企業版ふるさと納税を募集しています
企業版ふるさと納税を募集しています(由仁町)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
由仁町の企業版ふるさと納税は、町外に本社のある法人が10万円以上を寄附すると、法人関係税の税額控除を受けられる仕組み
北海道夕張郡由仁町は、町のウェブサイトで「企業版ふるさと納税を募集しています」と案内しています。企業版ふるさと納税は、地方公共団体の地方創生の取組みに対して企業が寄附をしたとき、法人関係税から税額控除する仕組みです。町の案内は、損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が控除され、実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されると説明しています。
補助金とは向きが逆です。補助金は、国や自治体からお金を受け取る制度です。企業版ふるさと納税は、企業が自治体へお金を出し、その代わりに税負担が軽くなる制度です。受け取る側ではなく出す側の制度なので、「自社の事業費をまかなう」目的では使えません。一方で、地域とのつながりづくり、社会貢献、採用や取引の広がりなど、事業の周辺で価値を生む使い方があります。この記事では、由仁町の案内と内閣府の資料を読み、税の仕組み、由仁町の条件、手続き、注意点を整理します。
まず、由仁町の制度の骨格を表にします。
| 項目 | 内容(由仁町の案内より) |
|---|---|
| 制度名 | 企業版ふるさと納税(由仁町は「企業版ふるさと納税を募集しています」と案内) |
| 寄附の受け手 | 北海道夕張郡由仁町 |
| 対象となる法人 | 由仁町外に本社のある法人 |
| 最低額 | 1回あたり10万円以上 |
| 禁止されていること | 寄附の代償として経済的な利益を受け取ること |
| 制度の対象期間 | 令和9年度(2027年度)まで |
| 寄附の対象事業 | 地域再生計画「由仁町まち・ひと・しごと創生推進計画」のすべての事業 |
| 申出の方法 | 寄附申込書に記入し、郵送・FAX・メールで由仁町地域活性課へ送る |
| 問い合わせ先 | 由仁町 地域活性課 地域活性・拠点整備担当 電話0123-83-2112 |
この制度は、補助金・助成金とどこが違うのか
名前に「ふるさと納税」とあるため、個人の返礼品付きふるさと納税を思い浮かべる方が多いのですが、企業版は仕組みが大きく違います。違いを表に並べます。
| 比べる点 | 補助金・助成金 | 個人のふるさと納税 | 企業版ふるさと納税 |
|---|---|---|---|
| お金の流れ | 国・自治体から事業者へ | 個人から自治体へ | 企業から自治体へ |
| 目的 | 事業者の取組みを支える | 応援したい自治体への寄附と税の控除 | 地方創生の取組みへの寄附と税の控除 |
| 見返り | 事業の実施が条件 | 返礼品が一般的 | 経済的な見返りは禁止 |
| 申請の審査 | 採択の審査がある | 審査はない | 寄附の受け付けに採択審査はない。ただし、寄附先の事業が国に認定された計画にあることが前提 |
| 受けられる効果 | 事業費の補助 | 所得税・住民税の控除 | 損金算入と、法人住民税・法人税・法人事業税の税額控除 |
寄附を受ける側の自治体は、国から「地域再生計画」の認定を受けている必要があります。内閣府の概要資料も、地方公共団体が地方版総合戦略を基に地域再生計画を策定する必要があると明記しています。由仁町の案内にある「地域再生計画『由仁町まち・ひと・しごと創生推進計画』」が、この計画にあたります。
税の軽減は、どの税目でどれだけ効くのか
内閣府の概要資料と令和7年度税制改正の資料から、軽減の中身を読み解きます。ここが制度の中心です。
| 区分 | 内容 | 上限 |
|---|---|---|
| 損金算入 | 通常の寄附と同様に、寄附額のうち約3割分の税負担が軽くなる(内閣府の概要資料の図による) | 通常の寄附金の損金算入の枠内 |
| 法人住民税の税額控除 | 寄附額の4割 | 法人住民税法人税割額の20%が上限 |
| 法人税の税額控除 | 法人住民税で4割に達しない場合、その残額を控除 | 寄附額の1割が限度、法人税額の5%が上限 |
| 法人事業税の税額控除 | 寄附額の2割 | 法人事業税額の20%が上限 |
| 税額控除の合計 | 最大6割 | 各税目の上限額に左右される |
| 損金算入と合わせた軽減 | 最大約9割 | 実質負担は約1割まで |
内閣府の概要資料には、例として「1,000万円寄附すると、最大約900万円の法人関係税が軽減」と書かれています。この「最大」は、各税目の上限に届くだけの税額がある場合です。
寄附額ごとの目安を、この比率で計算すると次のとおりです。いずれも、各税目の上限にかからない場合の最大値の計算で、実際の軽減額は納めている税額によって変わります。
| 寄附額 | 税額控除の最大(6割) | 損金算入による軽減(約3割) | 軽減の合計(最大約9割) | 実質負担(約1割) |
|---|---|---|---|---|
| 10万円(由仁町の最低額) | 6万円 | 約3万円 | 約9万円 | 約1万円 |
| 100万円 | 60万円 | 約30万円 | 約90万円 | 約10万円 |
| 1,000万円 | 600万円 | 約300万円 | 約900万円 | 約100万円 |
この計算は、内閣府の例にある1,000万円と900万円の比率を、そのまま寄附額に当てはめたものです。法人住民税法人税割額の20%、法人税額の5%、法人事業税額の20%という上限があるため、納税額が小さい法人は、控除しきれません。たとえば、年間の法人事業税が小さい会社が大きな額を寄附しても、事業税分の控除は、その法人事業税額の20%までです。
もう1点、「約9割」は、損金算入の効果を含んだ数字です。損金算入の効果は、法人の税率や所得の状況によって変わります。内閣府の資料は「約3割」と丸めて示していますので、実際の軽減額は、顧問税理士に試算を依頼してください。
由仁町の制度は、誰が使えるのか
由仁町の案内では、対象は「由仁町外に本社のある法人」です。ここは内閣府のQ&Aと合わせて読むと、範囲がはっきりします。
| 確認する点 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 本社の所在地 | 由仁町に本社が所在する法人からの寄附には、この税制の適用がない | 由仁町の案内、内閣府Q&A(Q4-6) |
| 「本社」の意味 | 地方税法の「主たる事務所又は事業所が所在する地方公共団体」 | 内閣府Q&A(Q4-7) |
| 同じ北海道内の別の市町村の本社 | 事業実施主体が市町村の場合は市町村単位で判断するため、対象になる | 内閣府Q&A(Q4-8) |
| 申告の種類 | 外国法人を含め、青色申告書を提出している法人であれば適用を受けられる | 内閣府Q&A(Q4-6) |
| 業種・規模 | 由仁町の案内には、業種や資本金の条件は書かれていない | 由仁町の案内 |
たとえば、札幌市に本社がある会社は、由仁町とは別の市町村ですので、対象になります。一方、由仁町内に本社のある会社が由仁町に寄附をしても、企業版ふるさと納税の税額控除の対象外です。通常の寄附としての扱いになります。なお、本社が町内にある会社が町に寄附すること自体を、町が断る理由はありませんが、税の取扱いが違うため、事前に由仁町の地域活性課と顧問税理士に確認してください。
内閣府の概要資料には、対象外団体も書かれています。東京都、および市区町村のうち地方交付税の不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村は、本制度の対象外です。由仁町は寄附を受けられる自治体として、計画を策定して案内を出しています。
もう1つ、青色申告の要件があります。白色申告の法人や、個人事業主は、この税制の対象になりません。個人の方の場合は、通常のふるさと納税(個人向け)が選択肢になります。由仁町の個人向け寄附の窓口は、町のふるさと寄附金のページにあります。
寄附したお金は、何に使われるのか
由仁町の案内は、寄附の対象を、地域再生計画「由仁町まち・ひと・しごと創生推進計画」のすべての事業としています。2026年5月に町が掲載した(第3期)計画のPDFを読むと、中身がわかります。
町は、人口の見通しを次のように記しています。住民基本台帳に基づく2025年(令和7年)5月1日現在の人口は4,490人で、ピークだった1957年(昭和32年)の13,404人から減り続けています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2060年(令和42年)に1,562人となる見込みとされています。年少人口(0〜14歳)は2025年に382人、生産年齢人口(15〜64歳)は2,133人、高齢者人口(65歳以上)は1,975人です。
この状況に対応するため、計画は4つの基本目標を掲げています。事業の区分とともに表にします。
| 基本目標 | 事業の内容(計画の記載) | 具体的な事業の例(計画の記載) |
|---|---|---|
| 1 安心して働ける環境をつくる | 若者の雇用機会を創出し、稼ぐ力を高め、安心して働ける環境を目指す | 農業の振興、次世代を担う人材の育成、企業の誘致、由仁のものブランド推進 |
| 2 由仁への新しいひとの流れを創出する | 町との結びつきを持つ方、町のファンとなる関係人口を創出する | 移住・定住の支援、食や自然環境を活かした誘客活動、大学等と連携した知的資源やマンパワーの活用、ふるさと納税制度の普及・促進 |
| 3 結婚・出産・子育てを支援する | 結婚や出産、子育てがしやすい環境を整備する | 縁結び事業の推進、子育て応援施策の推進、教育環境の充実 |
| 4 安心・安全な暮らしを守り、地域連携を推進する | 生活基盤の整備、広域的な交通手段の確保に向けた検討 | 医療・福祉・介護が連携したサービスの推進、地域公共交通網の形成と充実、健康管理の取組み、地域防災体制の推進、新しい技術の活用 |
寄附の申込書には、この4つの事業区分から、寄附の活用を希望する事業にチェックを入れる欄があります。自社が関心を持てる分野を選べるということです。たとえば、農業や食に関わる会社なら「安心して働ける環境をつくる事業」、移住や観光に関わる会社なら「新しいひとの流れを創出する事業」、子育て関連の会社なら「結婚・出産・子育てを支援する事業」が、自然な選び方になります。
計画の数値目標と、寄附額の目安
寄附の使い道を判断するとき、計画の目標値も参考になります。計画は、2029年度を目標年度として、次の4つの指標を置いています。
| 指標 | 現状値(計画開始時点) | 目標値(2029年度) | 対応する基本目標 |
|---|---|---|---|
| 15歳以上就業者数 | 2,735人 | 2,800人 | 基本目標1 |
| 転入者数 | 142人 | 150人 | 基本目標2 |
| 年間出生者数 | 13人 | 20人 | 基本目標3 |
| 年間転出者数 | 171人 | 120人 | 基本目標4 |
寄附金額の目安として、計画は2025年度から2029年度までの累計で500,000千円(5億円)と記載しています。事業の実施期間は、地域再生計画の認定の日から2030年3月31日までです。事業の評価は、毎年度2月頃に外部有識者による効果検証を行い、翌年度以降の取組方針を決めて、検証後速やかに町の公式ホームページで公表するとされています。
ここで、2つの期限を混同しないようにしてください。由仁町の案内にある「対象期間は令和9年度まで」は、税制優遇の期限です。計画の実施期間(2030年3月31日まで)は、寄附を活用する事業の期間です。内閣府の令和7年度税制改正の資料によると、税額控除の特例措置は、制度改善策を講じることを前提に、3年間(令和9年度まで)延長されました。令和9年度を過ぎた後の取扱いは、今回読んだ資料には書かれていません。内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトで、最新の情報を確認してください。
申込みから税務申告までの流れは、どうなっているのか
由仁町の案内と内閣府のQ&Aを合わせると、手続きの全体像は次のとおりです。
| 段階 | やること | 資料での根拠 |
|---|---|---|
| 事前確認 | 本社が由仁町外か、青色申告か、10万円以上の金額か、経済的な見返りを受けない整理ができているかを確認する | 由仁町の案内 |
| 申込書の作成 | 町の「企業版ふるさと納税寄附申込書」(Word形式)に、法人名、法人番号、代表者名、所在地、連絡先、寄附申込額を記入する | 由仁町の申込書 |
| 寄附方法の選択 | 「納付書」または「銀行振込(町が指定する口座)」を選ぶ | 由仁町の申込書 |
| 事業の選択 | 4つの事業区分から、活用を希望する事業にチェックする | 由仁町の申込書 |
| 公表の希望 | 「法人名と寄附申込額を公表」「法人名のみ公表」「公表を希望しない」のいずれかを選ぶ | 由仁町の申込書 |
| 申込書の送付 | 郵送、FAX、メールのいずれかで、由仁町役場の地域活性課に送る | 由仁町の案内 |
| 寄附の払込み | 納付書または銀行振込で、町に払い込む | 由仁町の申込書 |
| 受領証の受取り | 寄附金の受領後、町から税額控除に必要な受領証が送られる | 由仁町の申込書(注記) |
| 税の申告 | 租税の申告時に、地方創生応援税制の適用がある寄附を行った旨を申告し、受領証の写しを提出する(法人税の申告では保管) | 内閣府Q&A(Q7-2) |
送付先は、〒069-1292 北海道夕張郡由仁町新光200番地、由仁町役場 地域活性課 地域活性・拠点整備担当です。電話は0123-83-2112、FAXは0123-83-3020、メールはfurusato@town.yuni.lg.jpと、町の案内に記載されています。
内閣府のQ&Aによると、受領証は、内閣府令で規定する様式で、自治体が寄附をした企業に交付する必要があります。複数の事業に一度に寄附した場合は、事業ごとに区分して受領証を交付します。この受領証が、申告時の根拠書類になります。
申告の時期を決めるときの落とし穴は、どこにあるのか
内閣府のQ&A(Q4-5)には、時期に関する重要な記載があります。税額控除は、実際に寄附を行った日が属する事業年度に適用されます。そのため、4月1日に始まる事業年度の法人が、3月31日までに寄附をして前事業年度の税制の適用を受けたい場合は、年度内に寄附が受領されるよう、自治体と調整する必要があります。
つまり、決算月の直前に動くときは、次の点を事前に確認してください。
| 確認点 | 理由 | 確認先 |
|---|---|---|
| 払込みが、事業年度の末日までに町に届くか | 税額控除は、実際に寄附を行った日が属する事業年度に適用されるため | 由仁町地域活性課、顧問税理士 |
| 納付書を使うか、銀行振込にするか | 払込みの日が変わるため | 由仁町地域活性課 |
| 税の軽減額の見込み | 各税目に上限があり、納税額が小さいと控除しきれないため | 顧問税理士 |
| 寄附の名義と、支払元の口座 | 受領証は寄附を行った法人あてに交付されるため | 由仁町地域活性課 |
町側の事情として、内閣府のQ&Aは、寄附を受領する時期が出納整理期間になりそうな場合には、年度内に納入通知書を発しておく必要があるとしています。町が年度の終わりに近い時期の申込みへ対応できるかは、町の事務に左右されるため、早めに問い合わせるのが安全です。
「経済的な見返り」は、何がいけなくて、何ならよいのか
企業版ふるさと納税で、いちばん誤解されやすいのが見返りの扱いです。由仁町の案内も「寄附を行うことの代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されています」と明記しています。内閣府の解説資料(令和4年6月27日、令和8年4月1日一部改正)をもとに、線引きを表にします。
| 区分 | 具体例(内閣府の解説資料より) |
|---|---|
| 禁止される例 | 寄附を理由とした補助金の交付 |
| 禁止される例 | 寄附を理由とした、他の法人の場合より低い金利での貸付け |
| 禁止される例 | 入札や許認可での便宜の供与 |
| 禁止される例 | 合理的な理由なく、市場価格より低い価格で財産を譲渡すること |
| 禁止される例 | 寄附を理由とした換金性の高い商品(商品券やプリペイドカード等)の提供 |
| 禁止される例 | 寄附を行うことを、公共事業の入札参加要件とすること |
| 禁止される例 | 寄附を活用して整備した施設を専属的に利用させること |
| 禁止される例 | 合理的な理由なく、他の利用者より低廉な料金で公共施設を利用させること |
| 許容される例 | 感謝状やこれに類するものの贈呈 |
| 許容される例 | 自治体のホームページや広報誌で、寄附を活用して実施している事業の紹介に併せ、寄附法人の名称を他の寄附者と並べて紹介すること |
| 許容される例 | 寄附で整備した施設に銘板等を設置し、法人名を他の寄附者と並べて列挙すること |
| 許容される例 | 社会通念上許容される範囲内の記念品やこれに類するものの贈呈 |
由仁町の申込書にある「法人名と寄附申込額の公表」の選択は、許容される例の2つ目に近いものです。町が公表するのは、寄附者として並べて紹介するためのものであり、見返りの提供ではありません。
契約との関係も、よく質問される点です。内閣府の解説資料は、寄附を行った自治体から工事の受注等を行うこと自体が、禁止される見返りに当たるわけではないとしています。ただし、自治体の側で、法令を遵守すること、寄附を理由に他の法人と別に扱わないこと、手続きの公正性・透明性の説明責任を果たすことの3つがそろっていることが前提です。随意契約の場合は、競争入札に比べて、より一層の説明責任が求められると記されています。過去や現在に契約関係のある自治体への寄附も、原則として行えるとされています。
令和7年度の税制改正では、この点の運用が強化されました。内閣府の資料によると、寄附法人・関係会社が競争入札で一者応札により受託した場合などに、国への実施報告が義務づけられ、寄附法人名を公表する仕組みが入りました。寄附活用事業の発注先を、競争入札・随意契約(少額の場合を除く)について自治体が公表することも盛り込まれています。町に寄附をしたうえで、町の事業を受注しようとする法人は、この点を前提に動いてください。
現金ではなく物品で寄附できるのか
由仁町の申込書には、物品を寄附する場合の記入欄(物品の品名、数量、単価)があります。内閣府のQ&Aは、物品による寄附の取扱いを、いくつかの項目に分けて示しています。
| 論点 | 内閣府Q&Aの内容 |
|---|---|
| 受領証 | 現金の場合と同様に交付し、物品の品名、数量、使用用途を追記する(Q4-4-3) |
| 翌年度に使う物品 | 予算・決算上の繰越しができないため、寄附年度に活用する分に限って受領する(Q4-4-4) |
| 物品の管理 | 台帳等で管理するよう努める。寄附活用事業での使用用途を記載し、活用状況の写真を保存することが望ましい(Q4-4-5) |
| 処分 | 寄附活用事業での活用を終えた時点から処分が可能になる(Q4-4-6) |
| 議会への報告 | 寄附企業名や寄附額のほか、物品の品名や使用用途も説明し、透明性を確保するよう努める(Q4-4-7) |
| 価額の算定 | 寄附の時におけるその物品の価額が寄附金の額となる。自治体が合理的に算定した価額による(Q4-4-1、4-4-2) |
自社の製品を寄附する場合、その価額をいくらと見るかは、自治体の合理的な算定に左右されます。自社が付けた販売価格が、そのまま寄附の額になるとは限りません。物品での寄附を考える場合は、申込み前に由仁町へ品目を伝え、町が受け入れられるか、価額をどう算定するかを確認してください。
国の資料から見る、制度の広がりと動向
由仁町の案内だけでは見えにくい、制度全体の動きを、内閣府の概要資料(令和8年4月1日付)から抜き出します。
| 項目 | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 創設 | 平成28年度(2016年度) | 内閣府の概要資料 |
| 令和6年度の寄附額 | 631.4億円(前年比34%増) | 同上 |
| 令和6年度の寄附企業数 | 8,464社(前年比10%増) | 同上 |
| 計画策定自治体 | 1,613団体(令和8年4月1日時点) | 同上 |
| 令和元年度の寄附額 | 33.8億円 | 令和7年度税制改正の資料 |
| 令和5年度の寄附額 | 470.0億円 | 同上 |
| 税額控除の特例の延長先 | 令和9年度まで(3年間) | 同上 |
令和元年度の33.8億円から令和5年度の470.0億円に増えた背景には、令和2年度の税制改正で、税額控除の割合が最大3割から最大6割に拡充されたことがあります。資料は、寄附法人側から見た軽減効果が、約6割から最大約9割になったと説明しています。
同じ資料は、制度の健全な運用のために、契約手続きの公正性に問題があって認定地域再生計画の取消しを行う事案が生じたことも記しています。このため、制度改善策として、チェックリストの導入、実施状況の国への報告、発注先の公表、認定取消しを受けた場合の再申請に係る欠格期間(2年間)の創設などが決まりました。寄附をする側にとっては、自治体が手続きを厳格に進めていることが、制度の信頼につながります。
人材派遣型という、お金以外の関わり方もあるのか
内閣府の概要資料は、企業の人材を地方公共団体等に派遣し、人件費分の寄附を合わせて行うことで、「人材派遣型」としても活用できると記しています。ポータルサイトには、人材派遣型の概要、副業タイプの資料、Q&Aも掲載されています。
ただし、由仁町の案内には、人材派遣型についての記載はありません。由仁町で人材派遣型を検討する場合は、町の地域活性課に、受け入れの可否と条件を、直接確認してください。この記事では、由仁町が受け入れる前提では書きません。
どんな会社に向くのか、向かないのか
寄附の判断は、税の軽減だけで決めないほうが失敗しません。会社の状況ごとに整理します。
| 会社の状況 | 向きやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 町外に本社があり、法人税・法人住民税・法人事業税を一定額納めている | 向く | 各税目の上限に届きやすく、軽減効果を活かせる |
| 由仁町や北海道の農業・食・観光・地域づくりと事業上のつながりがある | 向く | 計画の事業内容と、自社の関心が重なる |
| 地域貢献や、サステナビリティの取組みを、対外的に示したい | 向く | 町の広報誌やホームページでの紹介(許容される例)がある。ただし、PRを見返りとして約束させることはできない |
| 税額が小さく、大きな額の寄附を考えている | 要試算 | 税目ごとの上限があるため、控除しきれない部分が出る |
| 赤字で、納める税額がほとんどない | 向きにくい | 税額控除が使える税額がない |
| 由仁町内に本社がある | 対象外 | 寄附をしても企業版ふるさと納税の税額控除は適用されない |
| 白色申告の法人や個人事業主 | 対象外 | 青色申告書を提出している法人が対象 |
| 寄附の代わりに、町から仕事や便宜を得たいと考えている | 向かない | 経済的な見返りは禁止されている |
| 決算期の末日までに税の適用を受けたい | 要調整 | 払込みが事業年度内に完了している必要がある |
税額が出ていない会社は、税額控除が使えないため、企業版ふるさと納税のメリットは薄くなります。このような会社は、寄附ではなく、補助金の活用や、売上づくり、設備投資の検討のほうが、会社の成長に直結します。当社(ProdX Crowd編集部)は、補助金・助成金を中心に、会社の状況に合った制度選びを支援してきました。税の軽減は、「たまたま出た利益の使い道」として考えるのではなく、会社の全体計画のなかで位置づけてください。
他の制度との関係は、どう考えればよいのか
企業版ふるさと納税は、補助金や、他の税制優遇と、役割がはっきり違います。同時に使えるかどうかを、制度ごとに確認してください。
| 比べる制度 | 関係 | 注意点 |
|---|---|---|
| 設備投資に関わる補助金・助成金 | 別の目的の制度で、併用は可能な場合が多い | 補助金の交付要綱に、他の補助金との重複を制限する定めがあることがある。寄附金は補助対象経費ではない |
| 研究開発・設備投資の税制優遇 | 別の税額控除の枠。適用できる税額の上限が、重なって影響しうる | 控除の合計額が法人税額等の上限に近づく場合がある。顧問税理士に確認する |
| 個人のふるさと納税 | 個人向けの別制度 | 法人が従業員の分まで払うことはできない。経営者個人の寄附は、個人向けの制度で扱う |
| 通常の寄附金(損金算入のみ) | 税額控除がつかない通常の寄附 | 由仁町内に本社がある法人が寄附する場合は、こちらの扱いになる |
| 地域雇用開発助成金 | 内閣府のポータルサイトに「連携した」資料がある | 連携の条件は、厚生労働省の助成金の要件に従う。この記事では内容を読んでいない |
税額控除の限度額は、他の税制優遇との関係で変わる場合があるため、税務申告をまとめて見る立場の税理士に、全体の試算を依頼するのが確実です。
つまずきやすい点は、どこか
由仁町の案内と、内閣府の資料から、つまずきやすい点を整理します。
| つまずき | 内容 | 避け方 |
|---|---|---|
| 本社の所在地の取り違え | 本店の登記が由仁町にある法人は、適用がない | 登記上の本店所在地と、事業の実態を事前に確認する |
| 10万円未満の寄附 | 1回あたり10万円以上が対象 | 分割して小口にしない。1回の寄附で10万円以上にする |
| 見返りの期待 | 寄附の代償としての経済的な利益は禁止されている | 契約や優遇を条件にしない。社内の決裁書にも、条件を書かない |
| 税額の見込み違い | 各税目に上限があり、「約9割」は最大値 | 顧問税理士に、決算見込みを使った試算を頼む |
| 事業年度の境目 | 払込みの日が属する事業年度に適用される | 決算期の末日までに払込みを完了する |
| 受領証の保管 | 申告時に受領証の写しを提出(法人税は保管) | 受領証が届いたら、税務担当者に回し、原本を保管する |
| 公表の選択 | 法人名や金額が、町のホームページ等で紹介されることがある | 申込書の公表欄で、希望を明確にチェックする |
| 期限の混同 | 税制の対象期間(令和9年度まで)と、計画の期間(2030年3月31日まで)は別 | 町の案内と、内閣府のポータルで最新の情報を確認する |
よくある質問
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 返礼品はもらえますか。 | 企業版ふるさと納税では、寄附の代償として経済的な利益を受け取ることが禁止されています。由仁町の個人向けのふるさと寄附金には特産品の返礼がありますが、企業版は別の制度です。 |
| 最低いくらから寄附できますか。 | 1回あたり10万円以上が対象です。 |
| 由仁町に支店があるだけの会社も対象になりますか。 | 対象外とされているのは、本社が由仁町にある法人です。「本社」は、地方税法の「主たる事務所又は事業所が所在する地方公共団体」のことです。支店だけが町内にある場合の扱いは、町と税理士に確認してください。 |
| 税の軽減はいつ受けられますか。 | 寄附を行った日が属する事業年度の申告で、受領証の写しとともに申告します。 |
| 寄附の使い道を指定できますか。 | 町の申込書に、4つの事業区分から活用を希望する事業を選ぶ欄があります。 |
| 名前を公表されたくない場合は。 | 申込書に「公表を希望しない」の選択肢があります。 |
| 申込みは電話でできますか。 | 町の案内にある申出の方法は、寄附申込書の郵送・FAX・メールです。不明点は、地域活性課の電話(0123-83-2112)で確認できます。 |
| 物品を寄附できますか。 | 申込書に物品の欄がありますが、受け入れの可否や価額は、事前に町に確認してください。 |
| 毎年寄附してもよいのですか。 | 対象期間は令和9年度までです。複数年度にまたがる寄附の計画は、町の事務と税理士に相談してください。 |
| 補助金のように、採択の審査がありますか。 | 企業の側に採択審査はありません。ただし、寄附の受け手である町の事業が、国の認定を受けた地域再生計画に位置づいていることが前提です。 |
最終確認の手順
由仁町の企業版ふるさと納税を検討するときの確認の順番を、まとめます。
| 順番 | 確認すること | 確認先 |
|---|---|---|
| 最初 | 自社の本店所在地、青色申告かどうか | 自社の登記、顧問税理士 |
| 次 | 寄附の金額と、税額控除を受けられるかの試算 | 顧問税理士 |
| 次 | 活用を希望する事業区分、法人名の公表の希望 | 由仁町の申込書 |
| 次 | 払込みの時期と、事業年度の境目 | 由仁町地域活性課、顧問税理士 |
| 次 | 社内の整理(見返りを求めない、取引との切り分け) | 自社の決裁・コンプライアンス担当 |
| 最後 | 申込書の送付、払込み、受領証の受取り、申告 | 由仁町地域活性課、顧問税理士 |
制度の最新の情報は、由仁町の公式ページ(https://www.town.yuni.lg.jp/newstopics/20425)と、内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイト(https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html)で確認できます。申込み、受入れの可否、物品の取扱い、公表の扱いは、由仁町 地域活性課 地域活性・拠点整備担当(電話0123-83-2112)へ、税額の見込みや申告の方法は、顧問税理士にご相談ください。
企業版ふるさと納税は、補助金とは逆向きの制度ですが、会社の利益の使い方、地域との関わり方、取引先や採用への波及を考えるうえで、選択肢の1つになります。税の軽減に目を奪われず、寄附先の事業に共感できるか、見返りを求めない運用ができるか、という2つの問いを、先に確認してください。補助金や助成金の活用を含めた会社全体の資金計画は、ProdX Crowd(月額10,000円、初期費用0円、成果報酬0円、最低契約期間なし、いつでも解約OK)の経営支援のなかでも、ご相談いただけます。
この制度を一言でいうと
「企業版ふるさと納税を募集しています」は、由仁町が実施する税制優遇です。対象の地域は由仁町・北海道です。
企業版ふるさと納税は、地方公共団体の地方創生の取り組みに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。 損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が控除され、実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されます。
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 企業版ふるさと納税を募集しています |
|---|---|
| 実施機関 | 由仁町 |
| 種類 | 税制優遇 |
| 対象地域 | 由仁町・北海道 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「企業版ふるさと納税を募集しています」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域由仁町・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 由仁町・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 法人 | 法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。 |
| 団体 | NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。 |
| 納税 | 税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。 |
申請の方法と、そろえる書類
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 郵送 | 書類の郵送や持参が必要です。到着の期限(必着か、消印有効か)を確認し、余裕を持って発送します。コピーを手元に残しておきます。 |
この制度で、特に注意したいこと
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | ・1回あたり10万円以上の寄附が対象となります。 |
| 注意点 | ・寄附を行うことの代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されています。 |
| 事業者の区分 | ・由仁町外に本社のある法人が対象となります。 |
| 日程 | ・本制度の対象期間は、2027年度までです。 |
| その他 | 寄附の対象事業 / 由仁町まち・ひと・しごと創生推進計画 PDF資料ダウンロード / 寄附の申し出について |
| 地域 | ・地域再生計画「由仁町まち・ひと・しごと創生推進計画」におけるすべての事業が同制度の寄附対象となっています。 |
「企業版ふるさと納税を募集しています」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 要件の確認対象設備・期限
- 認定・証明書の取得取得の前に
- 設備の取得事業に使い始める
- 決算利益の見通し
- 申告で適用特別償却・税額控除
「企業版ふるさと納税を募集しています」についてのよくある質問
Q&A企業版ふるさと納税を募集しています
Q. 企業版ふるさと納税を募集していますの受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
Q. 企業版ふるさと納税を募集していますで、注意すべきことはありますか?
・1回あたり10万円以上の寄附が対象となります。
Q. 企業版ふるさと納税を募集していますで、注意すべきことはありますか?
・寄附を行うことの代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されています。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(由仁町・北海道)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:由仁町の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
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