対象経費から探す
システム導入・開発に使える補助金|経費の種類ごとの対象可否
開発費・ソフト購入・クラウド利用料・保守・導入支援は、どの補助金なら対象か。実在の8制度を、対象者・補助率の考え方・手続きまで比べます。
ProdX Crowd編集部/公開 2026-10-15/更新 2026-10-15
システムの導入に補助金を使いたいのですが、見積書の項目ごとに対象かどうかを知りたいです。
それが一番まっとうな確かめ方です。「システム補助金」という一つの制度があるわけではなく、制度ごとに「ソフトの購入は対象」「作り込みは対象」「PCは対象外」と線の引き方が違います。この記事では、公式ページと公募要領の記載で確かめられた8つの制度を並べて、経費の種類ごとに「対象になりやすい」「なりにくい」「制度ごとに分かれる」を整理します。金額や締切は回ごとに変わるので、本文には固定せず、各制度のページへご案内します。
比べる制度は、どんなものですか。
全国の制度が3つ、都道府県の制度が5つです。全国は、デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」、中小企業省力化投資補助金(一般型)、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金。地域の制度は、東京都のデジタル導入促進補助事業、山口県のDXツール導入型補助金、秋田県のデジタル化導入支援事業費補助金、愛媛県のDXはじめの一歩補助金、宮崎県の木の建築DXツール導入支援事業です。お住まいの地域の制度が見つかるかは、制度一覧でも調べられます。
まず、買うものを三つに分ける
見積書を見るとき、最初に何を見ればよいですか。
買うものを三つに分けてください。既製のソフトやクラウドを使う契約、自社専用に作り込む開発、そして機器(PCやタブレットなど)です。たとえば東京都の制度は、公社のページに「新たに導入するクラウド型会計ソフト、業務自動化ツール」を対象例、「ハード機器(PC、タブレット端末等)及び汎用性の高いソフトウェア」を対象外と書いています。同じ見積書の中でも、この三つで扱いが分かれるのが普通です。
三つの種類で、制度の向き不向きはありますか。
あります。既製のソフトやクラウドは、通常枠や、東京・山口・秋田のようなツール導入型が向いています。作り込みの開発は、省力化投資の一般型、新事業進出・ものづくり、愛媛のように「システム構築費」を明記している制度が候補です。機器は、ほとんどの制度で「単体では対象外、ソフトと一体なら条件つき」という扱いです。
制度を、対象者と経費で比べる
8つの制度を、ひと目で比べられますか。
対象者と、システム関連で書かれている経費の中心を、表にします。詳細は各制度のページと公式ページで確かめてください。
| 制度 | 対象者 | システム関連の経費の中心 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金(通常枠) | 中小企業・小規模事業者等 | ソフト購入、クラウド利用料、導入設定・研修、保守 |
| 省力化投資補助金(一般型) | 人手不足に取り組む中小企業等 | 設備とシステムの組み合わせ |
| 新事業進出・ものづくり | 新製品・新サービス・新市場に取り組む事業者 | 機械装置・システム構築費、クラウド利用費など |
| 東京都デジタル導入促進 | 都内の中小企業者等(会社・個人事業主・団体) | ツール本体、初期設定、カスタマイズ、運用・保守 |
| 山口県DXツール導入型 | 県内に事業所のある中小企業者(農林漁業を除く) | ソフト購入・クラウド利用料、初期導入費 |
| 秋田県デジタル化導入支援 | 県内に拠点があり、1年以上の事業実績のある中小企業者 | 業務ソフト、POS、ネット注文、セキュリティなど |
| 愛媛県DXはじめの一歩 | DX認定を取得済み、または申請済みの県内中小企業者等 | システム構築費、クラウド利用料、専門家経費など |
| 宮崎県 木の建築DXツール | 木の建築推進協議会の会員、またはプレカット事業者 | BIM等のソフト、ライセンス、クラウド、保守、講習 |
通常枠と省力化投資の一般型は、どう使い分けますか。
新事業進出・ものづくり補助金では、システムはどう扱われますか。
公式サイトの経費一覧に「機械装置・システム構築費」があり、必須の区分とされています。クラウドサービス利用費や外注費なども並びますが、前提は、新しい製品・サービスの開発や新市場への進出です。社内の事務を楽にするだけのシステムは、趣旨と合いにくい点にご注意ください。
経費の種類ごとの目安
ソフトの購入費は、対象になりやすいですか。
なりやすい経費です。通常枠、東京都、山口県、秋田県、宮崎県のいずれも、ソフト購入またはライセンス費を対象に挙げています。ただし条件があります。通常枠は、業務プロセスを備えたソフトを求め、汎用的なプロセスだけのソフトは単体では使えないとしています。東京都も、OSやセキュリティソフト、表計算・文書作成ソフトなど、汎用性の高いソフトは対象外です。「業務のどの工程を置き換えるか」を言えるソフトかどうかが分かれ目です。
クラウドの月額利用料はどうですか。
対象になる制度が多いものの、期間の切り方が制度ごとに違います。通常枠は最大2年分です。秋田県は、1年払いなどで一括払いした場合も、補助対象期間(令和8年11月1日~令和9年2月28日)の分だけが対象で、その分を自分で算出して申請書に書く形です。宮崎県も、サブスクの料金は契約日から年度末の2月末までの費用のみです。山口県は、クラウド型の場合の補助対象経費に、ソフトウェア・クラウド利用料と初期導入費を挙げています。契約が年額なら、期間をどう切るかを必ず確かめてください。
保守や、導入時の設定・研修は、対象ですか。
制度ごとに分かれます。通常枠は、導入設定・研修、保守サポートを役務の区分に置いています。東京都は、初期設定、カスタマイズ、運用・保守サポートを「関連経費」として挙げています。宮崎県は、保守費用を、申請するソフトの利用範囲内で、契約日から2月末までの分だけ対象にします。講習の費用も対象です。見積書では、本体・設定・研修・保守を別の行に分けてもらうと、制度ごとの線引きに合わせやすくなります。
自社専用の開発費は、対象になりますか。
対象にする制度としない制度があります。対象に近いのは、先ほどの省力化投資の一般型と新事業進出・ものづくり、そして愛媛県です。愛媛県の公式ページに連なる募集資料では、補助対象経費に、機械装置費、システム構築費、専門家経費、外注費、クラウドサービス利用料などが並びます。ただし、愛媛県は、DX認定を取得済みか申請済みであることが対象者の条件です。認定を取る過程で作った経営ビジョンやDX戦略を実現する事業、という前提もあります。既製ツールの導入に特化した東京都や山口県は、作り込みの開発を前提にしていません。
PCやタブレットなどの機器は、含められますか。
多くの制度で単体では難しく、ソフトとの組み合わせなら条件つきで認められる、という形です。東京都は、PC・タブレットは対象外ですが、設備の稼働状況を可視化するソフトなどに必要な専用の接続機器は、助成対象に含められる場合があるとしています(その場合は機器部分に上限が別にかかります)。秋田県は、パソコンやタブレットを、ソフトと組み合わせて専ら事業に使う場合に限って対象とし、ハードだけの申請はできません。宮崎県は、PC等のハードウェアを対象外と明記しています。
対象者・補助率・手続きの違い
補助率や上限は、どう考えればよいですか。
金額はこの記事に固定しませんが、「考え方」の違いは押さえておくと役立ちます。東京都の公社のページは、助成対象経費の2分の1以内、ただし小規模企業者または環境負荷軽減に資するツールを導入する場合は3分の2以内、と書いています。山口県の募集ページは、補助率を2分の1以内としています。秋田県の募集ページは、補助率2/3以内と、上限と下限の両方を定めています。愛媛県の資料は、2分の1以内と3分の2以内の両方が出てきます。つまり、同じ「ツール導入」でも、事業者の区分や枠で率が変わります。実際の上限額や下限額は、募集ごとに変わりうるので、必ず各制度のページと公募要領で確かめてください。
手続きで、見落としやすい違いはありますか。
三つあります。一つ目は、発注のタイミングです。宮崎県は、交付決定後に契約したものに限ると書いています。秋田県は、補助対象期間内に発注・契約・納品・支払い、事業報告書の提出まで済ませる必要があるとしています。二つ目は、申請の方法で、秋田県は郵送などでの応募、山口県は財団への提出と、窓口が違います。三つ目は、事前の条件です。愛媛県のDX認定のように、取得に時間がかかるものがあります。見積を取ってから制度を探すより、制度の条件を見てから見積を取るほうが、手戻りが少なくなります。
東京都の制度で、注意することはありますか。
公社のページに、不正な申請への注意が目立つ形で載っています。申請事業者自身による申請(または法令上認められる一部の士業等による申請)のみで、第三者の「申請を代行します」「キャッシュバックがあります」といった勧誘には注意するよう呼びかけています。また、公社は個別の製品やベンダーを認定していない、とも書いています。「この製品なら対象です」という営業トークは、そのまま鵜呑みにせず、公式の募集要項で確かめてください。
支援事例から、自社に引き寄せて考える
実際に、システム導入で補助金を活用した例はありますか。
本サイトの事例から、二つ紹介します。一つ目は、農業機械の部品づくりから組み立てまでを手がけるメーカーの事例です。紙の帳票と古いシステムに散らばっていた発注や生産の情報を、一つのシステムにまとめ直しました。生産管理システムを新しくし、販売・仕入の管理と連携させる取り組みで、導入には公的な補助金などを活用しています。この形は、既製ツールの導入というより、既存の業務に合わせた構築に近いので、先ほどの分類では、作り込みを対象にする制度のほうを先に見る場面です。
二つ目は、人材育成や営業の代行などを請け負う会社の事例です。社員と外部の協力者の働いた時間を、別々の表計算ファイルで管理していた手間とミスを、一つのクラウドの仕組みにまとめて減らしました。導入費用には公的な補助金などを活用しています。クラウド型の仕組みなので、利用料をどの期間まで補助対象にできるかが、制度選びの焦点になります。
加えて、金属の表面処理の会社が、問い合わせから請求までを基幹システムでつないだ事例もあります。補助金の活用までは記載していませんが、システムでつなぐ範囲を、受発注と進捗に絞って始めた点は、見積の範囲を決めるときの参考になります。
自社に当てはめるとき、どう考えればよいですか。
ご自身の見積書で、次を確かめてみてください。まず、主な経費が既製ソフトやクラウドなのか、作り込みなのかを決めます。既製なら、ツール導入型の制度(通常枠、地域のデジタル導入系)を先に見て、ソフトが業務プロセスを備えているかを確かめます。作り込みなら、省力化投資や、DX認定を前提にする制度を見ます。そのうえで、機器や汎用ソフトが混じっていれば、別の見積に分けてもらいます。事例のように、複数の工程をまとめて入れ替える計画なら、一部だけを補助対象にして、残りは自己資金で進める、という整理もあります。
自社で使えるかを確かめる手順
最後に、確かめる順番を教えてください。
まず、見積を、ソフト、クラウド利用料、設定・研修、保守、開発、機器に分けます。次に、事業所のある地域の制度と全国の制度を、本サイトの制度一覧で探し、上の表で対象者の条件に当てはまるかを見ます。それから、公式ページと公募要領で、交付決定前の発注の扱い、クラウド利用料の期間の切り方、見積書の求められ方を確かめます。申請にGビズIDが必要な制度は、早めの準備が安心です。取得の流れはGビズIDの記事にあります。対象経費の見方は補助金の対象経費の見方、発注前の注意は発注前に確認したいこと、設備と一体のシステムは省力化投資の記事で説明しています。
この記事の情報は、いつ時点のものですか。
2026年10月15日時点で、公式ページと公募要領から確かめられた範囲です。募集の有無、補助率、上限額、締切は更新されるので、必ず各制度のページと公式サイトの最新情報でご確認ください。制度ページでも、募集中かどうかを確認できます。この記事の末尾にも、題名が近い制度が自動で並びます。
いま確認できる制度
金額・期限・対象は変わるため、各制度のページで最新の情報をご確認ください。
- 募集中【4次募集のお知らせ】中小企業デジタル化導入支援事業費補助金秋田県
- 対象者
- 秋田県内に事業拠点を有し、かつ秋田県内で1年以上事業実績がある中小企業者
- 対象経費
- デジタルツールやITソリューションの導入により、業務効率化や生産性向上、経営基盤の強化に資する事業
- 補助率
- 補助率 2/3以内 等
- 上限額
- 下限30万円 ~ 上限100万円
- 募集中安来市中小企業者等デジタル化支援事業費補助金安来市
- 対象者
- 市内にから本社又は主たる事業所を置く中小企業者・個人事業主 で下記に該当すること。
- 対象経費
- 市内にから本社又は主たる事業所を置く中小企業者・個人事業主 で下記に該当すること。 者
- 補助率
- 補助対象経費の2分の1(千円未満切り捨て)
- 上限額
- 上限100万円、下限10万円
- 募集中広島県宿泊税システム整備費補助金について広島県
- 対象者
- 宿泊税の徴収等に係る宿泊施設のシステム整備等を行う、次の要件を満たす者
- 対象経費
- 宿泊税の徴収等に係る既存のシステムの改修又は新たなシステムの構築並びにハードウェア及びソフトウェアの購入に係る経費
- 補助率
- 補助率...10分の10 補助限度額
- 上限額
- 補助率...10分の10
- 募集中デジタル技術活用支援事業補助金立川市
- 対象者
- 以下の要件をすべて満たす方( 詳細は申請案内を必ずご確認ください )
- 対象経費
- 次の要件をすべて満たす業務効率化・生産性向上等に資する取り組み( 詳細は申請案内を必ずご確認ください )
- 補助率
- 補助額 上限50万円(下限5万円) 4分の3
- 上限額
- 上限50万円(下限5万円)
- 募集中【一般枠は6月8日より申請受け付け開始】中小企業等デジタル基盤強化事業費補助金の公募を開始します!西条市
- 対象者
- 補助対象事業者は、 次の(1)(2)の全ての要件を満たす方 となります。
- 対象経費
- 者は、 次の(1)(2)の全ての要件を満たす方 となります。
- 補助率
- 補助上限額:300万円 10/10
- 上限額
- 採択予定:1件 300万円
- 募集中令和8年度中小企業DX推進補助金「DXツール導入型補助金」の募集について公益財団法人やまぐち産業振興財団
- 対象者
- 県内に事業所を有する中小企業者(対象業種:農業、林業、漁業を除く業種)
- 対象経費
- 買い切り(永久ライセンス)型
- 補助率
- 補助上限額:75万円 1/2以内
- 上限額
- 募集件数:100件程度 75万円
- 募集中小規模事業者デジタル化支援補助金 -生産性向上に向けたデジタル技術導入・活用の取り組みを支援します-久留米市
- 対象者
- 補助金は、 次の全ての要件を満たす事業者を対象とします。
- 対象経費
- 補助金は、 次の全ての要件を満たす経費を対象とします。
- 補助率
- 補助率:2分の1 補助上限額:20万円(ウェブサイト関連費は補助額の1/2まで、補助上限額10万円)(機器購入費は補助上限額10万円) 補助…
- 上限額
- 補助率:2分の1 補助上限額:20万円(ウェブサイト関連費は補助額の1/2まで、補助上限額10万円)(機器購入費は補助上限額10万円)
- 募集中徳島市中小企業デジタル化促進事業補助金の募集徳島市
- 対象者
- 次の全ての要件を満たす中小企業基本法第2条第1項に該当する中小企業者
- 対象経費
- ア)ソフトウェア等利用料
- 補助率
- 補助上限額 25万円
- 上限額
- 補助上限額 25万円 と補助率
補助金・経営支援顧問