募集中税制

企業版ふるさと納税

実施機関
美深町
募集期間
通年(随時受付)
地域
北海道・美深町

企業版ふるさと納税(美深町)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

美深町の企業版ふるさと納税は、補助金ではなく「寄附をした企業の法人関係税が軽くなる」税制の仕組み

最初に位置づけをはっきりさせます。美深町(北海道中川郡)が募集している「企業版ふるさと納税」は、町が企業にお金を出す補助金ではありません。逆です。企業が町の地方創生事業に寄附をする側になり、その寄附額に応じて、法人住民税・法人税・法人事業税が軽くなる、という税制上の制度です。正式には「地方創生応援税制」と呼ばれ、内閣府が所管しています。

このサイトは補助金の検索サイトですが、この制度は、補助金を探している企業が「補助金が出ない代わりに、税金を軽くしながら地域と関わる」という選択肢として目にすることが多いため、制度ページとして扱っています。受け取る制度ではなく、出す制度であることを前提に読んでください。

まず全体像を表にします。

項目内容根拠にした資料
制度の性格寄附をした企業の法人関係税を軽くする税制。補助金・助成金ではない内閣府の制度概要(令和8年4月1日付)
美深町が募集しているもの「美深町まち・ひと・しごと創生推進計画」に関連する事業への寄附美深町の企業版ふるさと納税のページ
1回あたりの寄附額10万円以上同上、内閣府の制度概要
対象外になる企業美深町内に本社(地方税法上の主たる事務所・事業所)がある企業同上
申告の条件青色申告書を提出している法人であること同上、内閣府のQ&A
税の軽減の目安損金算入による効果と合わせて、最大で寄附額の約9割内閣府の制度概要
見返りの禁止寄附の代償として、町から企業へ経済的な利益を与えることは禁止美深町のページ、内閣府の解説
問い合わせ先美深町企画商工観光課経済産業グループ地域振興係(ふるさと納税担当)、電話01656-2-1645(直通)美深町のページ

この記事では、軽減の仕組みと計算例、美深町が寄附を募っている事業、手続きの流れ、見返りの禁止ルール、つまずきやすい点、向く会社と向かない会社を順に整理します。融資にあたる支援策や相談窓口の紹介は、このサイトの扱いの対象外のため、取り上げません。

この制度は、補助金とどこが違うのか

「企業版」という名前がついていても、個人向けのふるさと納税とは別物です。個人向けは返礼品が付きますが、企業版は返礼品も見返りも禁止されています。また、補助金は「事業にかかった費用の一部を国や自治体から受け取る」仕組みですが、この制度は「自治体の事業に資金を出し、その一部を税金の軽減で取り戻す」仕組みです。お金の流れが反対向きになります。

比べる点補助金(一般的な事業者向け)企業版ふるさと納税(この制度)
お金の向き国・自治体から企業へ企業から自治体へ
企業の目的自社の設備投資や事業の費用を軽くする地方創生への貢献と、税の軽減
審査申請書を出し、採択・不採択がある企業が申し出る。町が受け入れを決める。審査で順位をつける仕組みではない
見返り補助金そのものが対価見返りは禁止。感謝状や社会通念上の記念品などは認められる
税との関係受け取った補助金は、会計・税務上の処理が必要寄附金について損金算入と税額控除を受けられる
対象の地域事業所の所在地などの要件がある本社がある自治体への寄附は対象外

美深町のページが挙げる企業側のメリットは、地方創生への寄与やSDGsの推進といった企業PR、地方公共団体との新たなパートナーシップの構築、地域資源を生かした新事業展開、の3つです。税の軽減はこれらに加えて受けられる、という位置づけです。

税はどれだけ軽くなるのか:3つの税目の控除上限を表で確認する

内閣府の制度概要は、軽減の中身を次のように説明しています。通常の寄附では、寄附額の約3割分が損金算入によって税負担を軽くします。企業版ふるさと納税では、これに加えて、税額控除が寄附額の最大6割あり、合わせて最大約9割が軽くなる、という考え方です。企業の負担は、最大で約1割になる計算です。

税目控除の割合控除の上限
法人住民税寄附額の4割を税額控除法人住民税の法人税割額の20%
法人税法人住民税で4割に達しない場合、その残額を税額控除。ただし寄附額の1割が限度法人税額の5%
法人事業税寄附額の2割を税額控除法人事業税額の20%

読み方のポイントは、「割合」と「上限」の2つの制約があることです。割合は寄附額に対するもの、上限は企業が実際に納めている税額に対するものです。寄附額が大きくても、納めている税額が小さければ、上限に当たって控除はそれ以上増えません。

内閣府の資料にある例は、「1,000万円寄附すると、最大約900万円の法人関係税が軽減される」というものです。これは最大の場合の例で、全ての企業にあてはまる数字ではありません。

仮の数字で、上限に当たる場合を計算してみる

以下は、仕組みを理解するための仮の数字です。実際の金額は、自社の税額と実効税率によって変わります。損金算入の約3割は、内閣府の資料にある目安をそのまま使っています。

仮の前提金額
寄附額100万円
法人住民税の法人税割額100万円(仮)
法人税額800万円(仮)
法人事業税額150万円(仮)
税目計算控除額
法人住民税寄附額100万円の4割は40万円。ただし上限は法人税割額100万円の20%で20万円20万円
法人税寄附額の4割(40万円)から住民税の控除20万円を引くと20万円。ただし寄附額の1割(10万円)が限度。法人税額800万円の5%(40万円)は上回らない10万円
法人事業税寄附額の2割は20万円。法人事業税額150万円の20%は30万円で、上限内20万円
税額控除の合計20万円+10万円+20万円50万円
損金算入の効果(目安)寄附額の約3割約30万円
軽減の合計50万円+約30万円約80万円(寄附額の約8割)

この仮の例では、法人住民税の法人税割額が小さいために、住民税の控除が上限に当たり、最大の6割ではなく5割の控除にとどまりました。納める税額が十分に大きい企業ほど、最大に近づきます。逆に、赤字や納税額がごく小さい企業では、税額控除を使い切れません。寄附をする前に、顧問税理士や所轄の税務署で、自社の控除見込み額を確認してください。内閣府の資料も、税額控除の手続きや算出は、税理士や所管する税務署に相談するよう案内しています。

控除が適用される事業年度に気をつける

内閣府のQ&Aによれば、税額控除は、実際に寄附を行った日が属する事業年度に適用されます。たとえば、事業年度が4月1日に始まる法人が、前の事業年度の税額から控除を受けたい場合は、3月31日までに寄附を済ませる必要があります。自治体側も、年度末の出納整理期間にかかる寄附は、年度内に納入通知書を出す必要があります。決算期が近い企業は、早めに町へ連絡して日程を調整してください。

制度の期限

内閣府の令和7年度税制改正の資料は、税額控除の特例措置を、制度の改善策を講じることを前提に、令和9年度まで3年間延長すると説明しています。令和6年度までの措置が延長された形です。制度の改善策には、自治体のチェックリスト導入、実施状況の透明化、認定取消し後の再申請に関する欠格期間(2年間)の創設などが含まれます。

美深町は、どんな事業への寄附を募っているのか

美深町のページによれば、寄附の対象は、内閣府の認定を受けた地域再生計画に記載された「美深町まち・ひと・しごと創生推進計画」に関連する事業です。3つの基本目標ごとに寄附を受け付けており、より具体的な個別事業への寄附もできます。

基本目標ねらい(町のページより)具体的な事業の例
1 美深町の強い経済をつくる農業と林業を中心とした基幹産業を根付かせる。商工業の維持・発展と、新たな産業であるチョウザメ産業の確立で、地域経済の創出、働く場所の確保、新たな雇用の創出を目指すがんばる美深農業支援事業、チョウザメ振興事業、産学官連携活性化事業
2 美深町の豊かな生活環境をつくる車を手放しても日常生活を送れる公共交通の確保、安全に使える道路・交通網の整備、子育て環境の充実、高齢者の生活支援、デジタル技術を使った住民サービスを目指す地域公共交通運行事業、母子保健対策事業、特別養護老人ホーム移転改築事業
3 選ばれる美深町を目指す地域おこし協力隊をきっかけにした移住定住対策、地域交流活動による関係人口の拡大、魅力ある資源を生かした観光事業を目指す移住定住推進事業、山村留学推進事業、こどもスポーツ文化未来基金事業

どの基本目標を選ぶかは、企業側の方針しだいです。自社の事業と関わりが深い分野、たとえば農業関連の企業なら基本目標1、運輸・福祉・医療関連なら基本目標2、人材・教育・観光関連なら基本目標3、という選び方が考えられます。ただし、関連があることと、見返りを受けることは別です。この点は、後述する「見返りの禁止」の節で詳しく扱います。

町のページには、令和5年度、6年度、7年度に寄附をした企業の一覧が載っています。企業の数は、令和5年度が8社、令和6年度が9社、令和7年度が5社です。多くは、基本目標1にあたる「まちの特性をいかした産業を振興し、働く場をつくる事業」への寄附です。寄附額は非公表の企業が多く、公表されている額は、100千円(10万円)と1,000千円(100万円)の例があります。寄附額に決まった目安があるわけではなく、最低額の10万円から始めている企業もあることが分かります。

手続きの流れ:寄附の申出から税の申告まで

美深町のページは、寄附から税の申告までの流れを7つの段階で示しています。企業が何をするのか、町が何をするのかを、表にまとめます。

段階誰が内容
事前相談(必要に応じて)企業と町寄附する事業、寄附額、寄附の時期などを協議する
寄附の申出企業から町へ「美深町企業版ふるさと納税寄附申出書」を郵送またはFAXで提出する
納付書等の送付町から企業へ町が寄附の受け入れを決定したのち、寄附金の支払いに必要な書類を送る
寄附金の納入企業から町へ納付書等を使って町に納める
受領証の送付町から企業へ受け入れ後に、町が受領証を送る。税の申告で必要なので保管する
税の申告企業受領証を使って、税務署に地方創生応援税制の適用がある旨を申告する
事業費確定通知書の送付町から企業へ事業費が確定したのち、町が通知書を送る。寄附の翌年度の10月頃が目安。税の申告に必要な書類ではない

寄附申出書に書く内容

町のページには、申出書の様式(DOCXとPDF)が掲載されています。様式には、法人名、代表者、所在地、法人番号、寄附金額、寄附対象事業(町の創生推進計画に掲げる事業)、寄附の希望日、寄附金の納付方法、寄附の公表についての希望、担当者の連絡先を記入する欄があります。

申出書の項目書く内容事前に決めておきたいこと
寄附金額円で記入10万円以上であること。自社の控除見込みを税理士に確認したうえで決める
寄附対象事業町の創生推進計画に掲げる事業名3つの基本目標のどれか、または個別事業か
寄附の希望日年月日決算期との関係。控除を受けたい事業年度内に納めること
納付方法町の納付書による納付、指定口座への振込、その他から選ぶ経理の支払い手順に合うもの
寄附の公表法人名と寄附金額を公表、法人名のみ公表、公表しない、から選ぶ広報として使うか。取引先への見え方
担当者連絡先所属、氏名、住所、電話、メール受領証や通知書が届く窓口を、経理担当に合わせる

「寄附の公表」の欄は、判断を迷いやすい項目です。内閣府のQ&Aは、寄附について公表を希望しない企業を除き、自治体は企業名や寄附額を公表するよう求めています。公表を希望しない場合も、自治体が非公表とする理由を説明できるようにしておく必要があります。企業のPRを目的にするなら公表を選び、静かに寄附したいなら非公表を選ぶ、というのが自然な考え方です。ただし、次の節の通り、契約や補助金の関係が絡む場合は、公表が必要になる場面があります。

受領証が、税の申告の要になる

内閣府のQ&Aは、税の優遇を受けるために企業が行うことを、租税の申告時に、地方創生応援税制の適用がある寄附を行った旨を申告し、寄附先の自治体から交付された受領証の写しを提出する(法人税の申告では保管)こと、と説明しています。受領証は、自治体が内閣府令で定めた様式で交付します。複数の事業に同時に寄附した場合は、事業ごとに受領証が分かれます。

税務上の手続きの詳細は、国税庁など課税庁が発表している情報で確認してください。内閣府のQ&Aも、同じ案内をしています。

寄附の見返りが禁止されている:町と企業の双方が守るルール

企業版ふるさと納税で最も誤解されやすいのが、見返りです。美深町のページにも、「寄附の代償として、町から企業様へ経済的な利益を供与することは禁止されています」とあり、例として、町からの入札や許認可の便宜、補助金の交付、低金利の貸付けが挙げられています。

内閣府の「寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること」についての解説(令和8年4月1日一部改正)は、禁止される例と、認められる例を、次のように整理しています。

区分具体例
禁止される例寄附を理由とした補助金の交付/寄附を理由とした、他の法人より低い金利での貸付け/入札や許認可での便宜の供与/合理的な理由なく市場価格より低い価格で財産を譲渡すること/商品券やプリペイドカードなど換金性の高い商品の提供/寄附を行うことを公共事業の入札参加要件とすること/寄附で整備した施設を専属的に利用させること/合理的な理由なく、他の利用者より安い料金で公共施設を利用させること
認められる例寄附企業に感謝状などを贈ること/自治体のホームページや広報誌で、寄附企業の名称を他の寄附者と並べて紹介すること/整備した施設に銘板を設置し、寄附企業を他の寄附者と並べて列挙すること/社会通念上許容される範囲内の記念品を贈ること

見返りの禁止は、自治体に対する禁止として定められていますが、実際には企業側も関係します。企業が「寄附をするから補助金を出してほしい」「寄附のお礼に町の仕事を回してほしい」と求めると、自治体の側で計画の認定が取り消されるなど、制度全体に影響が出るおそれがあります。内閣府のQ&Aも、見返りを与えたことが明らかになった場合、地域再生計画の認定が取り消されるなど、自治体に不利益が生じることがある、と書いています。

すでに町と取引がある企業は、寄附できないのか

できます。内閣府の解説は、過去に契約関係にあった、または現に契約関係にある自治体に寄附をすることは、原則として、見返りには当たらず、寄附できると説明しています。また、寄附をした企業が、その自治体の工事を受注することも、次の3つの取組みが自治体で行われていれば、見返りには当たらないとしています。

自治体が行うべきこと内容
法令の遵守条例・規則を含む入札・契約の法令を守る
同じ扱い寄附を受けたことを理由に、他の法人と別の扱いをしない
説明責任手続きの公正性・透明性について、説明責任を果たす

注意が必要なのは、契約が随意契約である場合です。内閣府の解説は、随意契約が認められる具体的な基準は自治体の自主的な判断に委ねられているため、一般競争入札や指名競争入札よりも、一層、手続きの公正性と透明性について説明責任を果たす必要がある、としています。美深町のページの末尾にも、令和7年度の寄附活用事業の契約の相手方が1件公表されており、契約相手の公表という制度上の義務の例になっています。

契約や補助金が絡むと、公表が必要になる

内閣府のQ&A(令和7年度以降に実施される事業が対象)によれば、寄附を受けた自治体は、事業にかかる契約などが次のいずれかに当てはまるとき、寄附をした法人の名称を実施報告書に記載し、ホームページ等で公表する必要があります。

当てはまる場面内容(Q&Aの整理)
入札が実質的に一者入札に加わったのが一者、または一者とその関係者のみで、契約の相手方などが寄附法人または関係会社である
随意契約契約が随意契約(少額のものを除く)で、契約の相手方などが寄附法人または関係会社である
補助金補助金の申請者が実質一者で、受け取った者や、補助事業の契約の相手方が寄附法人等である
負担金負担金の拠出先が実質一者で、拠出先や関連する契約の相手方が寄附法人等である

寄附法人が名称の公表を望まない場合は、その理由が正当で、第三者を含む審議会等の確認を受けた場合に限り、非公表にできます。ただし「非公表を希望するため」といった一般的な理由では足りず、個別具体的な理由が必要です。国も、これらに該当する報告を受けた事業と、寄附法人の名称(または非公表の理由)を、内閣府のホームページで公表します。

この仕組みは、令和6年12月の制度改善策で整えられました。内閣府の実態調査(令和5年度に寄附を受けた1,462自治体、寄附総額約470億円)では、契約先などに寄附法人が含まれていたのは、全体の約1%だったと報告されています。大部分の寄附は、見返りと無関係に行われている一方で、問題のある事案もあったため、確認の仕組みを強めた、という経緯です。

対象になる企業の条件を、一つずつ確認する

美深町のページと内閣府のQ&Aから、寄附を検討する企業が確認すべき条件をまとめます。

確認する条件内容注意点
青色申告青色申告書を提出している法人であること。外国法人も、青色申告書を提出していれば対象白色申告の個人事業主は、この制度(法人関係税の控除)の対象になりません
本社の所在地美深町内に本社がある企業は対象外「本社」は、地方税法上の主たる事務所または事業所を指す
寄附の金額1回あたり10万円以上何回かに分けた場合は、1回ごとに10万円以上である必要がある
事業の範囲町が認定を受けた計画に関連する事業への寄附計画に書かれていない事業への寄附は、対象外になることがある。事前相談で確認する
見返りの受領寄附の代償として、経済的な利益を受けない感謝状や社会通念上の記念品は可

「本社の所在地」の範囲は、実施主体で変わる

内閣府のQ&Aは、本社の所在地による対象外の範囲を、事業を実施する自治体の単位で判断する、と説明しています。美深町のように市町村が実施主体の場合、美深町内に本社がある企業からの寄附は対象外ですが、同じ北海道内の、他の市町村に本社がある企業からの寄附は対象になります。一方、都道府県が実施主体の場合は、その都道府県内に本社があるすべての企業が対象外です。

内閣府の概要には、このほか、東京都、および地方交付税の不交付団体である三大都市圏の既成市街地等の市区町村は、制度の対象外の団体になる、と書かれています。美深町が対象外団体に当たるかどうかは、町のページに記載がないため、町の担当窓口か、内閣府のポータルサイトの資料で確認してください。

つまずきやすい点:受け入れる前に整理しておきたいこと

実務で迷いやすい点を、制度の側の事情と、企業の側の事情に分けて表にします。

つまずく場面起きること避けるための確認
決算期をまたぐ寄附日が次の事業年度になり、期待した事業年度で控除を受けられない納入日(実際に寄附を行った日)を、希望する事業年度内に収める。町と日程を調整する
納税額が小さい割合は最大でも、実際の納税額の上限で控除が頭打ちになる顧問税理士に、法人住民税・法人税・事業税の納税額から、控除見込み額を試算してもらう
町内に本社がある制度の対象外で、控除が受けられない本社の所在地を、登記と地方税法上の主たる事務所で確認する
見返りを期待して申し出る町の認定が取り消されるリスク。信頼関係の悪化寄附の目的を、地域貢献とPRに置く。補助金・入札の便宜は期待しない
受領証をなくす税務申告で適用を受けられなくなるおそれ受領証は、経理で、他の証憑と一緒に保管する
公表の可否が曖昧後から、広報や取引先への見え方で困る申出書の「寄附の公表」欄を、社内で決めてから記入する
事業費確定前の寄附町は、確定前は、計画に書いた「寄附の金額の目安」の範囲内でしか受け取れない大口の寄附は、事前相談で、受け入れの可否を確認する

最後の点は、内閣府のQ&Aに根拠があります。自治体は、事業費の確定前に寄附を受け取る場合は、地域再生計画に記載した「寄附の金額の目安」の範囲内で、事業費の確定後は事業費の範囲内で受け取ることとされています。事業費を超えて受け取ると、計画の認定が取り消されることがあるため、自治体は寄附の総額を管理しています。目安の金額は、町のページには載っていないので、事前相談で確認する項目になります。

向く企業、向かない企業

制度の性格から、向く場面と向かない場面を整理します。

見立て向く企業の特徴向かない企業の特徴
税の状況黒字で、法人住民税・法人税・事業税の納税額が、寄附額に対して十分にある赤字や、納税額がごく小さい。控除を使い切れない
申告青色申告をしている法人白色申告、または個人事業主(法人関係税の控除の対象外)
本社の所在地美深町以外に本社がある美深町内に本社がある
目的地域貢献、企業PR、パートナーシップづくりが目的補助金や入札の便宜を引き出したいのが目的
地域との縁創業地や、取引・事業で縁のある地域に恩返ししたい。北海道での事業展開を考えている地域との接点がなく、寄附の理由を社内で説明できない
手続きの余力受領証の保管、申告、事業年度の管理ができる経理体制がある経理の人員が少なく、手続きを管理できない

事業の資金繰りが苦しいときに、税の軽減を目的に寄附をするのは、おすすめしません。軽減されるのは、寄附額のうちの一部(最大約9割)で、最低でも寄附額の一部は、企業が負担します。軽減のために、まず現金を出す必要があるためです。

類似制度との違い:個人版ふるさと納税と、人材派遣型

企業版ふるさと納税には、2つの似た制度があります。混同しないよう、違いを整理します。

制度違い
個人向けのふるさと納税寄附者は個人。返礼品がある。税額の控除は、所得税・住民税の寄附金控除
企業版ふるさと納税(この制度)寄附者は法人。返礼品・見返りは禁止。法人住民税・法人税・法人事業税の税額控除と損金算入
企業版ふるさと納税(人材派遣型)人件費を含む事業費に寄附し、同じ年度に、企業の人材を自治体の職員などとして派遣する。常勤タイプ(出向)と副業タイプ(派遣元と兼業)がある

人材派遣型は、内閣府の令和8年3月のリーフレットで、企業が人件費を含む事業費について寄附を行い、寄附と同じ年度に、寄附活用事業に従事する自治体の職員として任用される場合(または、地域活性化事業を行う団体等に採用される場合)をいうと説明されています。派遣した人材の人件費相当額を含む事業費への寄附で、その経費の最大約9割相当の税の軽減を受けられる、とされています。美深町のページには、人材派遣型についての記載はないため、検討する場合は、町の担当窓口に、受け入れの可否を確認してください。

関連する制度や、公式情報との関係

内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトには、制度の概要資料、Q&A、関連法令、全国の特徴的な取組、企業と自治体のマッチング会の案内が載っています。ポータルには、地方創生応援税制と連携した、地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の資料も掲載されています。この助成金を活用する場合は、受領証に、寄附の対象となった事業の区域と実施期間を記載する扱いがQ&Aで示されています。助成金の詳しい要件は、所管の厚生労働省などの資料で確認してください。

公式資料内容使いどころ
内閣府ポータル「企業版ふるさと納税」制度概要、リーフレット、Q&A、関連法令制度全体の確認。税の軽減の仕組み
内閣府「寄附の代償として経済的な利益を供与すること」の解説見返りの禁止と、認められる例町との取引がある企業の、確認
内閣府Q&A(事業実施・実施状況報告編)寄附の受領時期、本社の所在地、税額控除、公表、報告手続きと実務の確認
美深町のページ寄附の対象事業、手続き、申出書、寄附企業の一覧寄附先としての美深町の確認

内閣府地方創生推進事務局の問い合わせ先は、令和8年3月のリーフレットに、電話03-6257-1421、メールkigyou-furusato@cas.go.jp と記載されています。制度全般への質問は、ここに、美深町の事業への質問は、町の担当窓口に分けて問い合わせると効率的です。

検討から寄附までの日程の考え方

町のページには、寄附の受付期間の定めがなく、募集中と案内されています。したがって、締切から逆算するのではなく、自社の事業年度の末日から逆算して日程を組みます。次の表は、決算期の約3か月前から動き始める場合の、一般的な段取りの例です。時期の長さは、仮の目安で、制度の定めではありません。

時期(決算期の末日を起点にした仮の目安)やること
約3か月前社内で寄附の方針を決める。顧問税理士に、納税額と控除見込み額を相談する。町の担当窓口に事前相談をする
約2か月前寄附先の事業と金額を決める。社内の承認を得る。町に寄附申出書を送る(郵送またはFAX)
約1か月前町から納付書等が届く。寄附金を納入する
納入後町から受領証が届く。経理に引き渡し、保管する
申告時期受領証を使い、税務署に、地方創生応援税制の適用がある旨を申告する
寄附の翌年度の10月頃町から事業費確定通知書が届く(町のページの目安)。税の申告には使わないが、社内の報告用に保管する

事業年度の末日ぎりぎりに納入すると、町の事務や金融機関の処理が間に合わないおそれがあります。余裕をもって、納入日を決めてください。

よくある質問

質問答え(出典)
1万円や5万円など、少額の寄附でもよいか1回あたり10万円以上が対象です(美深町のページ、内閣府の概要)。
個人事業主でも使えるか軽減されるのは法人関係税のため、青色申告書を提出している法人が対象です(町のページ、内閣府Q&A)。個人事業主の扱いは、税務署で確認してください。
町の産品などの返礼品はもらえるか寄附の代償として経済的な利益を受けることは禁止されています。感謝状や、社会通念上許容される範囲の記念品は、見返りに当たらないとされています(内閣府の解説)。
寄附先の事業を選べるか3つの基本目標ごとに受け付けており、さらに具体的な事業への寄附もできます(町のページ)。
申告で、何を税務署に出すか地方創生応援税制の適用がある旨の申告と、受領証の写しの提出です(法人税の申告では保管)(内閣府Q&A)。
申出書の様式はどこで入手するか町のページに、DOCXとPDFで掲載されています。
事業費確定通知書は、申告に必要か税の申告に必要な書類ではありません(町のページ)。
制度はいつまで使えるか税額控除の特例措置は、令和9年度までの延長が決まっています(内閣府の令和7年度税制改正の資料)。
全国でどのくらい使われているか令和6年度の実績は、寄附額631.4億円、寄附企業8,464社です。計画を策定した自治体は、令和8年4月1日時点で1,613団体です(内閣府の令和8年4月の概要資料)。
寄附したら、町の仕事や補助金が優先されるかされません。入札・許認可の便宜、補助金の交付は、禁止される見返りの例です(町のページ、内閣府の解説)。

問い合わせ先と、確認の順番

最後に、確認の順番を整理します。

順番確認すること確認先
最初自社が、青色申告の法人で、美深町以外に本社があるか自社の経理、税務署
次自社の納税額から見た、控除の見込み額顧問税理士、税務署
その次寄附したい事業、寄附額の目安、受け入れ可能な時期美深町企画商工観光課経済産業グループ地域振興係(ふるさと納税担当)、電話01656-2-1645(直通)、住所は北海道中川郡美深町字西町18番地
申出の前寄附の公表の可否、決算期との調整自社の経営層、経理、町の担当窓口
制度全般の疑問税の仕組み、見返りの扱い内閣府地方創生推進事務局、電話03-6257-1421

ProdX Crowd編集部の整理では、この制度で失敗しやすいのは、制度の中身よりも、納税額に対して寄附額が大きすぎる場合と、決算期との調整を忘れる場合の2つです。補助金を探している企業が、次の一手として検討するときは、まず納税額の確認から始めてください。補助金とは、お金の向きも、審査の有無も、期待してよいことも違う制度です。

寄附を通じて、地域との関係が生まれ、自社の事業にも波及することはあります。ただし、それは制度が約束するものではなく、見返りでもありません。地域の課題に共感できるかどうかが、この制度を使う一番の理由になります。

この制度を一言でいうと

「企業版ふるさと納税」は、美深町が実施する税制優遇です。対象の地域は美深町・北海道です。

美深町では、地方創生のさらなる推進を図るため、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」を活用した寄附を募集中です。本取組にご賛同いただける企業様からのご支援をお待ちしています。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名企業版ふるさと納税
実施機関美深町
種類税制優遇
対象地域美深町・北海道
受付期間通年(随時)で受け付けています

「企業版ふるさと納税」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域美深町・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域美深町・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

この制度の内容

区分内容
その他美深町では、地方創生のさらなる推進を図るため、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」を活用した寄附を募集中です。 / 本取組にご賛同いただける企業様からのご支援をお待ちしています。
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

「企業版ふるさと納税」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

「企業版ふるさと納税」についてのよくある質問

Q&A企業版ふるさと納税

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 企業版ふるさと納税の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(美深町・北海道)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:美深町の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。