同年7月16日施行)
認定する人経済産業大臣(申請は経済産業局など)
計画の種類1社で作る単独型、複数の企業が連携して作る連携型
対象のリスク自然災害。2020年10月1日から、感染症などの自然災害以外のリスクに関する計画も認定の対象
認定の先にある支援防災・減災設備への税制措置、補助金の審査での加点、認定ロゴマークの使用、中小企業庁サイトでの事業者名の公表
申請の方法原則として電子申請(事業継続力強化計画電子申請システム)
標準処理期間約45日
計画の実施期間3年を超えないもの

この記事では、制度の仕組み、計画に書く内容、認定のあとに使える税制と補助金の加点、申請の流れ、つまずきやすい点、向く会社と向かない会社を、順に説明します。融資や信用保証の支援措置も、認定の特典として案内されていますが、このサイトでは、融資、貸付、保証の制度は扱わないため、解説しません。

なぜ、いまの中小企業に「事前対策の計画」が求められているのか

制度の背景を、中小機構のサイトは、次のように説明しています。自然災害や感染症拡大の影響は、個々の事業者だけでなく、サプライチェーン全体に大きな影響を及ぼすおそれがあります。そのため、中小企業の事前の防災・減災対策を促すために、認定制度が創られました。

同じサイトは、近年の災害の事例を、中小企業の被害額とともに紹介しています。西日本豪雨(2018年7月)は、中小企業被害額が4,738億円、北海道胆振東部地震(2018年9月)は、北海道全域の停電があり、中小企業の被害額が42億円、熊本地震(2016年4月)は、中小企業被害額が1,600億円と、それぞれ「中小企業白書2019」などを出典として載せています。東日本大震災では、被災していない地域の製造工場が休止に追い込まれた例も多かったとされ、取引先の被災が、自社の事業に響くことがわかります。

この制度が計画に求めるのは、災害の予想を当てることではありません。起こりうる災害で自社のどこが止まるのかを見つけ、その手当てを前もって決めておくことです。BCP(事業継続計画)の本格的な策定よりも、取り組みやすい入口として、位置づけられています。

認定を受けると、何が使えるようになるのか

認定を受けた事業者が使える主な措置を、種類別に整理します。融資と保証に関するものは、この記事の対象外です。

措置内容この記事での扱い
防災・減災設備への税制措置(中小企業防災・減災投資促進税制)認定された計画に従って取得した一定の設備に、取得価額の16%の特別償却詳しく説明
補助金の審査での加点ものづくり補助金など、一部の補助金で、審査時に加点を受けられる説明(対象と配点は公募要領で確認)
認定事業者の公表中小企業庁のウェブサイトに、事業者名やURLが公表される。計画の内容は公表されない説明
認定ロゴマークの使用認定を受けた中小企業者等が使える。使用規約同意書の提出は不要説明
金融面の措置公的金融機関や保証の特例などが案内されている対象外(融資、保証のため)

注意したいのは、これらが、計画を出しただけでは得られない点です。たとえば補助金の加点は、川崎市が公開している解説の文章に、「申請中」では加点にならず、「認定済」であることが条件だと書かれています。加点を狙う補助金の公募が始まってから計画を作ると、認定が間に合わないことがあります。標準処理期間が約45日かかるためです。

計画は何を書くのか。申請書の構成と、書き方のコツ

申請書の記載項目は、中小機構のサイトに、全体像と記載例が出ています。計画に書く内容は、次の5つの塊です。

項目書くこと
事業継続力強化の目標自社の事業活動の概要と、取り組む目的
自然災害等の影響の認識ハザードマップなどで確認した自社拠点のリスクと、その影響
初動対応人命の安全確保、緊急体制の構築、被害状況の把握、被害情報の共有
事前対策人、物、金、情報の4つの経営資源に関する対策と取組。税制措置を使う場合は設備の詳細も記載
実効性の確保平時の推進体制、訓練、教育、計画の見直し

事業活動の概要には、会社の「役割」を書く

最初の落とし穴が、事業活動の概要の書き方です。中小機構のサイトは、業種を書くだけでは足りず、自社が地域経済やサプライチェーンの中で担っている役割を書くことを求めています。この記載がないと不備になり、認定を受けられない、とも書かれています。

記載の例として挙げられているのは、次のような内容です。早く復旧しないと、地域住民の生活に必要な物品を販売できなくなる。地域の経済や雇用を支えているので、事業が止まるとそれらに支障が出る。サプライチェーンで重要な部品の製造を担っており、事業が止まると製造ラインが止まる。

目的は、企業理念や経営方針を述べることと同じ、と説明されています。従業員とその家族の人命と生活を守る、従業員の雇用を守り地域の活力を支える、顧客や地域社会への影響を最小限に抑える、サプライチェーン全体への影響を軽減する、といった目的が例示されています。

リスクはハザードマップで確認する

自社の拠点にどんな災害のリスクがあるかは、ハザードマップで確認します。中小機構のサイトは、確認すべき点として、震度5以上の地震が想定される地域か、台風、豪雨、津波による浸水が想定されるか、想定される浸水の深さはどれくらいか、土砂災害の危険があるか、ため池の決壊の危険があるか、豪雪の被害が想定されるか、を挙げています。

入手先内容
地域の自治体のホームページ洪水、土砂災害、津波などのハザードマップ
国土交通省ハザードマップポータルサイト重ねるハザードマップ、わがまちハザードマップ
国土交通省 川の防災情報気象、河川、土砂災害を一画面で確認
J-SHIS(地震ハザードステーション)地震ハザードの共通情報基盤

社屋と工場が別の場所にある場合は、両方を確認します。計画には、事業に甚大な影響を与える災害等を、1つ以上想定します。そして、地震なら予想震度や津波の高さ、水害なら浸水の高さを、具体的に申請書に書きます。

影響の記載は、人員、建物と設備、資金繰り、情報、その他の5項目に分けて書きます。中小機構のサイトは、災害で一般に起こる「事象」と、自社の弱点である「脆弱性」を掛け合わせて考える方法を、勧めています。

初動対応で必ず書く項目

初動対応は、申請書の「事業継続力強化の内容」の最初の部分にあたります。中小機構のサイトは、次の点を必ず書くよう求めています。

項目書くこと記載例(中小機構のサイトより)
人命の安全確保従業員の避難方法と、安否確認方法(どちらも必須)自社拠点内の安全エリアの設定、避難経路の周知、避難所までの経路確認
非常時の緊急体制の構築誰が本部長になり、どう立ち上げるか代表取締役社長を本部長とする災害対策本部。発災後1時間以内に立ち上げ
被害状況の把握と被害情報の共有誰が、何を、いつまでに、誰に伝えるか発災後12時間以内に、顧客、取引先、市当局、商工団体へ第一報

発災直後の人命確保は、従業員だけでなく、来訪者も対象です。工場などでは、設備の緊急停止の手順や、その周知の方法も検討します。

事前対策は、ヒト、モノ、カネ、情報で考える

事前対策は、ヒト、モノ、カネ、情報の4つの経営資源ごとに、弱点と対策を考えます。申請書では、弱点がない項目や、災害の影響を受けない経営資源は、書かなくてもよいとされています。

経営資源弱点の例対策の例(中小機構のサイトより)
ヒト特定の人にしかできない業務がある。出勤しないとできない業務がある人事異動や研修による多能工化。近隣に住む従業員を緊急参集要員に任命。在宅勤務の環境整備
モノ停電や断水への備えがない。耐震対策が不十分。浸水対策が不十分発電機や照明の設置。棚や什器の固定。建物の開口部への防水板の設置。重要設備の周囲に防水堤
カネ被害額の想定がない。保険や共済が不十分被害額と必要資金の想定。地震保険、共済への加入の検討。休業中の利益を補填する保険
情報バックアップがない。バックアップが同じ場所にある定期的なバックアップ。遠隔地保管、クラウドの利用。電源装置、金庫、重要書類の2階以上への保管

事前対策の欄は、A、B、C、Dの区分があり、このうち1つ以上を書く必要があります。税制措置を使う場合に関わるのが、B(事業継続力強化に資する設備、機器及び装置の導入)の区分です。

中小機構のサイトの記載例では、現在の取組みと今後の計画を分けて書きます。たとえば、水災に備えて停電時の自家発電設備を導入する、感染症に備えてマスクや消毒液を備蓄する、といった形です。「現在、具体的な対策は行っていない」と書いてもよく、そのうえで今後の計画を書く構成になっています。

平時の推進体制、訓練、見直しを書く

最後に、計画の実効性を確保する取組みを書きます。中小機構のサイトは、経営層のコミットメントについて必ず記載すること、年1回以上の訓練と計画の見直しについて書くことを、求めています。

取組み内容例(中小機構のサイトより)
推進体制の構築経営者または準ずる経営陣を責任者とする既存の安全衛生委員会などに、災害対策の役割を追加
訓練と教育計画を従業員に周知し、緊急時に動ける体制にする年1回以上の全社員参加の訓練。年1回以上、経営者が進捗や問題点を説明
計画の見直し業務の変化や、訓練で見つかった課題を反映する見直しの時期をあらかじめ決め、責任者を決める

同サイトは、計画書を作って満足しないよう注意しています。委員会を設置しても定期的に開かず、名ばかりになることや、マニュアルが膨大になり災害時に必要な項目が見つからないことも、失敗例として挙げられています。

税制措置:防災・減災設備の取得価額の16%を特別償却できる

認定の特典のうち、設備投資と直接つながるのが、中小企業防災・減災投資促進税制です。中小機構のサイトの説明では、認定された計画に従って取得した一定の設備について、取得価額の16%の特別償却が適用できます。適用期間は令和9年3月31日までで、その期間内に対象設備を取得、製作、建設し、事業の用に供する必要があります。

川崎市が公開している解説は、特別償却を、通常の減価償却とは別枠で、特別に償却できるものだと説明しています。業種の限定は特にありません。ただし、事業継続力強化計画の認定を受けていることが必要です。

対象になる設備と、金額の下限

減価償却資産の種類取得価額の下限(1台または1基)対象になるものの例(中小機構のサイトより)
機械及び装置100万円以上自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震、制震、免震装置
器具及び備品30万円以上自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する設備
建物附属設備60万円以上自家発電設備、キュービクル式高圧受電設備、変圧器、配電設備、無停電電源装置、貯水タンク、浄水装置、排水ポンプ、揚水ポンプ、止水板、防水シャッター、耐震、制震、免震装置、対象設備のかさ上げ用の架台など

下限の判定は、通常、一単位として取引される単位ごとに行います。設備の本体と一体になって使う附属機器がある場合は、含めたところで判定できます。取得価額は、購入の対価、引取運賃などの外部付随費用、据付費や試運転費など、事業の用に供するために直接要した費用の合計です。税込経理か税抜経理かによって、消費税を含むか含まないかが決まります。

計算例(仮の数字)

以下は、制度の仕組みを理解するための、仮の数字による計算です。実際に税額へどう影響するかは、決算の状況によって変わるため、税理士や税務署に確認してください。

場面仮の取得価額特別償却限度額(取得価額の16%)備考
自家発電設備を、機械及び装置として取得500万円80万円下限100万円を満たす
止水板を、建物附属設備として取得80万円12万8,000円下限60万円を満たす
排水ポンプを、機械及び装置として取得90万円対象外下限100万円に届かない
器具及び備品の防災設備を取得25万円対象外下限30万円に届かない

同じ減価償却資産で、2つ以上の特別償却、税額控除の税制の適用は受けられません。

対象外になるもの

中小機構のよくあるご質問は、対象外になる場合を、次のように示しています。

対象外になるもの内容
認定前に取得した設備認定後に取得することが必須。認定を受けた日から同日以後1年を経過する日までに取得等をする設備が対象
中古品対象外
国、地方公共団体の補助金等を充てて取得した設備設備の取得等に充てるための補助金等の交付を受けて取得する設備は対象外
修繕設備の修繕は対象外
防災・減災の機能を直接持たない設備一般的な棚など、防災・減災に係る機能を直接持たない設備は対象外
リースファイナンスリース取引は対象。ただし、所有権移転外リース取引と、オペレーティングリースは対象外
太陽光パネルや蓄電池よくあるご質問では、本税制の対象ではない、と回答されている
サーモグラフィ装置令和7年度税制改正により、感染症関連機器のサーモグラフィ装置は対象外

自分で製作して固定資産に計上する設備は、対象になります。この場合の取得価額には、原材料費、労務費、経費のほか、事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。親会社が一括で調達した設備でも、子会社が新規に取得等をした設備は、子会社が税制を受けられます。設備を共有する場合は、共有持分にもとづき資産計上している取得価額が、対象です。

「取得」とは、いつのことか

取得等は、機械等の所有権を得たこと、つまり購入したことを指します。建物を請負契約で建てる場合は、一般に引き渡しを受けたことです。検収が終わっていない設備は、引き渡しが済んでいないため、一般に未取得と考えられます。判断に迷う場合は、所轄の税務署に確認するよう案内されています。

税務申告で必要になるもの

税務申告のときは、対象設備の償却限度額の計算明細書の添付が必要です。認定通知書と、認定を受けた計画の写しも、税務調査の際に必要になります。認定通知書は、再発行ができません。電子申請の場合は、電子申請システムから、自分で出力する方式です。

申請書に書いておかないと、税制は使えない

税制措置を使う設備は、申請書の「事業継続力強化設備等の種類」の欄に、必ず書く必要があります。あわせて、事前対策のBの区分に、その設備を、どのような目的で、どの対策のために使うかを書く必要があります。中小機構のサイトは、設備の種類(機械装置、器具備品、建物附属設備のいずれか)は、税理士等の判断を受けてから記載するよう、注意しています。

一部の投資が先に完了している場合は、完了分を除いて、これから行う設備投資分の効果を適切に算定できれば、申請できます。ただし、たとえば止水板を4つ購入する計画で先に1つ買った場合は、残りの3つが計画上必要かつ適切な個数であることについて、認定を得る必要があります。

認定後に設備を追加したいときは、変更申請が必要です。資金調達額の若干の変更や、法人の代表者の交代など、計画の趣旨を変えない軽微な変更は、申請が不要です。

補助金の加点:認定「済」でないと効かない

認定を受けると、ものづくり補助金などの一部の補助金で、審査のときに加点を受けられます。加点の対象となる補助金、配点は、公募要領ごとに異なります。中小機構のサイトは、詳細は中小企業庁の「事業継続力強化計画認定制度の概要」を参照するよう案内しています。

実務で押さえておきたい点を、表にします。

論点内容
認定の状態加点を受けられるのは認定済であること。申請中では加点にならない(川崎市の解説)
認定にかかる時間標準処理期間は約45日。不備があれば、経済産業局からの照会などで、さらに時間がかかる
申請の期限計画の申請時期に、期限は設けられていない(中小機構のよくあるご質問)
加点の有無と配点補助金ごとの公募要領で確認する

補助金への応募を考えているなら、公募の予定が見えた時点で、認定の取得を逆算して始めておくのが、現実的です。申請書の作成、電子申請の準備、審査の期間を足すと、数か月前から動く必要があります。

認定の対象になる事業者と、単独型、連携型の違い

対象は、中小企業者です。中小機構のサイトは、認定を受けられる中小企業の規模を、業種ごとの資本金や従業員数の表で示しています。業種により基準が異なるため、自社が該当するかは、中小企業庁の最新の手引きで確認してください。

項目単独型連携型
計画を作る人事業者1社複数の企業が連携
参加の条件中小企業者2者以上の中小企業者が参加している必要がある
代表者申請する事業者自身中小企業者または中小企業組合。大企業は代表者になれない
社会福祉法人、特定非営利活動法人対象外連携事業者としては対象
実施に協力する者支援措置は受けられない支援措置は受けられない
両方の認定単独型と連携型の両方を申請し、認定を受けることも可能同左
連携事業者の変更該当なし変更申請が必要(従業員数や住所などの軽微な変更は不要)

連携型は、たとえば親事業者と下請の部品製造事業者の連携や、遠隔地の同業者同士の連携が、想定されています。災害時に、一方が被災したときに、もう一方が代替生産や復旧の応援をする、といった協定が、計画の中身になります。

申請から認定までの流れと、日程の逆算

申請は、原則として電子申請です。中小機構のよくあるご質問によれば、令和6年4月から、単独型、連携型とも、原則電子申請のみになりました。電子申請の準備で必要なのが、GビズID(gBizIDプライム)のアカウントです。中小機構のサイトは、取得に約2週間程度かかると書いています。

段階内容目安の時間
1. 制度の確認と事前準備認定の目的を決める。GビズIDプライムのアカウントを申請するアカウント取得に約2週間
2. 計画の策定ハザードマップの確認、影響の想定、初動対応、事前対策、平時の取組みを決める。計画策定補助ツールで下書きを作る会社の規模や準備状況で変わる
3. 電子申請事業継続力強化計画電子申請システムから申請する申請書に不備がないよう確認
4. 審査経済産業局が審査する。不備があれば照会が来る標準処理期間は約45日
5. 認定認定通知書を、申請者自身が電子申請システムから出力する(押印は省略)再発行不可。保管する
6. 計画の実行計画に記載した項目を実施する。年1回以上の訓練と、計画の見直し実施期間は3年を超えない
7. 税制、補助金の活用認定後に設備を取得する。加点を使う補助金に応募する税制は、認定日から1年以内の取得が条件

計画の実施期間が満了したら

計画の実施期間は、3年を超えないものとされています。実施期間が満了した後は、変更申請はできず、新たに計画を作って、認定を受ける必要があります。2回目以降の申請のときは、単独型、連携型とも、実施状況報告書が必要です。中小機構は、2回目以降の申請のための計画策定補助ツールを、実施状況報告を含む形で、別に用意しています。

計画を実行できなかった場合

認定が取り消されることは、あります。実態とあまりにも乖離している場合、たとえば導入した自家発電設備を、災害時に使用しなかった場合などは、中小企業等経営強化法の規定にもとづいて、認定を取り消すことがあるとされています。一方で、自然災害等の影響によって計画を実行できなかったことをもって、認定を取り消すことはない、と明記されています。

公表について

認定を受けた計画は、中小企業庁のウェブサイトに、事業者名、URLなどが公表されます。計画の内容そのものは、公表されません。取引先の目に触れることで、対外的な信用力の向上が期待できる、と説明されています。

認定ロゴマークは、どう使えるのか

認定を受けた中小企業者と、連携型の連携事業者(大企業等)は、認定ロゴマークを使えます。この場合、使用規約同意書の提出は不要です。川崎市の解説は、活用方法として、ホームページへの掲載や、名刺へのロゴマークの印刷を挙げています。

認定を受けた事業者以外は、原則として使えません。ただし、認定制度の取組を広報する目的で、公的機関やメディア関係者などが使う場合や、中小企業者の事業継続力の強化に努める機関等が使う場合は、使用規約同意書を中小企業庁に提出することで、使えます。実施に協力する者が使うには、この2つのどちらかに該当する必要があります。

つまずきやすい点

ここまでの内容から、申請の現場で起こりやすい失敗を、整理します。

つまずき内容対策
事業活動の概要に役割がない業種を書いただけでは不備になる地域経済やサプライチェーンでの役割を書く
人命の安全確保の記載漏れ従業員の避難方法と安否確認方法は、どちらも記載が必要安全エリア、避難経路、連絡先リスト、安否確認の手段を書く
事前対策の記載がないA〜Dのうち1つ以上の記載が必要現在の取組みがなくても、今後の計画を書く
経営層の関与の記載漏れ推進体制では、経営層のコミットメントを必ず記載する責任者を決めて、役職を明示する
訓練と見直しの記載漏れ年1回以上の訓練と、計画の見直しの記載が必要実施の時期と担当を決める
フリガナの書き忘れ事業者名のフリガナを忘れがち名称欄のフリガナを確認する
設備の種類の記載機械装置、器具備品、建物附属設備のいずれかを書く必要がある税理士等に確認してから書く
認定前の設備取得認定前に取得した設備は、税制の対象外設備の発注と納品を、認定より後にする
補助金で買った設備に税制を使う補助金等の交付を受けて取得した設備は対象外補助金と税制の併用ができるか、事前に整理する
加点を見込んだ申請のタイミング申請中では加点にならず、約45日かかる公募の時期から逆算して申請する
認定通知書の紛失再発行ができない電子申請システムから出力して、保管する

この制度が向く会社、向かない会社

向く会社理由
発電機、止水板、耐震装置など、防災設備の導入を予定している認定を受けてから取得すれば、取得価額の16%の特別償却が使える
ものづくり補助金など、加点のある補助金への応募を予定している認定済であることが加点の条件になる
取引先から、事業継続への備えを聞かれることがある認定事業者として公表され、ロゴマークを使える
BCPをまだ作っていないが、最初の一歩を踏み出したい本格的なBCPよりも取り組みやすい入口として位置づけられている
同業者や取引先と、災害時に助け合う関係を作りたい連携型の計画で、代替生産や復旧応援を、取り決められる
向かない会社理由
認定を取らずに、設備を先に買ってしまった認定前に取得した設備は、税制の対象外
補助金で設備を買い、さらに税制を使いたい補助金等の交付を受けて取得した設備は、税制の対象外
直接の給付金がもらえると期待しているこの制度は認定制度であり、お金が直接支給されるものではない
認定を取るだけで、取組みを実行する予定がない実態と乖離した場合は、認定が取り消されることがある

類似の制度や、関連する制度との違い

制度違い
事業継続力強化支援計画商工会、商工会議所が、市町村と共同で作り、都道府県知事が認定する計画。小規模事業者を支援する側の計画で、事業者が自ら申請する事業継続力強化計画とは別の制度
BCP(事業継続計画)そのもの事業継続力強化計画は、BCPの入口として位置づけられている。認定制度として、税制や補助金の加点につながる点が特徴
経営革新計画新事業活動に取り組む計画を、都道府県知事等が承認する制度。防災・減災が目的の制度ではない
補助金そのもの補助金は、審査を通ると、費用の一部が支給される。この制度は、認定を受けると、税制の特例や補助金の加点が使える

事業継続力強化支援計画は、名前が似ていますが、別の制度です。事業者が自社で認定を受ける場合は、事業継続力強化計画の方に申請します。

よくある質問

質問答え
いつまでに申請すればよいか申請時期に、特に期限は設けられていません。ただし、補助金の加点や、税制の適用を使いたい場合は、その時期から逆算して申請してください
申請から認定まで、どのくらいかかるか標準処理期間は約45日です。申請書に不備がある場合は、経済産業局からの照会などで、さらに時間がかかります
どのように申請するか事業継続力強化計画電子申請システムから、電子申請します。令和6年4月から、原則電子申請のみです。GビズIDプライムのアカウントが必要です
申請書のすべての項目を書く必要があるか任意の事項は、自社にとって必要な対策、取組みのみを書きます
計画の期間は3年を超えないものです。満了後は、新たに計画を作って、認定を受けます。2回目以降は実施状況報告書が必要です
認定通知書を再発行できるかできません。電子申請の場合は、電子申請システムで出力できます
認定された事業者名は公表されるか中小企業庁のウェブサイトに、事業者名、URLなどが公表されます。計画の内容は公表されません
税制を使うにはどうするか認定を受けた後に、認定の対象となる設備を取得します。申請書に設備の種類を書き、事前対策に目的を書いておく必要があります。税務申告では、償却限度額の計算明細書を添付します
認定の前に買ってしまった設備は使えるか使えません。認定後に取得した設備が対象です
業種の制限はあるか税制自体に、業種の限定はありません。ただし、事業継続力強化計画の認定を受けていることが必要です
感染症対策も計画に入れられるか2020年10月1日から、感染症などの自然災害以外のリスクに関する計画も、認定の対象になっています
認定は取り消されることがあるか実態とあまりにも乖離している場合は、取り消されることがあります。自然災害等の影響で実行できなかったことをもって取り消されることはありません

申請を始める前の確認と、確認先

最後に、準備の順序と、確認先を整理します。

順序確認すること確認先
1自社が、中小企業者の規模の基準に当てはまるか中小企業庁の最新の手引き
2拠点ごとのハザードマップと、想定する災害国土交通省ハザードマップポータルサイト、自治体のホームページ
3GビズIDプライムのアカウントを持っているかgBizIDのサイト(取得に約2週間)
4税制を使う設備があるか。その設備が、対象設備の表と取得価額の下限に当てはまるか税理士、所轄の税務署
5加点のある補助金の公募の予定と、加点の内容各補助金の公募要領
6申請書の様式、手引き、認定ロゴマークの使用規約の最新版中小企業庁のホームページの事業継続力強化計画のページ、お近くの経済産業局

中小企業庁のページは、編集部の環境からは開けなかったため、最新の手引きの版や、様式の細かな記載要領は、直接ご確認ください。電子申請については、事業継続力強化計画電子申請システムのよくあるお問い合わせ(FAQ)のページが案内されています。

この記事の根拠にした資料は、中小機構「BCPはじめの一歩 事業継続力強化計画をつくろう」(制度概要、計画策定・申請のメリット、単独型の作り方、申請、よくあるご質問、実行と見直しの各ページ)、J-Net21の制度紹介、および川崎市が公開している認定制度の解説です。

中小機構の制度解説:https://kyoujinnka.smrj.go.jp/outline/certification-system.html計画策定・申請のメリット:https://kyoujinnka.smrj.go.jp/outline/merit.htmlよくあるご質問:https://kyoujinnka.smrj.go.jp/faq/J-Net21の制度紹介:https://j-net21.smrj.go.jp/snavi2/articles/186020

この制度を一言でいうと

「事業継続力強化計画」は、経済産業省が実施する認定制度です。対象の地域は全国です。

防災・減災の取組みを通じて事業継続力の強化を図る中小企業者等を後押しするため、「事業継続力強化計画」認定制度を実施しています。認定を受けた事業者は認定ロゴマークの使用、金融支援や税制措置、補助金の加点等の支援措置を受けることができます。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名事業継続力強化計画
実施機関経済産業省
種類認定制度
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「事業継続力強化計画」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。
中小企業者中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

「事業継続力強化計画」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。

申請の方法と、そろえる書類

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
加点審査で、加点や優先の項目があります。賃上げ、認定の取得、地域への貢献、環境配慮などが対象になることが多く、公募要領の「加点項目」を、申請の前に確認します。

「事業継続力強化計画」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 計画の作成現状・目標・内容
  2. 支援機関の確認制度による
  3. 申請期限・申請先を確認
  4. 認定設備取得の前に
  5. 優遇措置の利用税制・融資・加点
  6. 毎年の報告実施状況

「事業継続力強化計画」についてのよくある質問

Q&A事業継続力強化計画

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経営者

Q. 事業継続力強化計画の受付期間はいつですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:経済産業省の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。