募集中認定制度

おもてなし規格認証

実施機関
中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

おもてなし規格認証(中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策))の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

おもてなし規格認証は、補助金ではなく「サービスの質を第三者が評価する有料の民間認証」。取得に使える補助がある制度ではない

「おもてなし規格認証」は、サービス事業者の接客や運営の質を、規格項目ごとに評価して「金・紺・紫」の認証として見える形にする制度です。中小機構のJ-Net21では「補助金・助成金だけじゃない!中小企業支援施策」の一つとして紹介されています。ここで最初に押さえてほしいのは、この制度は補助金でも助成金でも税制でもなく、認証(認定)の制度であるという位置づけです。認証を取れば給付金が出るわけではなく、審査料と認証料を事業者が自分で払います。公式サイトも、金・紺・紫のいずれも「第三者認証【有償】」と明記しています。

この記事は、おもてなし規格認証機構の公式サイト(omotenashi-jsq.org)の各ページ(制度の説明、3つの認証のページ、確認・同意事項、よくあるご質問、認証事業者、沿革、事例紹介)と、中小機構J-Net21の解説ページ(2023年1月内容改訂)を読んだうえで、ProdX Crowd編集部が整理したものです。補助金の記事ではないため、「いくらもらえるか」ではなく、「いくらかかり、何をすれば取れ、取ると何が変わるか」を軸に書きます。

まず、制度の骨格を表にします。

項目内容
制度の性格民間規格にもとづく第三者認証(有償)。補助金・助成金ではない
運営おもてなし規格認証機構(代表団体は特定非営利活動法人 日本ホスピタリティ推進協会)
創設の経緯経済産業省での検討を経て創設され、現在は民間規格として運用されている
認証の種類金認証(★)、紺認証(★★)、紫認証(★★★)。インバウンド対応を評価するトラベラー・フレンドリー認証を加えることもできる
評価の仕組み規格項目ごとにA〜Dで段階評価し、認証ごとに決められた項目数を満たす。そのうえで現地審査やCS調査(覆面調査等)を受ける
有効期限3年。更新には3年ごとの審査が必要
費用審査料と認証料(金・紺・紫で異なる。詳しくは後述)
準拠する国際規格サービスエクセレンスに関する国際規格ISO 23592。ただし、おもてなし規格認証を取っても、ISO 23592認証を取得したことにはならない
問い合わせ先(J-Net21の案内)おもてなし規格認証機構 電話03-3231-8762(受付10:00〜17:00、土日祝・年末年始を除く)

何のための認証か。「見えないサービス」を見えるようにする

公式サイトは、制度の狙いを次のように説明しています。サービス産業は日本のGDPの約70%を占め、地域の雇用を生む柱ですが、サービスは「その場・その人」が受ける一度きりのもので、目に見えません。そのため、高品質なサービスを提供しても、付加価値として価格に反映しにくい。そこで、サービス品質を「見える化」する枠組みとして、おもてなし規格認証が生まれた、という説明です。

J-Net21の解説も同じ方向です。キャッシュレス対応や多言語表記など、訪日外国人にも対応したサービスの質を高めることが求められるなかで、サービスの質を見える化し、取組みを評価する制度だと紹介しています。認証を受けることで、サービスの質の向上だけでなく、従業員の士気の向上、消費者の満足度の向上という好循環や、生産性と経営品質の向上が期待できる、とされています。

見える化の相手認証でできること(J-Net21と公式サイトの説明より)
お客さま認証マークと認証書を店頭や名刺などに掲示し、サービスの質の高さを地域の消費者にアピールできる
従業員規格項目を使って業務を点検し、働きやすい職場づくりや従業員満足を考えるきっかけにできる
経営者付加価値経営、デジタル活用、雇用の獲得と定着という課題を、規格項目の形で整理できる
取引先・地域顧客・従業員・地域に対する自社の姿勢を、第三者認証という形で示せる

注意したいのは、「認証を取れば売上が上がる」と約束する制度ではないことです。公式サイトやJ-Net21が述べているのは、見える化、士気、満足度、生産性、経営品質といった「期待できること」です。売上や集客への効果の数字は、今回読んだ資料には出ていません。

認証にはどんな種類があるのか。金・紺・紫の違い

認証は3段階です。公式サイトは、金認証を「お客さまの期待を超えるサービスを提供する事業者」、紺認証を「独自の創意工夫が凝らされたサービスを提供する事業者」、紫認証を「期待を大きく超える『おもてなし』提供者」への認証と説明しています。この3段階は、国際規格ISO 23592が定めるサービスを提供する組織の4つの能力レベルに沿って用意されている、とのことです。

項目金認証(★)紺認証(★★)紫認証(★★★)
位置づけ設備面や非属人的なサービスで、一定の品質を保つ事業者金認証に加え、属人的サービス(人による接客)の品質も高く保つ事業者卓越レベルの事業者。紺認証の取得が前提
規格項目Ⅰ〜Ⅶ(全26項目)の基準15項目以上でC評価以上必須10項目を含む18項目以上でB評価以上必須10項目のすべてでB評価以上、かつ全26項目中21項目以上でB評価以上、うち10項目以上でA評価
CS調査申請手順に「CS調査を実施する場合」の記載がある(多施設認証ではすべての施設で実施)認証を希望するすべての施設で実施紺認証時の調査を活用し、卓越レベルであることを確認する(ミステリーショッピング調査)
人材要件公式ページには記載なしおもてなし人材要件を満たす人材を、1事業所に1名以上配置紺認証の取得が前提
ES調査(従業員満足度調査)公式ページには記載なし公式ページには記載なし必須。非正規従業員を含む全従業員が対象で、在籍スタッフの7割程度の回答が必要
審査を行う主体認証事業者(申請の受付、実地審査を含む審査、改善指導)おもてなし規格認証機構(審査の一部を認証事業者に委託することがある)おもてなし規格認証機構
有効期限3年3年3年

この表で見てほしいのは、金から紫まで、基準の厳しさが「評価の段階(C以上、B以上、A)」と「満たす項目数」の両方で上がっている点です。同じ26項目の規格項目を、金はC評価以上で15項目、紺はB評価以上で18項目、紫はB評価以上で21項目かつA評価10項目以上と、段階的に高く求めています。

また、金認証の申請先は「認証事業者」、紺認証・紫認証は「おもてなし規格認証機構」という違いがあります。公式サイトによると、認証事業者は、機構に登録された団体で、金認証の申請の受付、実地審査を含む審査、改善指導を担います。

規格項目は何を評価するのか。8つの大項目

規格項目は、8つの大項目に分かれています。公式サイトとJ-Net21は、次の項目名を挙げています。

大項目評価の対象になる分野(項目名)
Ⅰサービスエクセレンスのリーダーシップと組織文化
Ⅱ従業員エンゲージメント
Ⅲ卓越した顧客体験の設計とイノベーションマネジメント
Ⅳサービスエクセレンスを高め続ける運用力
Ⅴサービスエクセレンスを作り出す基盤整備
Ⅵデジタル・IT活用によるサービスエクセレンスの推進
Ⅶ社会との共生
Ⅷトラベラーフレンドリー・インバウンド対応

Ⅰ〜Ⅶで全26項目、Ⅷはトラベラー・フレンドリー認証の審査にあたります。公式サイトは、国内向けのサービスだけを行う事業者は、Ⅷへの回答が必須ではないとしています。

評価の方法は、セルフチェックシートで試せます。公式サイトのセルフチェックのページでは、すでに実施している取組みがどのくらいあるか、その取組みがどの段階にあるかを、シートを使って自己点検できると案内されています。各項目をA〜Dで評価します。申請の段階では、認証事業者や認証機構から配られるエントリーシートに、「評価の目安」を参考に自己評価(A〜D)と内容を書き、場合によっては取組みのエビデンス(証拠となる資料)を出します。

セルフチェックの結果が、そのまま認証になるわけではありません。公式サイトが「確認・同意事項」に挙げているように、認証は、審査(現地審査、CS調査など)を経て決まります。ここを誤解して、セルフチェックでA評価をつければ認証が取れる、と考える事業者がいますが、実際は第三者の審査員が運用状況を確認します。

認証の基準を、数字で整理する。自分はどの認証を狙えるのか

セルフチェックの結果を、各認証の基準に当てはめて考えるための表です。数字は、公式サイトの各認証のページにある基準によります。評価の割り当ては仮の例です。

認証満たす条件(Ⅰ〜Ⅶの26項目)仮の自己評価の例判定のしかた
金15項目以上でC評価以上26項目のうち、C以上が16項目15項目以上なので、基準は満たす見込み(審査での確認は別)
金同上C以上が12項目15項目に3項目足りない。足りない項目の改善が先
紺必須10項目を含む18項目以上でB評価以上B以上が19項目だが、必須10項目のうち2項目がC必須10項目がすべてB以上でなければならないため、基準を満たさない
紺同上必須10項目すべてB以上で、全体でB以上が18項目基準を満たす見込み
紫必須10項目すべてB以上、全26項目中21項目以上でB以上、うち10項目以上でAB以上が22項目、うちAが9項目A評価が10項目に1項目足りない

数字の読み方で迷いやすいのは、紺認証の「必須10項目を含む18項目以上」です。18項目のなかに、必須の10項目がすべて入っている必要がある、という意味です。必須でない項目で18項目に届いても、必須10項目のどれかが基準に満たなければ、基準は満たしません。必須項目がどれにあたるかは、セルフチェックシートで確認してください(今回読んだ公開ページには、必須項目の一覧は出ていません)。

トラベラー・フレンドリー認証とは。インバウンド対応を上乗せして評価する

トラベラー・フレンドリー認証は、金・紺・紫のいずれかを取得し、さらにインバウンド対応(訪日外国人への対応)に積極的に取り組んでいる事業者に付与される第三者認証です。公式サイトによれば、規格項目のうち、Ⅷが審査にあたり、取得に際して、審査料と認証料以外の費用は発生しません。

ここで、資料の記載に差があることに注意が必要です。

比べる点J-Net21の解説ページ公式サイトの金認証・紺認証・紫認証のページ
トラベラー・フレンドリー認証の基準(Ⅷ)必須4項目中3項目以上でC評価以上(金)、B評価以上(紺)。紫は、必須4項目のすべてでB評価以上、うち2項目以上でA評価Ⅷの全10項目中、2項目(Ⅰ1・Ⅰ2と表記)でC評価以上(金)またはB評価以上(紺・紫)、かつ、残り8項目のうち6項目以上で「〇」

公式サイトの現行のページと、2023年1月に改訂されたJ-Net21の解説で、基準の表し方が違います。規格が改定された時期の違いか、表記の違いかは、読んだ資料からは判断できません。トラベラー・フレンドリー認証を狙う場合は、最新のセルフチェックシートで基準を確認し、認証機構(電話03-3231-8762)に聞いてください。同様に、公式サイトのよくあるご質問は規格項目の数を「30項目」と説明している一方、各認証のページはⅠ〜Ⅶの26項目とⅧの10項目という数え方をしており、資料によって数え方が異なります。基準は、必ず最新のシートで確認してください。

取得にいくらかかるのか。審査料と認証料の計算例

費用は、公式サイトの各認証のページに、税込で示されています。すべて事業所単位の費用で、「2施設目以降」は多施設認証を適用する場合の費用です。

認証審査料(1施設目)認証料(1施設目)1施設目の合計審査料(2施設目以降)認証料(2施設目以降)2施設目以降の合計(1施設あたり)
金44,000円22,000円66,000円13,200円6,600円19,800円
紺110,000円55,000円165,000円13,200円6,600円19,800円
紫110,000円55,000円165,000円2,200円1,100円3,300円

合計額は、公式サイトの審査料と認証料を、編集部が足したものです。次に、仮の事業者を想定した計算例を示します。数字はすべて仮の数字で、公式サイトの料金表を足し合わせたものです。

ケース(仮の数字)計算合計(税込)
1店舗の飲食店が金認証を取る審査料44,000円+認証料22,000円66,000円
同じ店が3年後の更新審査を受ける(同額と仮定)66,000円66,000円
3店舗を持つ事業者が金認証を一括で取る審査料44,000円+13,200円×2=70,400円、認証料22,000円+6,600円×2=35,200円105,600円
1つのホテルが紺認証を取る審査料110,000円+認証料55,000円165,000円
3つの施設で紺認証を取る審査料110,000円+13,200円×2=136,400円、認証料55,000円+6,600円×2=68,200円204,600円
1施設が紺認証のあと紫認証に進む紺165,000円+紫165,000円330,000円

このほかにかかる費用も、公式サイトに明記されています。

追加でかかる可能性のある費用公式サイトの記載
CS調査に伴う費用CS調査を実施する場合、業種・業態によって、サービス利用時に生じる必要経費が別途請求される
審査の交通費・出張費紺認証・紫認証で、審査に伴う交通費や出張費がかかる場合がある
おもてなし人材研修プログラムの受講料紺認証で必要な人材要件を満たす研修の受講には別途費用がかかる。詳細は研修の実施団体に問い合わせる
支払い方法審査料も認証料も、銀行振込のみ。請求書に載った指定口座に振り込む
更新認証取得1年目と3年目に審査を実施し、審査料と認証料がかかる、と公式サイトは書いている

取得の費用に補助金や助成が使えるかについて、今回読んだ資料には、一切の記載がありません。J-Net21の解説にも、利用できる補助の案内はありません。自治体や商工会議所が認証の取得を促す施策を持っている場合があるかについては、公式サイトが次のように書いています。自治体や地域の商工会・商工会議所などの支援機関が行う施策のなかで、規格項目の自己適合の結果を「紅認証」として活用したい場合には、認証事業者に相談する、というものです。紅認証は、通常は登録できず、この2つの場合に限って登録できることがあります。自分の地域にそうした施策があるかは、地元の商工会議所などに問い合わせてください。

申請から認証書の受け取りまで。流れと日程の目安

手続きの流れは、認証によって窓口が違います。公式サイトの各ページを整理します。

段階金認証紺認証紫認証
準備確認・同意事項に承諾する確認・同意事項に承諾する。おもてなし人材要件を満たす人材を用意する紺認証を取得し、有効期限内であること
申込み認証事業者を選び相談する。後日、認証事業者から案内がある認証機構事務局に相談・申込みをする紺認証の審査結果をもとに、審査員の斡旋によりエントリーする
審査料の支払い案内に従い、事前に銀行振込案内に従い、事前に銀行振込案内に従い、事前に銀行振込
審査認証事業者から配られるエントリーシートを提出。専門審査員が、訪問またはオンラインで運用状況を確認エントリーシートとエビデンスを提出。CS調査を実施。専門審査員が現地(事業所または本社)で確認ES調査を実施。専門審査員が現地で卓越度を確認。審査委員会で判定
改善指導改善が必要な場合は指導される改善が必要な場合は指導される課題がある場合は、必要に応じて改善計画を提出し、審査の対象になる
認証料の支払い審査通過後、案内に従い銀行振込審査通過後、案内に従い銀行振込審査通過後、案内に従い銀行振込
認証書の発行認証料の振込確認後、認証書とシールが届く認証料の振込確認後、認証書とシールが届く認証料の振込確認後、認証書とシールが届く
更新3年ごとに審査3年ごとに審査3年ごとに審査

J-Net21は、この制度の利用方法として、次の3段階を挙げています。認証事業者を確認して、メールや電話で相談すること。必要な項目数を満たしたうえで、認証機関による覆面調査や現地審査を受けること。認証されると、認証マークと認証書を店頭や名刺などに掲示できること。J-Net21のページには「一般的なスケジュール」の図が載っていますが、今回の取得では図の内容を文字で確認できず、具体的な月数・日数は書けません。審査が申込みから認証までにどのくらいかかるかは、認証事業者または認証機構に聞いてください。

特徴的なのは、審査料を事前に払うことです。審査料は、審査に通らなくても戻らない扱いかどうかは、公開ページに出ていません。申込みの前に、返金の有無を確認すると安心です。

申請できない事業者はあるのか。確認・同意事項の7項目

認証の手続きにあたっては、7つの確認・同意事項への承諾が求められます。公式サイトの内容を表にします。

確認・同意事項内容
手続きに関する代表者の同意店舗・施設とは別に経営・運営母体がある場合、その代表者が手続きに同意し、登録情報を確認している
法的順守公序良俗に反する事業を行っておらず、3年以内に、法人や構成員が重大な法令違反をしておらず、重大な労働災害を起こしていない
実地調査の同意登録後、認証機構や認証事業者が、活用状況などの調査のために、実地訪問で確認する場合がある
企業情報の公開登録された事業所名、業種、町域が、公式サイトの登録事業者一覧で公開される
非公開の結果への不問登録が完了しても、機構の公開基準に合わなければ一覧に出ない場合がある。公開基準についての問い合わせには、運営事務局は対応しない
認証事業者からの連絡登録情報は認証機構と認証事業者が閲覧でき、手続き完了後に認証事業者から案内がある場合がある
登録取消への同意事業の廃止、許認可の失効、虚偽の記載、不正な手段による登録、認証マークの不当な使用、法令違反、現地調査への非協力などの場合、事前通知なく登録が取り消されることがある

さらに、公式サイトは、次のような事業者は、紅・金・紺・紫のいずれも登録を受け付けないと明記しています。

受け付けない事業者理由・内容
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で定める「風俗営業」「性風俗関連特殊営業」「接客業務受託営業」を主たる業とするもの登録の対象外
反社会的勢力に該当する、または今後該当する意思があるもの登録の対象外
医療施設、介護保険施設サービス、介護保険居宅サービス、有料・養護・軽費老人ホーム、グループホーム、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律にもとづく施術所を営むもの広告規制に抵触するケースを引き起こす可能性があるため

対象は、顧客にサービス業務、特にホスピタリティサービスを行う事業者・事業所です。J-Net21は、サービスの質を高めて経営を強化したいと考えているすべての事業者が対象、と書いています。ただし、上の表のとおり、一部の業種は登録を受け付けていないため、介護、医療、施術所の事業者は、先に対象外になっていないかを確認してください。

登録に関する注意として、公式サイトには、一度登録が完了した情報は原則として修正できない、とあります。認証書には、登録した事業所名、共通(ブランド)店舗名、立地店舗名が反映されるため、申込みの入力では、名称の表記を間違えないようにします。

認証事業者は誰か。金認証の窓口の選び方

金認証は、認証事業者を選んで申請します。公式サイトでは、認証事業者として、次の3団体が案内されています。

認証事業者認証対応エリア認証対応業種(公式サイトの記載)
一般社団法人 Creative Guild全国B2C/B2B全般(金認証)
一般社団法人 日本CSR協会全国飲食・宿泊、小売、観光、運輸、金融、不動産をはじめとしたサービス業全般
特定非営利活動法人 日本ホスピタリティ推進協会全国飲食・小売・宿泊をはじめとした「一般消費者利用」のサービス事業者

公式サイトは、「エリアや業種等によっては、希望の認証事業者とならない場合がある」「エリアによって、ご案内が遅くなる場合がある」と注記しています。事業者が、自社で認証事業者を自由に選べるとは限らないことになります。特定の認証事業者に申し込む場合も、まず認証機構の申込みフォームから手続きを始め、認証事業者から案内を受ける形です。

認証事業者ごとの連絡先は、公式サイトの各ページに載っています。たとえば、日本ホスピタリティ推進協会のページでは、おもてなし規格認証事務局の運営を株式会社センチュリーアンドカンパニーに委託している、と書かれています。なお、問い合わせ先の電話番号は、J-Net21の案内(おもてなし規格認証機構)と、日本ホスピタリティ推進協会のページで異なります。J-Net21の案内は03-3231-8762、日本ホスピタリティ推進協会のページに載った電話番号は03-6434-9208です。迷ったら、まず認証機構の問い合わせ先を使い、最新の連絡先を公式サイトで確認してください。

紺認証の人材要件と、紫認証のES調査とは

紺認証と紫認証には、金認証にはない、大きな条件があります。

条件内容(公式サイトの記載)
おもてなし人材要件(紺認証)要件を満たす人材が、1つの事業所に1名以上配置されている必要がある
要件を満たす研修の例NPO法人日本ホスピタリティ推進協会の「ホスピタリティ・コーディネータ養成講座」「アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネータ養成講座」、株式会社パソナHRソリューションおよびエイジスリサーチ・アンド・コンサルティング株式会社の「おもてなしスキルスタンダード習得講座」
研修の費用受講には別途費用がかかる。詳細は実施団体に問い合わせる
資格取得者の申請審査では、研修を修了した資格取得者を申請する
CS調査モニター調査員が事業所を訪問し、一連のサービスを利用しながら提供状況を確認する。訪問が難しい業種では、利用客への満足度調査(ネットリサーチ等)を行う
ES調査(紫認証)全従業員を対象。パート・アルバイト等も含む。在籍スタッフの7割程度の回答が必要で、一定水準のスコアが必要
紫認証のCS調査紺認証時のミステリーショッピング調査を活用し、「卓越したレベル」であることを確認する。卓越レベルは、業界上位20〜30%に入る水準と設定されている

事例紹介のページでは、この人材要件やCS調査の厳しさが語られています。たとえば、株式会社東横インの事例は、2024年6月に全国333施設で紺認証を取得したとして紹介されています。この事例には、紺認証を取るには、人材要件を確保し、CS調査で所定の基準をクリアするなど、厳しい要件を満たす必要があったこと、資格取得者の声として、初めての覆面調査では不合格だった、という声が出ています。自社の接客を、外部の目で測られる制度であることが、よく分かります。

どんな事業者が取っているのか。事例紹介のページから

公式サイトの「登録事業者・事例紹介」には、取得事業者へのインタビューが掲載されています。タイトルと認証の種別を整理します。

事業者認証掲載日タイトルの趣旨(公式サイトより)
株式会社ノースサンド紺認証2026年4月3日急成長しても理念が薄まらない会社
株式会社東横イン紺認証2025年6月12日東横INN体験を感動レベルへ。全店での紺認証取得をめざして
小樽市役所紺認証2025年3月4日「オール小樽」のおもてなし。自治体初の紺認証取得を目指して
株式会社スーパーホテル紫認証2023年12月31日紫認証取得で「日常の感動」のおもてなし
朝霧ハイランド株式会社紺認証2023年12月31日お客様の喜びと、社員の幸福を目的に
森ビル株式会社紺認証2023年12月16日おもてなしを通したサービス品質の向上
合資会社 親湯温泉紺認証2023年9月30日想い出創りの演出業
TOTO株式会社 TOTOミュージアム紺認証2023年9月30日お客様接点業務の総点検を実施
ヤマヒロ株式会社紫認証2023年9月30日スタッフの専門性と働きがいが高まる事業部制の取組み
株式会社コナカ紺認証2023年3月1日ビジネスウェア専門店が目指すおもてなし

事例の業種は、宿泊、不動産、小売、観光、製造業のミュージアム、自治体など、幅広くなっています。ここから分かるのは、飲食や宿泊だけでなく、接客やお客さまの接点がある事業なら、対象になりうるということです。一方、掲載されているのは、紺認証や紫認証を取った比較的規模の大きな事業者が中心です。金認証を取った小規模事業者の事例は、今回読んだ一覧には出ていません。小さな店が金認証を目指すときの具体的な準備や期間は、認証事業者に聞くのが確実です。

事例のページは、個別のインタビューです。どの事例も、取得の効果を、売上などの数字で示しているわけではありません(ヤマヒロ株式会社のタイトルには、新人離職率を50%から10%にしたという数字がありますが、これは同社の事例であり、認証を取れば同じ結果になるという意味ではありません)。

認証を取ると何が変わるのか。J-Net21が挙げる2つのメリット

J-Net21は、取得に取り組むことで、事業者は次の2つのメリットを得られる、としています。

メリットJ-Net21の説明
サービス品質の見える化認証マークと認証書を店頭や名刺などに掲示でき、自社のサービスの質の高さを地域の消費者にアピールできる。従業員の士気の向上、消費者の満足度の向上という好循環をもたらし、消費者に選ばれる事業者になることが期待できる
生産性の向上と経営品質の向上取得を通じて、サービス品質の向上に向けた設備投資や人材育成に取り組むことで、生産性と経営品質を高められる。たとえば、顧客管理システムを導入してIT化すると、電話やメモで共有していた顧客情報を迅速・適正に管理でき、生産性が高まる。従業員が顧客満足度や生産コストを意識するようになる

どちらも「期待できる」という言い方で、成果の保証ではありません。ここに自社の事情を重ねると、取得の価値は、認証マークそのものよりも、規格項目に沿って、自社の運営を点検し、改善する過程にあるとも言えます。

認証の使い方向く場面
見せる(外向き)認証マークを店頭、名刺、採用案内などに載せ、サービスの質を示す
点検する(内向き)規格項目のセルフチェックで、自社の弱い部分を洗い出す
改善する(組織向き)従業員の意識改革、研修、デジタル活用などの投資を、規格項目に沿って計画する

向く事業者・向かない事業者

向く事業者理由
接客・サービスの質を、客観的な基準で点検したい事業者26項目の規格項目とA〜D評価で、自社の位置を測れる
認証マークで、サービスの質を取引先や消費者に示したい事業者認証マークと認証書を店頭や名刺に掲示できる
従業員の意識づけや、組織づくりの目標がほしい事業者規格項目が、リーダーシップ、従業員エンゲージメント、運用力など、組織全体を対象にしている
インバウンド対応を進めたい事業者トラベラー・フレンドリー認証で、対応状況を示せる
複数の店舗・施設を持つ事業者多施設認証で、2施設目以降の費用が低くなる
向かない事業者理由
認証取得の費用に、補助金や助成を当てたい事業者今回読んだ資料には、取得費用に使える補助の案内がない
すぐに集客や売上の増加を求める事業者公式サイトやJ-Net21が述べるのは、見える化や士気の向上などの期待であり、売上の効果を示した資料はない
医療施設、介護施設、施術所など登録を受け付けない業種に含まれる
風俗営業等に該当する事業者登録の対象外
審査の負担を、取れない事業者エントリーシートの作成、エビデンスの提出、現地審査、CS調査があり、準備の工数がかかる

他の認証や制度とは何が違うのか

「認証」「認定」という言葉は、制度によって指すものが違います。混同しやすいものを、この記事で読んだ範囲で整理します。

制度性格おもてなし規格認証との違い
ISO 23592サービスエクセレンスに関する国際規格おもてなし規格認証は、ISO 23592に準拠するよう設計された民間の認証だが、取得してもISO 23592認証を取ったことにはならない
紅認証自治体や商工会・商工会議所などの支援機関の施策で、規格項目の自己適合の結果を活用するための認証第三者の審査を伴う金・紺・紫とは別の扱い。通常は登録できず、公式サイトが認める限られた場合のみ
トラベラー・フレンドリー認証インバウンド対応を評価する上乗せの認証金・紺・紫のいずれかの取得を前提に、Ⅷの項目を審査する
補助金・助成金国や自治体が費用の一部を支援するおもてなし規格認証は、費用を受け取る制度ではなく、事業者が費用を払って評価を受ける制度

補助金の探し方を考える場合、この制度は「補助金の対象事業そのもの」ではなく、「サービスの質を高める取組みの目標」として位置づけるのが適切です。たとえば、認証を目標に、顧客管理システムの導入や、スタッフの研修などを計画し、その設備投資や人材育成に、別の補助金を探す、という使い方は考えられます。J-Net21の解説も、サービス品質の向上に向けた設備投資や人材育成が、生産性と経営品質の向上につながる、と述べています。ただし、どの補助金が使えるかは、その時期の公募内容によります。補助金は、それぞれの公募要領で確認してください。

つまずきやすい点

つまずきやすい点起こること避けるための確認
セルフチェックの評価を、そのまま認証の結果と考える審査では、エビデンスと運用状況が確認される。自己評価と審査結果がずれることがあるエントリーシートの「評価の目安」を読み、エビデンスを用意する
紺認証の「必須10項目」を見落とす18項目に届いても、必須項目の評価が足りないと基準を満たさないセルフチェックシートで、必須項目を先に確認する
人材要件を準備していない紺認証では、要件を満たす人材が1事業所に1名以上必要研修の実施団体に、受講の時期と費用を確認する
認証事業者を自由に選べると考えるエリアや業種によっては、希望の認証事業者にならない認証機構に、自社に合う認証事業者を確認する
費用を認証料だけで見積もるCS調査の必要経費、交通費、研修費が別にかかる場合がある見積の段階で、追加費用の有無を確認する
更新を考えていない有効期限は3年。更新には再審査が必要で、審査料と認証料がかかる3年後の費用と体制を、取得前に見積もる
登録情報を間違える登録が完了した情報は、原則として修正できない事業所名や店舗名の表記を、申込み前に確認する
認証マークを不適切に使う登録の取消事由になりうる許容される用途・方法を、認証機構に確認する
ISO 23592認証と混同する取得してもISO 23592認証を取ったことにはならない外部への説明では、制度名を正確に書く

認証を取るまでの準備を、段階で考える

準備の順序を、公式サイトの流れに合わせて整理します。以下は、公式サイトの条件から導いた準備の順序で、期間は示せません。

段階やること確認する先
1セルフチェックシートで、自社の現状を評価する公式サイトのセルフチェックのページ
2金・紺・紫のどれを狙うかを決める。26項目のうち、基準に足りない項目を見つける各認証のページの認証基準
3確認・同意事項を読み、承諾できるか確認する。対象外の業種でないかを確かめる公式サイトの確認・同意事項
4申込みフォームから申し込む。金は認証事業者、紺・紫は認証機構と進める認証機構(電話03-3231-8762)または認証事業者
5審査料を支払う(銀行振込)認証事業者または認証機構の請求書
6エントリーシートとエビデンスを出し、審査・CS調査を受ける認証事業者または認証機構
7改善指導があれば対応する認証事業者または認証機構
8審査通過後、認証料を支払い、認証書とシールを受け取る認証事業者または認証機構
93年後の更新に備える認証機構

よくある質問

質問答え
おもてなし規格認証は補助金ですかいいえ。サービスの質を第三者が評価する、有償の民間認証です。審査料と認証料は事業者が支払います
取得の費用に使える補助金はありますか今回読んだ公式サイトとJ-Net21の解説には、取得費用に使える補助の案内は見当たりませんでした。自治体や商工会・商工会議所の施策については、地元の窓口に確認してください
認証の種類は何ですか金(★)、紺(★★)、紫(★★★)の3つです。インバウンド対応を評価するトラベラー・フレンドリー認証を加えることもできます
いくらかかりますか1施設目の税込の費用は、金が審査料44,000円と認証料22,000円、紺と紫がそれぞれ審査料110,000円と認証料55,000円です。2施設目以降の費用は別に決まっています。CS調査の経費、交通費、研修費などが別にかかる場合があります
有効期限はありますか金・紺・紫のいずれも3年です。3年ごとに審査があります
紫認証は、いきなり申し込めますか公式サイトでは、紺認証を取得し、有効期限内の事業所が、紫認証のエントリーの対象になります
ISO 23592の認証を取ったことになりますかいいえ。公式サイトは、取得してもISO 23592認証を取得したことにはならない、と注意しています
どこに申し込めばよいですか金認証は、おもてなし規格認証機構が登録する認証事業者に、紺認証と紫認証は認証機構に申し込みます。申込みフォームは、公式サイトの「お問い合わせ・お申し込み」にあります。J-Net21は、認証機構の電話番号として03-3231-8762を案内しています
複数の店舗で一括して取れますか多施設認証が可能で、2施設目以降の費用は低く設定されています。条件は、認証機構に確認してください
医療機関や介護施設は申し込めますか公式サイトは、医療施設、介護保険施設サービス、介護保険居宅サービス、有料・養護・軽費老人ホーム、グループホーム、施術所などは、登録を受け付けないとしています
認証を取ると売上は増えますか売上の増加を示した資料は、今回読んだ範囲にはありません。公式サイトとJ-Net21が述べるのは、サービス品質の見える化、従業員の士気や顧客満足度の向上、生産性と経営品質の向上への期待です

まとめ。補助金を探す前に、認証の意味を整理する

おもてなし規格認証は、国の補助金のように費用を受け取る制度ではなく、事業者が費用を払い、サービスの質を第三者に評価してもらう、民間の認証制度です。金・紺・紫の3段階と、インバウンド対応を評価するトラベラー・フレンドリー認証があり、基準は、26項目の評価と、現地審査、CS調査などで決まります。費用は、金認証の1施設で税込66,000円(審査料と認証料の合計)、紺認証と紫認証は同じく165,000円で、そのほかに調査の経費や研修費がかかる場合があります。

取得するかどうかを決めるときは、3つの問いが役に立ちます。自社は、規格項目に沿って自分たちの運営を点検したいか。認証の費用と、審査の準備の工数を、3年周期で負担できるか。紺認証を狙う場合、人材要件を満たす人材と研修の費用を用意できるか。まず、公式サイトのセルフチェックシートで現状を点検し、狙う認証の基準と比べてみてください。判断に迷う点は、おもてなし規格認証機構(電話03-3231-8762)に確認することをおすすめします。

サービスの質を高めるための設備投資や人材育成に使える補助金は、別の制度として、公募の時期ごとに存在します。認証を目標に取組みを計画する場合は、その取組みに使える補助金を、公募要領で確認しながら、認証の費用とは別に検討してください。

この制度を一言でいうと

「おもてなし規格認証」は、中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)が実施する認定制度です。対象の地域は全国です。

近年、サービス事業者には、日本を訪れる外国人観光客などを対象としたキャッシュレス対応や多言語表記などを導入し、サービスの質を高めることが求められています。 それに応えるために、サービスの質を「見える化」し、その取り組みを評価する制度として、「おもてなし規格認証」があります。 本制度の認証を受けることで、サービスの質の向上だけでなく、従業員の士気向上からの消費者の満足度向上といった好循環、生産性の向上と経営品質の向上を期待できます。 おもてなし規格認証の規格項目は以下のとおりです。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名おもてなし規格認証
実施機関中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
種類認定制度
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「おもてなし規格認証」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
従業員従業員数や、雇用保険・社会保険への加入に関する条件があります。数え方(常勤・パートの扱い)は、制度の定義に従います。

「おもてなし規格認証」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
規格認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。

「おもてなし規格認証」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 計画の作成現状・目標・内容
  2. 支援機関の確認制度による
  3. 申請期限・申請先を確認
  4. 認定設備取得の前に
  5. 優遇措置の利用税制・融資・加点
  6. 毎年の報告実施状況

「おもてなし規格認証」についてのよくある質問

Q&Aおもてなし規格認証

経営者のイメージ写真
経営者

Q. おもてなし規格認証の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。