子ども・子育て両立支援等助成金のご案内
子ども・子育て両立支援等助成金のご案内(厚生労働省)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
両立支援等助成金は、育児・介護・不妊治療などの両立を支える職場づくりを行った事業主に、取組ごとに定額で支給される助成金
子ども・子育て両立支援等助成金(厚生労働省のページ名は「両立支援等助成金」)は、雇用保険二事業のうち雇用関係助成金の一つです。仕事と育児、介護、不妊治療や女性の健康課題との両立を支える制度を就業規則等に整え、実際に労働者が使ったとき、事業主に支給されます。中小企業向けの公募型の補助金とは違い、コースごとに決まった要件を満たした取組に、決まった額が支給される作りです。窓口は、本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。
この記事は、厚生労働省の両立支援等助成金のページ、2026(令和8)年度のリーフレットと支給申請の手引き、各コースの支給要領(令和8年4月改正)、共通事項のQ&A(2026年度版)を読み、編集部が2026年10月12日に確認した内容でまとめています。金額や期限は年度ごとに変わりうるため、申請の前に厚生労働省のページで最新版を確認してください。
まず、6つのコースを一覧にします。
| コース | 支える場面 | 支給額の目安(リーフレットより) |
|---|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | 男性労働者の育児休業取得、育休取得率の上昇 | 取得1人目20万円、2・3人目10万円。取得率の上昇等は60万円 |
| 介護離職防止支援コース | 介護休業、介護両立支援制度、業務代替、介護休暇の有給化 | 介護休業40万円など。制度利用20万円または25万円。介護休暇の有給化30万円 |
| 育児休業等支援コース | 育休取得と職場復帰 | 育休取得時30万円、職場復帰時30万円 |
| 育休中等業務代替支援コース | 育休中や短時間勤務中の業務を代わる人への手当、代替要員の確保 | 手当支給は業務体制整備費と手当の4分の3。新規雇用は最短9万円から最長81万円 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 育児期の柔軟な働き方の制度整備、子の看護等休暇の有給化 | 制度3つ導入で20万円、4つ以上で25万円。有給化30万円 |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療、月経に起因する症状、更年期への対応 | それぞれ30万円(各1回限り) |
なお、事業所内保育施設コースは、平成28年4月から新規計画の認定申請の受付を停止しており、2026年度の手引きでも扱われていません。
申請できるのは、どんな事業主か
コースによって、対象が「中小企業事業主」か「特定事業主」かが分かれます。まず、手引きに示された、中小企業事業主の範囲です。資本金等の額か、常時雇用する労働者の数の、どちらかが基準以下であれば当てはまります。
| 業種 | 資本金または出資の総額 | 常時雇用する労働者数 |
|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
出生時両立支援コースの「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」だけは、中小企業事業主ではなく特定事業主が対象です。特定事業主は、資本金等が基準以下、または常時雇用する労働者が300人以下の事業主を指します。小売、サービス、卸売の資本金基準は中小企業事業主と同じですが、労働者数は一律300人です。育休中等業務代替支援コースの手当支給等にも、企業規模の要件がありません(リーフレットの注記)。
次に、コース共通の要件です。
| 共通の要件 | 内容 |
|---|---|
| 雇用保険の適用 | 雇用保険適用事業所の事業主。申請日と支給決定日の時点で雇用保険被保険者がいること |
| 事業主単位の支給 | 事業所単位ではなく、法人または個人事業主の単位で支給される |
| 就業規則等への規定 | 育児休業や短時間勤務などの制度を、就業規則や労働協約に具体的に規定する。育児・介護休業法に準拠するとだけ書くのでは足りない(支給要領) |
| 常時10人未満の事業主 | 就業規則の作成や届出がない場合は、制度が明文化され、労働者に周知されていること |
| 一般事業主行動計画 | 出生時、育児休業等、育休中等業務代替、柔軟な働き方の各コースは、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定し、労働局に届け出て、公表と周知をしていること。申請日までに行われている必要がある。プラチナくるみん認定を受けた事業主は不要 |
| 法令違反がないこと | 申請日前日から1年前までの間に、育児・介護休業法などの重大な違反がない。育児・介護休業法違反で助言または指導を受けて是正していない場合は対象外 |
| 審査への協力 | 書類の整備と保管、労働局の求めに応じた提出、実地調査の受け入れ |
共通事項のQ&Aに、見落としやすい点が出ています。法を上回る運用をしても、就業規則等に規定がなければ対象にならないこと(共2)、「会社が認めた場合には育児休業を延長できる」のように、対象になるかを労働者が事前に判断できない規定は対象にならないこと(共4)、規定上は無給なのに実際は全額支給していた場合は有給とする規定整備が必要なこと(共5)です。行動計画の届出だけして、実際には計画を策定していない場合は不支給で、虚偽の申請は不正受給にあたります(共10)。
男性の育休取得を支える出生時両立支援コースは、どう支給されるのか
このコースは2つの場合に支給されます。
| 場合 | 事業主の区分 | 要件の要点 | 支給額 |
|---|---|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得 | 中小企業事業主 | 雇用環境整備の措置を複数実施。育休取得者の業務を代わる人の業務見直しなどを定めた規定を作り、業務体制を整備。対象労働者が子の出生後8週間以内に育休を開始し、1人目は連続5日以上、2人目は10日以上、3人目は14日以上取得 | 1人目20万円(措置を4つ以上実施した場合は30万円)、2人目10万円、3人目10万円 |
| 男性労働者の育児休業取得率の上昇等 | 特定事業主 | 取得率が前事業年度から30ポイント以上上がり、かつ50%以上。または、前々事業年度に配偶者が出産した男性が5人未満の場合、直近2事業年度の取得率がいずれも70%以上 | 60万円(プラチナくるみん認定を受けていれば15万円を加算)。1事業主1回限り |
雇用環境整備の措置は、育休に関する研修の実施、相談体制の整備、取得事例の収集と提供、制度と取得促進の方針の周知、業務の配分や人員配置の措置のうちのいずれかです。1人目は2つ以上、2人目は3つ以上、3人目は4つ以上が必要です。出生時育児休業の申出期限を2週間前より長く設定している場合は、それぞれ1つずつ多く必要になります。
「出生後8週間以内」は、子の出生日当日を含む57日間です。出産予定日より前や後に生まれた場合の取り扱いも、支給要領に定められています。
申請期限は、取得の場合は育児休業の終了日の翌日から2か月以内です。取得率の上昇等は、要件を満たした事業年度の翌事業年度の開始日から6か月以内です。
金額の計算例(仮の数字)
| 場面 | 計算 |
|---|---|
| 1人目の男性社員が5日以上の育休を取得、措置を2つ実施 | 20万円 |
| 同じく措置を4つ以上実施していた場合 | 30万円 |
| 前事業年度の取得率が40%で、今年度70%に上昇(資料の例) | 60万円 |
| 上昇等の申請時にプラチナくるみん認定を受けている場合 | 60万円に15万円を加算し75万円 |
| 情報公表加算も使う場合 | 上記に2万円を加算 |
同じ男性労働者の同じ育休について、育児休業等支援コースの育休取得時との併給はできません。取得の申請を行った事業主は、取得率の上昇等を同じ事業年度に申請できない決まりもあります。
育児休業等支援コースは、育休の取得時と職場復帰時に30万円ずつ
労働者の育休取得と職場復帰を、プランにもとづいて支えた中小企業事業主に支給されます。
| 段階 | 要件の要点 | 支給額 | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| 育休取得時 | 育休と職場復帰を支援する方針を就業規則等で定めるか文書で全労働者に周知。妊娠の事実を把握した後、育休開始日の前日までに本人と面談し「育休復帰支援面談シート」に記録、プランを作成。業務の引き継ぎを実施し、連続3か月以上の育休を取得 | 30万円 | 育休(または産後休業)の開始日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内 |
| 職場復帰時 | 育休中に職務や業務の情報、資料を提供。育休終了前に上司または人事労務担当者が面談して記録。原則として原職等に復帰させ、復帰後6か月以上継続雇用 | 30万円 | 育休終了日の翌日から6か月を経過した日の翌日から2か月以内 |
対象は、1事業主あたり、有期雇用労働者1人、無期雇用労働者1人の計2人までです。判定はプランの策定日で行います。職場復帰時は、同じ労働者の育休取得時が対象になった場合のみ申請できます。復帰後6か月の間は、就業を予定していた日数のうち実際に就業した日数が5割に満たないと対象外です。有給休暇や育児休業などの法に基づく休業は就業したものとみなされます。
この要件の6か月間は、雇用形態や給与形態の不合理な変更を行っていないことも条件です。復帰後に有期契約へ切り替えた場合などは、対象外になります。
育休中等業務代替支援コースは、業務を引き受ける同僚への手当を支える
育休や短時間勤務の人の業務を、同僚が代わりに担うとき、その同僚に手当を出したり、代替要員を雇ったりした事業主を支援するコースです。3つの種別があります。
| 種別 | 支援の対象 | 支給の考え方 |
|---|---|---|
| 手当支給等(育児休業) | 育休取得者の業務を代わる労働者に手当を支給 | 業務体制整備経費と、手当総額の4分の3 |
| 手当支給等(短時間勤務) | 育児のための短時間勤務者の業務を代わる労働者に手当を支給 | 業務体制整備経費と、手当総額の4分の3 |
| 新規雇用(育児休業) | 育休取得者の代替要員を新規雇用または派遣で受け入れ | 代替期間に応じた定額 |
手当支給等の要件の要点は、次のとおりです。
| 要件 | 内容(支給要領より) |
|---|---|
| 業務の見直し | 代替業務について、業務の一部休止や廃止、手順や工程の見直しによる効率化、マニュアル作成による標準化のいずれかを検討し、様式に結果を記録する |
| 面談 | 業務代替者の上司または人事労務担当者が、代替業務の内容と賃金について面談で説明する |
| 賃金制度 | 業務代替手当などの賃金制度を、業務代替期間の開始日までに就業規則等に規定する。労働時間に応じて支払う残業代そのものは、手当に当たらない |
| 手当の額 | 業務代替期間に、業務代替者全員の賃金が総額で月1万円以上増額されている(期間が1か月に満たない場合は、1日500円と比べて低いほう) |
| 休業期間 | 育児休業が7日以上。1か月以上と1か月未満で支給額が分かれる |
育休が1か月以上の場合の金額は、次のとおりです。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 業務体制整備経費 | 1事業主の1人目の対象者について1回限り6万円。業務見直しと就業規則等の見直しに関する労務コンサルティングを、社会保険労務士等の外部の国家資格者に委託した場合は20万円 |
| 手当に要する経費(休業取得時) | 育休のはじめの1か月に、業務代替者全員へ支給した手当総額の4分の3。上限は10万円 |
| 手当に要する経費(職場復帰時) | 業務代替期間(24か月が上限)に支給した手当総額の4分の3。月10万円が上限(リーフレットの最大240万円はこの上限の24か月分) |
| 有期雇用労働者加算 | 対象の育休取得者が有期雇用労働者の場合に10万円を加算 |
| プラチナくるみん認定 | 認定を受けている場合、手当の支給割合が4分の3から5分の4に |
育休が7日以上1か月未満の場合は、業務体制整備経費が2万円(外部の資格者に委託した場合は20万円)、手当総額の4分の3(上限10万円)です。
手当の4分の3を使った計算例(仮の数字)
仮に、同僚2人に、育休の期間中、合計で月8万円の代替手当を支給したとします。月1万円以上の増額という要件は満たしています。育休は6か月で、社内で整備経費を自前で処理する場合です。
| 時期 | 計算(仮の数字) | 金額 |
|---|---|---|
| 休業取得時 | 業務体制整備経費6万円+手当8万円×4分の3=6万円 | 12万円 |
| 職場復帰時 | 残り5か月の手当40万円×4分の3 | 30万円 |
| 合計 | 12万円+30万円 | 42万円 |
この例では、手当の総額は8万円×6か月で48万円です。そのうち4分の3の36万円に、整備経費の6万円を足した42万円が助成金の額になります。実際の金額は、手当の支給実績、期間の数え方、月10万円の上限で決まります。
新規雇用(育児休業)は、代替要員を確保し、業務を代替した期間に応じて、次の額が支給されます。プラチナくるみん認定を受けている場合は、右の列の額です。
| 業務代替期間 | 支給額 | プラチナくるみん認定の場合 |
|---|---|---|
| 7日以上14日未満 | 9万円 | 11万円 |
| 14日以上1か月未満 | 13万5千円 | 16万5千円 |
| 1か月以上3か月未満 | 27万円 | 33万円 |
| 3か月以上6か月未満 | 45万円 | 55万円 |
| 6か月以上1年未満 | 67万5千円 | 82万5千円 |
| 1年以上 | 81万円 | 99万円 |
たとえば、育休中の人の代替として派遣の方を4か月受け入れた場合は、45万円という見方になります(仮の事例)。有期雇用労働者が育休を取る場合は、10万円の加算もあります。
このコースには、人数の上限があります。1年度につき、手当支給等と新規雇用を合わせて、1事業主あたり対象労働者のべ10人までです。初回の受給から5年間、支給申請ができます。くるみん認定などを受けている場合は、1年度の上限人数が変わる定めもあるため、手引きで確認してください。
申請期限は、手当支給等(育児休業が1か月以上)なら、育休期間の初日から1か月を経過した日の翌日から2か月以内に休業取得時分を申請します。その後、育休が1年を超える場合は1年を経過した日の翌日から2か月以内、そうでなければ育休の最終日の翌日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内に、職場復帰時分を申請します。短時間勤務では、手引きにA、B、C、D、Eの5つの申請パターンが示されています。
介護離職防止支援コースは、介護休業、両立支援制度、代替、休暇の有給化の4本立て
| 種別 | 要件の要点 | 支給額 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 休業の取得と職場復帰を支援する方針を周知。家族の要介護の事実を把握後、休業開始前に面談して「仕事と介護の両立支援プラン」を作成。連続5日以上の介護休業を取得し、復帰後も継続雇用 | 40万円。所定労働日に対する休業が連続15日以上なら60万円。1事業主5人まで |
| 介護両立支援制度 | 時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、フレックスタイム、介護サービス費用補助のいずれかを導入し、プランを作って、合計20日以上利用(費用補助は6か月の間に、労働者負担の5割程度以上または10万円以上を補助) | 制度1つ導入で20万円(利用60日以上で30万円)、2つ以上導入で25万円(利用60日以上で40万円)。5人まで |
| 業務代替支援 | 介護休業取得者の代替要員を新規雇用または派遣で確保。または業務を代わる人に手当を支給 | 新規雇用20万円、手当支給は介護休業の代替で5万円、介護短時間勤務の代替で3万円(リーフレット) |
| 介護休暇の有給化 | 有給の介護休暇制度を導入し、利用方針を周知し、労働者が一定基準以上利用 | 30万円。10日以上の有給とする場合は50万円。1事業主1回限り |
| 加算 | 有期雇用労働者が対象の場合、介護休業や介護両立支援制度の支給額に加算 | 10万円(1回限り)。環境整備の4つの取組(研修、相談体制、事例の提供、方針の周知)をすべて実施した場合も10万円を加算 |
介護休業の申請期限は、休業終了日の翌日から3か月を経過した日の翌日から2か月以内です。介護両立支援制度は、合計20日(または60日)を経過した日の翌日から1か月を経過した日の翌日から2か月以内、費用補助は利用期間が6か月を満たす日の翌日から1か月経過後の翌日から2か月以内と示されています。
柔軟な働き方選択制度等支援コースは、制度を3つ以上そろえるのが入り口
育児期の労働者のために、次のうち3つ以上の柔軟な働き方の制度を導入し、労働者が利用すると支給されます。
| 制度 | 利用実績として求められること(支給要領より) |
|---|---|
| フレックスタイム、時差出勤 | 所定の日数以上の利用(詳細は要領で確認) |
| 育児のためのテレワーク等 | 利用実績を業務日報等で確認できること。利用開始前の1か月に、通算5回以上または所定労働日数の2割以上のテレワークをしていないこと |
| 柔軟な働き方を実現する短時間勤務 | 合計20日以上の利用。時間当たりの基本給等が利用前より下がっていない。雇用形態を変更していない |
| 保育サービスの手配と費用補助 | 制度利用開始から6か月の間に、労働者負担の5割程度以上(事業主負担3万円以上)または10万円以上を補助 |
| 養育両立支援休暇 | 利用開始から6か月の間に20時間以上 |
支給額は、制度を3つ導入した場合は制度利用者1人あたり20万円、4つ以上導入した場合は25万円です。1事業主5人までです。制度利用開始から6か月を経過した日の翌日から2か月以内に申請します。事業主は、制度の利用方針を周知し、労働者との面談とプランの作成も行います。
もう一つの類型が、子の看護等休暇の有給化です。次の条件をすべて満たす制度を、令和8年4月8日以降に就業規則等に規定する必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 有給 | 年次有給休暇とは別に、年次有給休暇を取得した場合と同等の賃金が支払われる |
| 日数 | 一の年度に10労働日以上付与 |
| 時間単位 | 時間単位で取得でき、始業から連続せず終業まで連続しない取得も認める |
| 所定労働時間 | 1日の所定労働時間を変更せずに利用できる |
そのうえで、9歳に達する日以後の最初の3月31日までの子について、10時間以上利用した被保険者がいることが要件です。支給額は30万円(1事業主1回限り)です。
加算には、制度利用期間の延長加算(中学校修了前の子まで拡大した場合、20万円)、障害児等要配慮支援加算(18歳になる年度末まで拡大した場合、20万円)、情報公表加算(2万円)があります。
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは、3つの場面で30万円ずつ
| 場面 | 要件の要点 | 支給額 |
|---|---|---|
| 不妊治療 | 休暇、短時間勤務、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム、在宅勤務等の制度を就業規則等に規定。制度の利用開始日の前日までに、両立支援担当者を選任。対象労働者が、所定労働日で合計5日(回)以上利用(利用開始から1年以内) | 30万円(1事業主1回限り) |
| 月経に起因する症状への対応 | 同様に、支援制度を規定し担当者を選任。5日(回)以上利用 | 30万円(1回限り) |
| 更年期に起因する症状への対応 | 同様に、支援制度を規定し担当者を選任。5日(回)以上利用 | 30万円(1回限り) |
支給要領によれば、3つの場面は同じ年度のうちにそれぞれ受給できます。ただし、過去に旧コースの不妊治療両立支援コースを受給した中小企業事業主は、不妊治療の場面では受給できません。短時間勤務を使う場合は、時間当たりの基本給等が下がらないこと、正規雇用から別の雇用形態に変更されていないことが求められます。出勤簿の押印だけで出退勤を管理していて、時間が書面で確認できない場合は、対象外になる制度があります。
申請期限は、制度の利用が合計して5日を経過した日の翌日から2か月以内です。
育児休業等に関する情報公表加算は、どう使うのか
出生時、育児休業等、育休中等業務代替、柔軟な働き方の各コースには、育児休業等に関する情報を公表した事業主に、2万円を加算する仕組みがあります。1事業主につき、コースごとに1回です。加算だけの受給はできず、本体の助成金が不支給になれば加算も出ません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表する場所 | 厚生労働省の「両立支援のひろば」の一般事業主行動計画公表サイト。自社サイトでの公表は対象にならない |
| 公表する情報 | 男性労働者の育児休業等の取得割合、女性労働者の育児休業の取得割合、育児休業の平均取得日数(男女別) |
| 公表する期間 | 申請日から支給決定日まで。支給決定後も、少なくとも申請事業年度の終了までは公表を続ける |
| 申請のタイミング | 各コースの本体の申請と同時 |
申請から支給まで、実務はどう進むのか
| 段階 | やること |
|---|---|
| 準備(取組の前) | 就業規則等の整備、行動計画の策定と届出、プランの作成、面談、環境整備の措置など。多くの要件が、休業や制度利用の開始日の前日までの実施を求める |
| 取組の実施 | 休業や制度の利用、手当の支給、代替要員の確保 |
| 申請 | 各コースの申請期限内に、本社等を管轄する労働局に支給申請書を提出する。電子申請が可能 |
| 補正 | 書類に不備があれば、労働局から補正を求められる。補正期間は1週間(Q&A共1) |
| 決定 | 支給または不支給の通知。不支給の決定には行政不服審査法の不服申立てはできない(共16) |
| 保存 | 提出した書類の写しなどは、支給決定から5年間保存する |
電子申請は、雇用関係助成金ポータルで令和5年6月26日から受け付けています。手引きは、郵送の場合、簡易書留などの記録が残る方法で送り、申請期間の末日までに労働局に到達している必要があるとしています。
申請の代行について、共通Q&A(共14)は、両立支援等助成金の申請手続きは、社会保険労務士法の提出代行や事務代理にあたり、社会保険労務士以外が業として行うことはできず、行政書士は代行できないと答えています。手引きも、代理人による申請では、身分を証明できるものを提示するよう求めています。
申請期限を、コースごとに整理する
| コース・種別 | 申請期限の起点 | 期間 |
|---|---|---|
| 出生時(取得) | 育休の終了日の翌日 | 2か月以内 |
| 出生時(取得率の上昇等) | 要件を満たした事業年度の翌事業年度の開始日 | 6か月以内 |
| 育児休業等支援(育休取得時) | 育休(または産後休業)の開始日から3か月を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
| 育児休業等支援(職場復帰時) | 育休終了日の翌日から6か月を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
| 育休中等業務代替(手当、1か月以上の育休、休業取得時) | 育休期間の初日から1か月を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
| 育休中等業務代替(手当、7日以上1か月未満の育休) | 育休期間の最終日の翌日 | 2か月以内 |
| 介護離職防止(介護休業) | 休業終了日の翌日から3か月を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
| 柔軟な働き方選択制度 | 制度利用開始日から6か月を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
| 不妊治療・女性の健康課題 | 制度の利用が合計5日を経過した日の翌日 | 2か月以内 |
期限は「翌日から2か月以内」と短いのに、起点は取組の段階ごとに違います。休業の予定が決まった時点で、申請の起点日をカレンダーに入れておく運用が確実です。
併給や不支給、返還で気をつけることは何か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 併給の調整 | 同じ労働者、同じ取組、同じ経費負担を対象に、2つ以上の助成金が同時に申請されると、双方の要件を満たしても一方しか支給されないことがある。出生時コース(取得)と育児休業等支援コース(育休取得時)は、同じ育休で併給できない |
| 労働保険料 | 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納めていない事業主は受給できない(申請日の翌日から2か月以内に納付した場合を除く) |
| 労働関係法令の違反 | 申請日前日から1年前までの間に、労働関係法令の違反を行い送検された事業主は受給できない |
| 不正受給 | 偽りその他不正の行為で受給した場合、支給した助成金の全部または一部の返還を求められる。他の雇用保険二事業の助成金も含め、5年間、支給を受けられなくなることがある。重大または悪質な場合は事業主名などが公表される。延滞金(年3%)と返還額の20%相当額も請求される |
| 虚偽の記載 | 支給申請書等に事実と異なる記載や証明をした事業主は受給できない(軽微な誤りとして労働局が認める場合を除く) |
向いている会社と、慎重に考えたほうがよい会社
| 向く会社 | 慎重に考えたほうがよい会社 |
|---|---|
| 育休や介護休業の取得者が出る見込みがあり、就業規則を整えたい会社 | 就業規則や行動計画が未整備で、取組の開始日までに整備できない会社 |
| 業務を引き受ける同僚へ手当を出す予定があり、賃金制度を規定できる会社 | 手当や代替要員の実績がなく、制度だけ作る予定の会社(多くのコースは実際の利用が支給の条件) |
| 男性の育休取得を進めていて、取得率の数字を追っている会社 | 休業の取得者や制度の利用者が見込めず、要件の実績が作れない会社 |
| 社会保険労務士など、労務の専門家と連携できる会社 | 書類の整備や保管、実地調査への対応が難しい会社 |
| 求人や定着の面で、両立支援の取組を社内外に示したい会社 | 重大な法令違反があり、不支給要件に当たりうる会社 |
申請でつまずきやすい点
| つまずきやすい点 | 対処 |
|---|---|
| 休業開始後に規定やプランを作ってしまう | 多くの要件が休業開始日の前日までの実施を求める。妊娠や要介護の事実を把握した時点で、面談とプランの作成を始める |
| 就業規則に「法に準拠」とだけ書く | 手続きや賃金の取扱いを具体的に規定する。厚生労働省の規定例を参考にする |
| 行動計画を届け出ただけで、中身を作っていない | 申請日までに、策定、届出、公表、周知を行い、申請日が計画期間内に入るようにする |
| 手当が残業代と区別できない | 職務内容や業務内容を評価する手当として、賃金制度に規定する |
| 申請期限の起点を誤る | コースと種別ごとに起点が違う。上の表で確認する |
| 代替要員の勤務実態が確認できない | 在宅勤務は、業務日報等で勤務日と始業終業時刻が確認できる日に限り就労と扱われる |
| 情報公表を自社サイトで済ませる | 両立支援のひろばの公表サイトで公表する |
よくある質問
| 質問 | 答え(厚生労働省の資料より) |
|---|---|
| どこに申請するか | 本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室) |
| 電子申請はできるか | できる。雇用関係助成金ポータルで受け付けている |
| 口頭で休業の申出があっただけでも対象になるか | 原則は休業申出書の写しが必要。口頭で認めた場合は、同内容の申立書を作成して提出できる(共7) |
| 産後パパ育休と通常の育休が連続した場合、期間を通算できるか | 出生時育児休業のみ、通常の育休のみ、または両者を一体として算出できる。事業主が選べる(共9) |
| 在籍出向者はどちらの労働者になるか | 雇用関係は原則として出向元にあるとみなされる(共12) |
| 会社が合併した場合の継続就業期間は | 権利義務が包括的に承継されれば、原則として引き続き就業しているものとして算定する(共13) |
| 国外の病院の出産証明書は使えるか | 使える(共15) |
| 申請書類は何年保存か | 支給決定から5年間 |
どこに確認すればよいか
| 確認したいこと | 確認先 |
|---|---|
| 最新の制度内容、支給要領、様式、Q&A | 厚生労働省ホームページの「両立支援等助成金のご案内」のページ |
| 詳しい支給要件、申請の手続き | 本社等を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) |
| 雇用関係助成金に共通の要件 | 厚生労働省の「雇用関係助成金に共通の要件等」のページ |
主な労働局の電話番号です(手引きより。その他の県は、手引きの一覧で確認してください)。
| 労働局 | 電話番号 |
|---|---|
| 北海道 | 011-788-7874 |
| 宮城 | 022-299-8844 |
| 東京 | 03-6893-1100 |
| 愛知 | 052-857-0313 |
| 大阪 | 06-6941-4630 |
| 福岡 | 092-411-4717 |
編集部の見立て
この助成金は、「取組をやって、使われて、証拠がそろった」ときに支給される性格です。採択を競う補助金と違い、要件を満たしていれば支給対象になりうる一方、要件の多くが「休業の開始前」「申請日までに」といった時間の縛りを持ちます。したがって、休業の申出を受けてから慌てるより、就業規則、行動計画、面談シートの様式を、先に整えておく会社のほうが、取りこぼしが少なくなります。コースを組み合わせるときは、同じ育休に対する併給の可否を確認しつつ、情報公表加算のように、コースごとに1回使える加算を忘れずに使う、という順序で考えると整理しやすくなります。
この制度を一言でいうと
「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」は、厚生労働省が実施する補助金・助成金です。対象の地域は全国です。
※育休中等業務代替支援コースは、「 こども未来戦略 」(令和5年12月22日閣議決定)による「共働き・共育ての推進」の取組の1つとして実施しています。 仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等のみなさまへ 助成金の詳細、支給申請についての問い合わせ先 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)[129KB]
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 子ども・子育て両立支援等助成金のご案内 |
|---|---|
| 実施機関 | 厚生労働省 |
| 種類 | 補助金・助成金 |
| 対象地域 | 全国 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域全国
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 全国 |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 雇用 | 人件費に関する項目があります。対象になる人の範囲(新規採用者のみ、など)と、計算の方法が決まっていることが多いので、算定の方法を、先に確認します。 |
「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 申請計画書・見積書を提出
- 審査1〜3か月
- 交付決定ここから発注できる
- 発注・実施期間内に支払いまで
- 実績報告証拠書類を提出
- 検査・確定補助額が決まる
- 入金お金が入るのは最後
発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。
「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」についてのよくある質問
Q&A子ども・子育て両立支援等助成金のご案内
Q. 子ども・子育て両立支援等助成金のご案内の受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(全国)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:厚生労働省の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
補助金・経営支援顧問