市場動向検索|公的統計で読む
岩手県の卸売業・小売業の市場・事業所動向
岩手県の卸売業・小売業の市場・事業所動向について、公的統計(e-Stat)の数字と、そこから読み取れることを、順に整理します。
岩手の卸売業・小売業の規模と増減
岩手の卸売業・小売業の規模と増減は、どうなっていますか?
まず、全体像からお伝えしますね。
岩手県の卸売業・小売業は、13,411か所の事業所で103,399人が働いています。岩手の全産業の従業者のうち卸売業・小売業が占める割合は20.0%で、全国の20.0%と比べると、全国と同じ水準の産業です。
濃い色が卸売業・小売業です。
| 指標 | 岩手の卸売業・小売業 | 増減(2016→2021年)・全国との比較 |
|---|---|---|
| 事業所数 | 13,411か所 | −9.9%(全国 −5.8%) |
| 従業者数 | 103,399人 | −1.5%(全国 +1.9%) |
| 1事業所あたりの従業者数 | 7.7人 | 全国 9.6人 |
| 全産業の従業者に占める割合 | 20.0% | 全国 20.0% |
この数字から読み取れること
この数字から、何が読み取れますか?
数字から言えることを、整理しますね。
従業者数は−1.5%で、全国の+1.9%と比べると、全国より3.4ポイント弱い動きです。市場が縮む前提での、事業の絞り込みや、既存の顧客・取引先との関係の見直しが、論点になりやすい局面です。
事業所と従業者の両方が減っています。市場全体が縮んでいる可能性があり、新規参入より、今ある事業の収益性を高める発想が、先に必要になります。
経営上のポイント
経営では、どんなことに気をつければいいですか?
ここは、押さえておきたいところです。
この地域では卸売業・小売業の集積が大きくないため、取引先の選択肢が限られる場面があります。他地域の取引先の開拓や、オンラインでの販路づくりを、先に検討する価値があります。
1事業所あたりの従業者数は7.7人(全国は9.6人)で、小規模な事業所が中心の地域です。少人数で成果を出す仕組みづくりが、競争力に直結します。
岩手の中で、ほかの業種と比べる
同じ地域の、ほかの業種と比べると、どうですか?
見比べてみましょう。
岩手で従業者が多い業種を並べると、卸売業・小売業は12業種中1番目です。従業者数の増え方が最も大きいのは教育・学習支援業(+17.9%)、最も小さいのは宿泊業・飲食サービス業(−10.4%)です。同じ地域の中で、働く人を取り合う関係にある業種と、並べて見ることが、採用や賃金を考える出発点になります。
| 業種 | 従業者数(割合) | 従業者の増減 |
|---|---|---|
| 卸売業・小売業(この業種) | 103,399人(20.0%) | −1.5% |
| 製造業 | 89,452人(17.3%) | +0.4% |
| 医療・福祉 | 76,631人(14.9%) | +12.4% |
| 建設業 | 47,994人(9.3%) | −2.2% |
| サービス業 | 35,870人(7.0%) | +10.5% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 35,835人(6.9%) | −10.4% |
| 運輸業・郵便業 | 29,779人(5.8%) | −0.6% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 20,961人(4.1%) | −4.7% |
| 教育・学習支援業 | 12,619人(2.4%) | +17.9% |
| 専門・技術サービス業 | 11,436人(2.2%) | +17.5% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 11,433人(2.2%) | +8.0% |
| 情報通信業 | 5,766人(1.1%) | +8.5% |
同じ地方の都道府県と比べる
近くの県と比べると、どうですか?
同じ地方の県と、並べてみますね。
全国47都道府県のうち、卸売業・小売業が全産業の従業者に占める割合は、岩手が23番目に高く、全国の中では中位の地域です。
従業者数の増減は37番目で、全国の中でも、減っている方の地域です。1事業所あたりの従業者数は29番目で、平均的な規模です。
| 都道府県 | 卸売業・小売業の従業者の割合 | 従業者数の増減 |
|---|---|---|
| 青森県 | 21.4% | −2.1% |
| 岩手県(この地域) | 20.0% | −1.5% |
| 宮城県 | 21.7% | +3.1% |
| 秋田県 | 20.5% | −2.7% |
| 山形県 | 19.1% | −1.3% |
| 福島県 | 19.1% | +1.5% |
岩手で、いま使える制度(卸売業・小売業の方向け)
今、使える制度は、ありますか?
ここは、実際に使える制度を、見てみましょう。
補助金検索に載っている制度のうち、岩手県を対象にした、いま受付中・受付予定のものは80件です(全国どこでも使える国の制度は288件)。
岩手の制度を目的別に見ると、「設備整備・IT導入」20件、「人材育成」13件、「雇用・職場環境を改善したい」13件の順に多くなっています。設備やITへの投資を後押しする制度が、地域の制度の中心です。
市場動向に関係しそうな制度(設備投資・新事業・販路の拡大)は、138件あり、うち岩手の制度は24件です。いちばん締切が近いのは、「金ケ崎町農業機械導入緊急支援事業について」(締切 2026年10月15日)です。地域の制度と国の制度は、同じ経費に重ねて使えないことが多いため、併用できるかを、公募要領で先に確かめます。
- 金ケ崎町農業機械導入緊急支援事業について金ケ崎町|締切 2026年10月15日
- 【公募】令和8年度小規模事業者事業継続力強化支援事業費補助金の第2回公募について岩手県|締切 2026年10月16日
- 令和9年度ふるさとものづくり支援事業の募集について雫石町|締切 2026年10月30日
- 令和8年度自動車関連産業重点強化支援事業費補助金(生産体制強化事業支援事業)の公募開始について岩手県|締切 2026年10月30日
- 令和8年度事業者向けEV等導入事業費補助金岩手県|締切 2026年10月30日
制度の数は、補助金検索のデータ(取得日:2026-10-13)から数えました。最新の受付状況は、各制度の公式ページで確認してください。
似た課題に取り組んだ、支援事例
似た課題に取り組んだ事例は、ありますか?
参考になりそうな事例が、あります。
当社が支援してきた事例のうち、市場動向に近い課題に取り組んだものを紹介します(企業が特定されないよう、匿名化しています)。業種が違っても、課題の構造が似ている事例は、自社の打ち手を考える材料になります。数字から見える地域の傾向を、自社の打ち手に結びつけるときの、参考にしてください。
数字と制度を重ねると、見えてくること
数字と制度を重ねると、何が言えますか?
ここが、いちばん大事なところです。
岩手を対象にした、市場動向に関係する制度が24件(国の制度を含めると138件)あります。締切が近いのは「金ケ崎町農業機械導入緊急支援事業について」(締切 2026年10月15日)です。使えるかを確かめるなら、早めの確認が安全です。
従業者が減っている産業では、規模を追うより、利益の出る事業に絞って、設備や仕組みに投資する発想が合います。制度は、その投資の負担を、軽くするために使えます。
自社で確かめたい問い
自社に当てはまるかは、どう確かめればいいですか?
次の問いで、確かめてみてください。
数字は、地域全体の傾向です。自社に当てはまるかは、次の問いで確かめてください。
自社の売上は、この地域の卸売業・小売業の動き(従業者−1.5%)と、同じ方向に動いていますか。地域の動きより良ければ自社の強みが、悪ければ自社固有の課題が、表れている可能性があります。
主な取引先や顧客は、この地域の中にいますか。地域の外に広げられる余地があるかを、先に考えます。
同業の事業所が減っている、または増えている影響を、自社の受注や価格に感じていますか。
考えられる打ち手
具体的に、どんな打ち手が考えられますか?
打ち手は、次のように考えられます。
市場が縮む前提で、売上の大きい顧客・商品に、経営資源を集めます。利益の出ていない取引や商品を整理して、残す事業の収益性を高めます。
販路の見直し(地域外の顧客、オンライン、法人向け)で、需要の偏りを減らします。
設備投資やシステム導入は、補助金・助成金・税制優遇を、先に調べてから、計画します。
岩手の卸売業・小売業の、ほかのテーマ
使える制度の探し方
この内容に合う制度は、どうやって探せばいいですか?
数字から見える課題に合わせて、補助金検索で、次のキーワードを試してみてください。制度の対象・期限・上限額は、必ず各制度の公式ページで確かめてくださいね。
補助金・経営支援顧問